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2017年4月19日水曜日

国立社会保障・人口問題研究所HPの社人研歴史館というページが渋い

国の政策資料には、
最初の方に人口推計などが多く出てきますよね。

国立社会保障・人口問題研究所は、
そのデータソースになっている研究機関です。

所長は医療政策では有名な遠藤久夫先生。
過去には中医協の会長、現在では医療保険部会部会長などをされています。

この組織は歴史が古いのですが、
戦前に人口増加と食糧問題、優生学的観点からの人口調整、
一方で戦争へ突入して行く中での「産めよ増やせよ」的観点からの人材確保、
これらの相反する考え方から、人口問題が非常に重要視された頃に作られました。

とまあ組織の紹介はそこまでにします。
本題は、この研究機関のHPが、
過去の論文をデジタル化してどんどん公開しているのですが、
それから当時の考え方などが掴めて非常にいいのです。
http://www.ipss.go.jp/history/index.asp

特に戦前・戦中資料というところ。
http://www.ipss.go.jp/publication/j/shiryou/senzensiryou.asp
以下にタイトルの一部をコピペしますね。
↓↓↓↓↓
タイトル
発行年月日
容量(MB)
人口統計要覧 1940.3.1
2.0
人口政策の栞 1941.8.1
8.7
人口政策要綱 第一次 1941.8.1
1.5
人口政策確立要綱 1941.3
0.4
ナチス民族人口政策摘要 1941.8.1
5.9
アジアの諸民族 1942.3.1
14.5
戦争の人口に及ぼす影響 1942.12.1
36.7
大和民族を中核とする世界政策の檢討-特に民族人口政策を中心として-(第一分冊) 1943.7.1
44.3
大和民族を中核とする世界政策の檢討-特に民族人口政策を中心として-(第二分冊) 1943.7.1
31.9
大和民族を中核とする世界政策の檢討-特に民族人口政策を中心として-(第三分冊) 1943.7.1
34.0
南方民族圖譜 1943.4.1
15.9
北陸3縣人口統計摘要 1943.6.1
0.9
人口統計総覧 1943.9
15.2
近代戦下ノ人口報告資料 1944.1
18.8
1.東亜共栄圏及接壌地域人口分布図 (昭和15年)

1.5
2.東亜共栄圏及接壌地域出生率分布図

1.9
4.東亜共栄圏及接壌地域自然増加率分布図


とか


番号
タイトル
発行年月日
容量(MB)
1東亜共榮圏民族人口再配分配計畫資料 第2輯-東亜共榮圏及接壤地域に於ける昭和15年現在人口分布、地域別人口動態及主要都市人口 1942.1.20
1.7
2人種-民族-人口問題關係文獻目録(昭和14年1月-昭和16年1月)(和書-單行書ノ部) 1942.2.20
0.5
3人種-民族-人口問題関係文獻目録(昭和14年1月-昭和16年1月)(邦文-論文ノ部) 1942.2.20
0.7
4混血ニ関スル文献目録(欧文ノ部) 1942.2.28
2.8
5東亜共榮圏内主要民族略説(其ノ2)『インドネシア・オーストラリアの民族』(暫定稿) 1942.2.20
4.8
6華僑の概要 1942.2.20
1.1
7南方共栄圏に於ける文化厚生施設略説 (第一集)(暫定稿) 1942.3.10
62.3
8東亜共榮圏氣象・産物・及貿易統計要覽 1942.2
23.4
10華僑の概要 1942.3.10
108.0
11支那民族史略説 (暫定稿) 1942.3.10
15.1
12東亞共榮圏民族人口再配分計畫資料 第4輯-國・地域別職業別人口構成及其ノ他人口構成,國・地域別現在人口増加率- 1942.3.1
2.6
13南方諸地域の地域別将来人口推計 1942.3.20
0.3
15満州国苦力に関する調査概要 1942.2.10
1.6
16人口政策確立要綱ニヨル昭和16年乃至昭和35年各年ニ實現ヲ要スベキ内地總人口 1942.3.20
4.6
17東亜共榮圏民族人口再配分計畫資料 第5輯-在外内地人人口分布,在外内地人職業別人口構成- 1942.3.10
2.3
18支那の農業生産力に関する調査 (其の1) 1942.3.10
3.2
19在満邦人の職業別構成  (秘) 1942.2.20
22.7
20蘭領東印度に於ける和蘭の植民政策(暫定稿) 1942.3.25
36.4
21マレー種族の資質及特性に関する資料 1942.3.25
1.5
22結婚促進に関する資料 (1)妻の婚姻年齢と出産力 1942.3.25
0.3
23結婚促進に関する資料 (2)結婚年齢と所得 1942.3.25
0.4
24東亜共榮圏民族人口再配分計画資料 第6輯-在外内地人年齢階級別人口構成- 1942.3.20
1.4
25結婚促進に関する資料 (3)最近に於ける結婚の傾向(暫定稿) (部内限) 1942.3.30
1.1
26遺傳學説摘要(暫定稿)-混血現象を中心として見たる- 1942.3.30
0.9
27英國の濠洲及び新西蘭に對する植民政策(暫定稿) 1942.3.30
19.1
28アジアの諸民族(第1分冊) 1942.3.30
4.3
29東亜共榮圏民族人口再配分計畫資料 第7輯-在外内地人男女年齢及配偶關係別人口構成- 1942.4.1
2.1
30各國の人種政策 第1輯 (1)北米合衆國 1942.3.30
0.9
32民族博物館設置に関する資料 第1輯 (1)「特に人口問題に関聨する人類学及び優生学博物館の計画とその目的」 ローマ國際人口會議報告 1942.4.8
0.7
33結婚促進に関する資料 (4)生物學的見地より観たる婦人の結婚適齢期に関する諸説 1940.4.15
0.5
35大東亞建設のための大和民族の人口配置に於て留意すべき諸点 (1)衣食住の問題 1942.4.15
1.3
36アジアの諸民族(第4分冊) 1942.3.30
2.8
37東亜共榮圏民族人口再配分計畫資料 第8輯-若干ノ在内地外内地人ノ人口動態在外地内地人ノ人口構成及職業別構成補遺-  (秘) 1942.4.10
28.0
38邦人海外発展史略説 ( 第一分冊) 1942.4.15
2.8
39内地外ニ於ケル内地人人口ノ増殖力ニ関スル調査 其一 明治三二年以降大正十三年ニ至ル在内地外内地人人口ノ普通動態率 1942.04.20
14.6
40各國の人種政策 第2輯・完 英国,伊太利,ハンガリー,波蘭,ルーマニア,ラテン アメリカ諸国
日本及支那 並其の他の諸方策 附録「ナチス独逸の人種立法,特ニユダヤ人排斥」 1942.4.20
2.3
41東亜共榮圏及接壤地域民族人口統計摘要表  (秘) 1942.4.15
20.7
42邦人海外発展史略説 (第二分冊) 1942.5.1
1.8
43邦人海外発展史略説 (第三分冊) 1942.5.5
4.0
44邦人海外発展史略説 (第四分冊)

2.4
45内地外ニ於ケル内地人人口ノ増殖力ニ関スル調査 其ノ2 主要地域別在内地外内地人ノ人口動態比較 1942.5.1
0.4
46東亜共榮圏民族人口再配分計畫資料 第9輯 ニュージーランド(1)-人口靜態及人口流入流出- 1942.04.15
34.9
47東亜共榮圏民族人口再配分計畫資料 第10輯 ニュージーランド(2)-婚姻,離婚及出生- 1942.4.20
21.5
48東亜共榮圏民族人口再配分計畫資料 第11輯 ニュージーランド(3)-死亡- 1942.4.25
30.4
49東亜共榮圏民族人口再配分計畫資料 第12輯 オーストラリア(1)-人口静態及流入流出(1)- 1942.4.30
25.6
50俘虜の取扱に関する資料


こういうのが見れるんです。
全部フリーですよ。

PC無いから手書きの論文ですよ。
たまらないですよね。

ここのHP自体良く作られていますし、
年報など色々論文が積極的に公開されていて、
ずーっとこのHPだけで楽しめます。

今日はそんなご紹介でした。




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2016年9月23日金曜日

横山尊 さんにご指導いただく

横山尊『日本が優生社会になるまで』合評会に参加

以前こちらの記事にも書いた合評会でお会いした横山 尊 先生に、
私が以前書いた修士論文をご高閲いただき、丁寧にレビューをいただきました。

この場を借りて、心より御礼申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。

横山さんのご本です。是非ご覧になってみて下さい。




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2016年9月13日火曜日

二日市保養所を訪問(なつやすみその2 福岡編)

先の九州旅行の最終日、
福岡県にある二日市保養所跡に行き、
見学及び水子供養のお祈りをさせていただきました。

ここは、私の学生論文の中に出てきた場所で、
現場に行くことなく記述したことをずっと悔やんでいた場所でした。

そこで今回連れに無理を言って、
ちょっと博多から離れたこの場所に行かせていただきました。

二日市保養所とは、一言で言うと
「敗戦後、大陸から引き揚げる際に、強姦され、
妊娠させられた女性に中絶手術を行う場所」
です。

敗戦後満州などに住んでいた日本人の、
引き揚げの際の地獄絵図については「水子の譜(うた)」や、その他証言を集めた書籍、
満島ひかり主演のNHKドラマ「開拓者たち」などで描かれていました。

日本においては、明治以降、中絶は刑法に反する犯罪であり、
その時々の法律の解釈によって、一定の要件に該当する場合、
その違法性を阻却するという考え方で運用されてきました。

当時日本には、国民優生法という法律があり、
軍の産めよ増やせよの方針の下、
母体の危険がある場合を除いて中絶ができないという解釈・運用がなされていました。

そのため、妊娠させられ引き揚げてきた女性についても、
当時の法律では中絶を行う事ができませんでした。

そこで当時の厚生省引揚援護庁は福岡県筑紫郡二日市町に保養所を作り、
博多港で女性たちに相談を募り、
該当する女性を保養所へ連れて行き、
中絶を行うという超法規的措置を行いました。

医療物資が不足する中、
麻酔も受けられずに手術を受けた女性は、
手術を受けた後、各々故郷に帰っていったそうです。

法律では中絶を行った医療者にも刑罰規定を設けられていたため、
それを顧みず手術を行った医療者の覚悟と判断には改めて敬意を表します。

二日市保養所は現在、済生会傘下のむさし苑という特養になっています。
その駐車場に写真のような石碑と水子供養の祠がひっそりと建っています。

とてもきれいな特養です。
特養の敷地内にあるので不法侵入にならないように気を付けてください。

アポなしで、しかもハーフパンツで訪問したのにも関わらず、
丁寧な対応をしていただき心より感謝しています。
(ご好意でたまたま対応していただけたのだと思いますので、必ずご連絡の上訪問下さい。)

個人的な感想としては、
二日市保養所は今の筑紫野市にあるのですが、
「何でもっと発信しないのかな?」という疑問があります。

センシティブなのは分るのですが、
戦後70年以上経ってここまで知られていないのは…って感じです。
まあ確かに患者のプライバシーもありますので難しいところだとは思いますが。。。

実際に草の根からの情報発信が多いような気がします。





戦争の悲惨さや狂気を伝える一つの大事なものであることは間違いないので、
情報発信してもよいのではないでしょうか。

「仁」の石碑。


水子供養の祠。





いやあ、マジで戦争はいかんよね。

って、
こんな安易な締めをするために見学に行ったわけではないんだけど、
正直この言葉しかでなかったわ。

もう少し咀嚼が必要。








追記
リクエストいただいたので、

関連書籍貼っておきます。

やはり水子の譜を呼んでいただきたいですが、
ちょっと現在は高いようなので、
「竹林はるか遠く」か、「流れる星は生きている」
あたりから手をつけてみてください。
何故かこの記事だけ海老蔵みたいな行間になってしまう。。。

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2016年9月3日土曜日

利己的な遺伝子 リチャード・ドーキンス 第1章

以前ゼミで資料をまとめた「利己的な遺伝子」です。

ワードのコピペなのでいつもとフォントとか書きぶりが違います。

今まとめを読んでも示唆に富む本。

1章 人はなぜいるのか
   この本の目的
Ø  利己主義と利他主義の生物学を研究する事
   ローレンツら先人たちによる進化のはたらき方の誤解
Ø  彼らは、進化において重要なのは、個体(ないし遺伝子)の利益でなくて、種(ないし集団)の利益だという誤った仮定をおこなっている。

   この本の主張するところ
Ø  われわれおよびその他のあらゆる動物が遺伝子によって創りだされた機械にほかならない
Ø  成功した遺伝子に期待される特質のうちでもっとも重要なのは非常な利己主義である

   この本が何でないか   
Ø  進化にもとづいた道徳を主張しようというのではない             
²  個人個人が共通の利益に向かって寛大に非利己的に協力しあうような社会を築きたいと考えるのであれば、生物学的本性はほとんど頼りにならない
²  遺伝的にうけつがれる特性が、その定義からして固定した変更のきかないものだと考えることが誤り
  生涯、遺伝子に従うよう強制されているわけではない
Ø  氏か育ちか論争におけるなんらかの立場を主張するものではない
²  たとえ遺伝子が現代人の行動の決定にまったく無関係であることがわかったとしても(そうでなくても)その規則を学ぶことはいっそう重要である。
Ø  人間の行動やその他の動物の詳細な行動を記載したものではない
²  自然淘汰のはたらき方をみれば、自然淘汰によって進化してきたものは、なんであれ利己的なはずだということになる

   ダーウィニズム理論の現代的説明の驚くべき結果の一つは生存の見込みに対するささいな作用が進化に多大な力を及ぼし得ることである。これは、こうした作用が影響をおよぼすのにつかえる時間がたっぷりあるからである。

   利他主義と利己主義の定義(意識はどうであれ、結果として
Ø  利己的行動の例
²  ユリカモメの共食い
²  雌カマキリの共食い
²  皇帝ペンギンの押し合い
Ø  利他的行動の例
²  働きバチの防御
²  小鳥の警戒声
²  親鳥の擬傷ディスプレイ

   利他主義についての誤った説明(群淘汰説)
Ø  生き物は「種」「集団」のためにものごとをするように進化するという誤解
Ø  論理の飛躍
²  繁殖の「機能」⇒種の存続をさせる「こと」
²  動物が種の存続に役立つようにふるまう⇒自種の仲間に対する利他主義 
Ø  進化は自然淘汰によって進み、自然淘汰は「最適者」の生存に加担する
²  最適者とは何か?(個体?品種?最適種?)
²  生存競争で競い合っているのが種であるとすれば、個体は将棋の歩
   群淘汰説とそれに対する個体淘汰論者の反論
Ø  他の利他主義者を利用しようとする利己的な反逆者が一個体でもいれば、その個体はたぶん他の個体より生き残るチャンスも、子を作るチャンスも多い。その子供たちは利己的な性質を受け継ぎ、利他的集団には利己的個体がはびこり、利己的集団特別がつかなくなる。
Ø  集団の絶滅は、個体間の苛烈な競争にくらべればゆっくりとした過程である。集団がゆっくりと確実に衰退していくあいだにすら、利己的な個体は利他主義者を犠牲にして短期間に成功する
   群淘汰説が非常に受けたのは、われわれの倫理的理想や政治的理想と調和しているからだろう
   群淘汰説の難点
Ø  「他人」ということばをどこまで広く解釈しようとするか
²  集団内の利他主義は、集団間の利己主義を伴うことが多い。
²  仲間意識の対象を人間の種全体に置き換えようとする傾向
  「種の利益」論を支持しているようにみえる
  彼らは、利他主義の枠に他種をも含めようとする人々に対して、もっとも強い軽蔑の念を抱いていることが多い
²  自種のメンバーが他種のメンバーにくらべて、倫理上特別な配慮をうけてしかるべきだとする感覚
  胎児はわれわれの種に属するがゆえに、即もろもろの権利・特権を与えられるのである。
Ø  どのレベルでの利他主義が進化論的にみて妥当なのか(種、属、目、綱、脊椎動物・・・)


   「個体の利他主義のみかけ上の存在を説明しなければならない。」
   「私は、淘汰の、したがって自己利益の基本単位が、種でも、集団でも、厳密には個体でもないことを論じるつもりである。それは遺伝の単位、遺伝子である。」
   「われわれはまず、生命そのものの真の起源から始めねばならない」⇒2章へ





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