2017年8月26日土曜日

静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話 宇野 常寛  その2

前回
その1

第3章 駒崎弘樹
◆政治という回路も遅いし、市民運動的なアプローチも力が弱い。であれば、自分で事業を作って目の前の人を助けて成功事例にして、それを制度化するロビイストとして振る舞うことで、官僚たちの意思決定回路に乗せて制度に接続して全体を救うと言う方程式があるのではないかと考えた
◆これまでのNPO業界は、自分たちのやっていることが現場オリエンテッドだから、国に対して「お前の机の上だけで政策作ってんじゃねーよ」と敵対意識を持ってしまいがちだった
◆もしかしたら変革のイメージと言うのは、救世主が劇的に現れてパーンと変わるよりは、いつの間にか良くなっている方がいいのかもしれないと思った
◆怒りが動機だった時は、いろいろな人を巻き込むのに失敗した。怒っている人には誰も近づきたがらないから。特に、怒る対象だった行政等は、うまく巻き込むことができなかった。でも、楽しいと思うようになってからは、巻き込める人が多くなった。

第4章 門脇耕三
◆少なくとも、スポーツ施設のみに特化したエリアを開発することによって問題が生じたという、オリンピックの歴史上の教訓が生かされている。しかし、そうした歴史を知らずに批判をしているから、今の議論はとても的外れなものになっている
◆再開発の結果生まれる新市街を実際に使っていて、文化的にも親和性の高い人たちが、オリンピックを「間」と思っていて、「電通の広告戦略になんて載せられねぇぞ」と反発している
◆逆に、テレビで「オリンピックが来ると日本の景気が良くなりますよ」と言われて「これで昭和の日本が帰ってくる」と喜んでいる人たちの住む旧市街は、はっきり言ってしまえば相対的に捨てられていこうとしている
◆旧市街はもはや文化を担う場所ではない。資本投下の対象になりきってしまった都心では、新しい文化を育てるなんてリスクでしかない。だから現在の都心では、既成の文化の二次消費的な動きばかりが目につく

つづく
その2



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