ラベル チェーンストア理論 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル チェーンストア理論 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年1月4日水曜日

チェーンストア経営の原則と展望 渥美俊一 その2

前回
その1

≪第1章2≫
◆チェーンストアは小商圏主義である。したがって、必要とする人口は7万~12万人まで。食品ならば3万5千人から5万人を狙う
◆この小商圏をそれぞれ隣接させた地域が、ドミナント・エイリア、いわばじゅうたん爆撃地区、購買力の寡占をめざす金城湯池の地域である

◆人類はせいぜい2,800坪まででなければ、店内を気軽にあることが肉体的にできない
◆芸術的に設計された店舗のように見えながら、実際は一世紀以上にわたる店づくりの経験法則が理論体系として形作られ、忠実にそれが一つひとつ実現されて、総合的にお目見えしたのが店内ムードである
◆これまでの商業の常識は、いったん店をつくったら決して立地は変えないし、建物構造も継ぎ足ししかしないものとされてきている。日本ではこれをビッグストアづくりの過程で五年間ごとに変えてきて、さらに本格チェーン化として大転換をしようとしていることにご注目願いたい


≪第1章3≫
◆チェーンストアづくりの前段階として、ビッグストアづくりが必要
◆ビッグストアづくりは、もちろん株式会社もしくは生活協同組合のいずれかの法人でなければならない。つまり、個人企業や有限会社や、中小企業事業協同組合では不可能である。なぜなら、急速な増資が必要だからである。
◆ビッグストア段階においては、年ごとに5割から10割の増資が必要である。しかし、利益も年ごとに拡大させなければならいから、当然に年次決算体制ではなく月次決算をし、そのつど改善と改革の手を打ち続けて、高収益化をはからねばならないのである

◆株式を上場すれば、時価発行と社債発行とによって、膨大な資金調達が可能である。これがチェーン化財務の王道
◆資金コスト・ゼロで資金を活用する方策として、我が国でひねり出された突破口が、回転差資金の活用である。これは支払勘定回転日数を遅くし、販売資産回転日数を早くし、その差で浮いてきた資金を、固定投資に振り向けようという作戦である。
◆もう1つ忘れられてならない財務対策は、担保能力の急速な増加である。なぜなら、企業の安定性を確保することは、急進経営戦略をとるときの最大の保険になるからだ。これには法人の土地所有をふやしつづけることだ。

◆商品回転率は圧倒的な高速回転をモットーとする。それは売場販売効率を異常にふやすことによって実現するのではなく、在庫高を適正にする、すなわち、①死に筋退治、②欠品退治、③売れ筋確保とを徹底させることで、可能とし、毎日努力するのである。
◆新しく問題になってきているのは、不動産分配率である。これは、単位面積当たりの投資額の低いことが、ビッグストアづくりの条件であったにもかかわらず、いつの間にかこれが増大して、最近は不動産分配率が20%を超え、なかには25%以上という例さえ出てきている

◆数表づくりは準備手続きと思うこと。分析⇒判断⇒改善実行が本体
◆経理対策は過去を問題にする後始末であり、財務対策は未来を考える計画対策である。後始末をしなければ、確実な前進はありえないけども、未来対策を考えないかぎり成長はない

◆トップ・マネジメントは、まず損益計算書を勉強し、ついで貸借対照表の知識を持つこと。
◆第二に、資金繰り表と各種経営効率の検討に入るという手順を踏むべき。
◆この検討は、つねに、①観察(問題点の発見)、②分析(原因となる事実の確定または指定)、③判断(改善策と改革案、応急処置と抜本的経営戦略)の三つにわけて行われるべきである





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!

line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2017年1月2日月曜日

チェーンストア経営の原則と展望 渥美俊一 その1

あけましておめでとうございます。
2017年もコツコツ勉強していきたいと思いますので、
何卒よろしくお願いいたします。


さて、
「 チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一」 の下巻的な本。


≪第1章1≫
◆高級品や趣味品を提供し、あるいはギフトを扱い、さらに特殊なスノビズム、遊興や豪華さを狙うものもあるのだが、チェーンストア経営は、そのようなことはドライ商法によって百貨店や中小小売業や零細飲食業に任せようと、割り切って行動するのである
◆ドライ商法とは
①最も影響力の大きい
②暮らしの大部分、、あるいは時間的、地理的、数量的には最も大きい商品部分だけを
③徹底して実現しよう
という基本態度
◆チープとは流通の慣習や仕組みを変えることによって出す安い価格であるのに対して、ディスカウントは生産の仕組みや慣習を変更によって打ち出される、まったく新しい角度で構築された売価である。業界相場の二分の一以下を打ち出す。

◆チェーンストア経営はトレード・オフで、暮らしを守り育てようとする。
◆トレード・オフとは、使う立場に立ってみれば、すでにつくられ提供されている製品の機能は的確ではないとして、現在その製品に与えられている性質や機能を否定する事、そして使う立場に立って、あるべき性質と機能とで新しく商品を創造することである

◆食べるとき、服飾の装いをするとき、住居にいるとき、一つの品種や一つの品目だけを使う(食べる)のではない。必ず何種類かの品種や品目を組み合わせて使うものである。この場合に、この二種類のコーディネートがそれぞれ十分にできる状態があれば、暮らしは豊かになり、うるおいあるものになり、うまくて、美しくて、快適で、楽しいものになる。それが文明生活である
◆ところが、組み合わせる品種や品目はそれぞれ生産者の異なることがほとんどである。このために、だれかがプロデューサー役をしないと、調和したコーディネーションは実現できない
◆チェーンストアはコーディネーションのプロデューサー役を果たすことを、本来のマーチャンダイジング活動のモットーとするのである。

◆プライベートブランドは、全く生産されていない機能や性質の商品を、新しくつくりだすものであり、比較する価格は正式には存在しない。しかし、同種の様とという点で、しいて表現すれば、価格は一般流通品の二分の一とみてよい

◆チェーンストアである店については、人人は〇〇円前後の店とすぐさまイメージが浮かび、実際に買い物をする時に値札を見ないで済むという状況になる。
◆さまざまな品質やコストの商品をいろいろ仕入れていると、客に店側がどの品質や価格の品を本当に奨めているのかわからない。それは客の好きずきですというのでは、生活者に代わって品選びをするという商業本来の社会任務の放棄ではないか。
◆徹底的にポピュラー・アイテムに絞り込めることが、チェーンストアの商品技術である。それによってのみ客数をふやし、売上高と店数を増加させていけるときに、初めて暮らし産業であり生活提案ビジネスになる。そうでなければ、チェーンストア経営システムと取組意味はなんらないのである

つづき
その2




///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2016年12月30日金曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 6 ラスト

ラストです!

前回
その5

≪第2章3≫

◆革新官僚の代表通算当局は、このときすでにチェーンストア志向企業群を中小商業としてではなくて基幹産業の一つとして予見し、対応していた。43年通産省は「流通産業の展望」を発表し、チェーンストア産業への期待をいち早く宣言した
◆四S主義
(1)スぺシャリゼーション:あるべき形の徹底による差別化、特殊化
(2)シンプリフィケーション:未熟者でも確実にできる仕組み
(3)スタンダーディゼーション:仕組みのより的確な実行と改善のための工夫
(4)セグメンテーション:いろいろ手を広げない、その代わりに完全に実現する

◆終身雇用制が日本企業の常識といわれるが、勤務先の流動性のトレンドは、この業界(小売・フードチェーン)が昭和40年代前半からすでに実行中で、終身雇用年功序列制を破壊した最初の業界なのである
◆変革とは別名、経営体質手術の連続を意味している。彼らは現実に経営手術を繰り返して、脱皮と転換を繰り返してきているのだ
◆国民性や常識や慣習、風俗の違いが日本ではしばしば強調され続けているが、私たちはそれを割り切って違いの方を見直そうとした

◆チェーン志向企業に従事する人々は、日本国民の暮らしの実体と水準とを左右する立場になりつつあることを、この上泣く深刻に自覚しなけらばならない

◆昭和53年からお目見えしたぜネリック(商品本来の一つの機能だけを実現する特別廉価品)はたちまち他のチェーン化勢力も追いかけた
◆トレード・オフとは、これまで業界常識から必要としてきた商品の性質を、「買う」立場ではなくて「使う」立場で再検討し、無駄な性質をすべて捨てて必要な性質だけを与えた機能主義の廉価"暮らし"用品だ。食品から始まって日用雑貨、服飾、住居用品へと拡大中である。





この本の下巻的な本。
チェーンストア経営の原則と展望

///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2016年12月29日木曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 5

前回
その4

≪第2章2≫
◆大チェーン・ビジネスになった企業は、食品ではコーヒーや紅茶、非食品では腕時計や旅行トランク、ドレスなどを、プライベートブランドとして廉価で売り出して成長した
◆江戸時代から消化に伝わる家憲や家訓通りに、2桁の店数になればたちまち管理の限界に到達足して倒産するのである。
◆こうした家憲や家訓は店数を5店、あるいは7店までにとどめるように規定していた。だからこれらはいずれもビックストアまでいかなかった

◆まず江戸時代から町民たちの間で語り伝えられてきた商人道を、現実の業務の形で狼煙をあげた。それが昭和30年から始まった「主婦の店」運動である。
◆営業形態と計数管理とは確かに新しい武器であったし、店は客のためにあるとの精神はしっかりしていたものの、ビックビジネス化していく方策はまだ大きく欠落していた
◆基盤づくりの寛容さについて既に気づいていた倉本長治、喜多村実の助言の下に再出発を図ろうとしたのが、渥美俊一(筆者)が主催するペガサスクラブの運動であった
◆昭和30年代、私どもがチェーン化産業づくりの旗揚げをしようとした頃は、大学を出て商業に就職するのは商社と百貨店だけだった。一般の小売店やフードサービス業へは、店主の息子ですらも逃げ回ったものなのだ。普通に教養のある人物なら、絶対に就職するところではなかった。これでは、いかに繁盛店が生まれても立ち消えになるばかりである。
◆優秀な素質のある人物たちを採用し、さらに長期間の教育で人を育てることができる仕組みがなければ、商業本来の社会的任務と経済的機能を果たせるはずがない。そのためには、何十年も勤務させられるような労働環境作りをしなければならない。それには賃金支払性の確保、すなわち労働生産性の確保ができ、しかも企業をビッグ化できる経営システムが必要なのだった。

◆19世紀以降、ビジネスの世界における貢献者は熟練した技術者集団。彼らが文明を築造してきたし、21世紀にかけてますます技術者の時代になる

◆売上高100億円や1000億円くらいでは国民生活へ貢献できるパワーをまだもちえないことは、チェーン化の当事者の方がわきまえている
◆結局、ビッグストアづくりという段階を簡単にいえば、経営戦略的にいえば不動産獲得業とマンパワー育成業を経営戦略の重点とする

◆まだ担当者たちが未熟で生産者に対して発言権もなく、みずからの開発力もなく、管理水準も低い以上、商品対策は他の既存の力、とくにベンダーの力を上手に活用する以外にすべがない

◆零細浮遊、水泡のごとき存在からビッグストアへの足掛かりは、お客に対し便利さの提供に専念すること、それが提供できるご利益だ、と徹しきることなのだ。
◆誠実さ、立地、店の広さ、売価の低さ、セルフ・サービス、多店化とにかく、こうした便利さを実現できるあらゆる手を使いこなすこと、それが経営戦略の内容でああった

続き
その5




続き
その6

///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2016年12月25日日曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 4

前回
その3


≪第2章1≫
◆わが国で生活水準の向上とは、まず動物的生存に必要なモノの充足が先決であり、次いで文化的支出を次第にふやしていくことだとしている
◆昭和50年代以降は高級化=趣味化=感性化=オモシロ化の方向をたどるという話に発展していく。そうしたかん考え方は、国際的に比較すると、欧米人とまったく異なる。

◆産業革命のご利益は、豊かさの庶民化にとどまった。庶民化とは、その良さを入手できる人を一人ずつふやしていくこと。アメリカでおこった新しい革命はその修正としての大衆化。
◆大衆化とは、一挙に国民の大部分、およそ八割くらいが豊かさを享受できる状態にすること

◆チェーンストアの経営のシステムは、大衆の暮らしを王侯貴族や一部の特権階級と同様な豊かな水準にまで引き上げようという、革命的な経済制度づくりである
◆暮らしの向上とは、何かすばらしいことができるという状態のことではない。ずっとよい状態が続くこと。言い換えれば、高級化ではなくて日常化だ。日常生活が充実して、初めて本当の生活水準の向上なのである。
◆ライフ・マネジメントのための支出とライフ・エンタテイメントに対する支出とは、一人の人間、一つの家族の中で並行し、そして互いにバランスがとれ、互いに調和したものであり、しかもそれが日常であり、ふだんである状態が、少しでも充実していくときに、生活の向上があると表現する。日本にはそれがない。

◆経済のあるべき仕組みは、使う立場、食べる立場、楽しむ立場、商品を提供できるようになっていなければならない。しかも、だれもが気軽に入手できる価格と方法とである

◆材料製造業は製鉄、紡績、化学工業など素材産業のことであり、動力革命が最も大きく実りをあげた分野である
◆材料製造業だけがとてつもなく巨大化してくので、つじつまが合わなくなる。そのため全生産計画の主導権を握って、一方では原料製造業に生産命令を出し、他方では製品製造業に対し生産指示をすることになる。彼らは、製品製造業をも、彼らにとっては流通だとさえ考えたのである
◆この現象がメーカー系列。当然にこれまでの流通分野にもその系列化が及んで、小売業・飲食業は材料製造業の指定する軌道の上だけで営業を強制され、その下請け配給機構と堕落していくのであった

◆一部の識者が流通段階が複雑で多数と言い、先進外国の人々が日本の流通そのものが不可能というのは、小売業、フード・サービス業に隣接する問屋・卸売業のことではなくて、実は製品製造業分野内でのことである
◆日本のほうは材料製造業の方から、この材料をどれだけ使えと指示するわけだが、製品製造業の方は実需が分からないから、加工を一段階やるたびに、需給の模様眺めをし、その調整とリスクを背負う別の商売、つまり問屋・卸売業が介在しなくてはならない
◆チェーンストア産業の成立している欧米での小売価格は、製造原価の二倍弱ですむ。理由は、仕様書発注品については計画と実績との差がわずかであるからだ。
◆使う立場になって商品生産のプロデュース業の役割を果たすのが、チェーンストアの任務なのである。それができないかぎりは、チェーンストア産業の革新性はない。そうして初めて、第一次産業革命の長所をとり、その短所を矯めた商品提供ができる。







///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2016年12月22日木曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 3

前回
その2

≪第1章の4≫
◆チェーンストア経営の目的は、一部特権階級のみが享受できる欧米の豊かさへと、国民大衆の毎日の暮らしを変革すること
◆経済民主主義とは、生活民主主義が現実のものとなるような経済の仕組みづくりに努力すること

◆ビッグストアづくりには経営戦略が不可欠
◆チェーンストアづくりは、資産と人材との準備ができてからもう一度、第一店から出直しての店づくりとなる

◆たとえば、1ダースなら安くなるといい、100ダースならもう少し仕入原価は低くなる。500ダースなら、さらに若干下がるかもしれない。けれども実際問題として、日本の現状では1,000ダースになるとかえってコストが高くつくはず。5,000ダースなら、確実に間接コストも高くなっていく。
◆ところが10万ダースになると、材料や加工方法や集荷ルートがまったく一変して、一挙に最初のコストの半分以下で入手できたりする

◆200店を超すと、まったく別の領域で創造活動が可能となり、まったく新しい方法で商品づくりと店づくりとマネジメントについての創造活動ができるようになる
◆日本で、わずか数点なのにチェーンと名乗っているにせものは論外としても、20店を超せば名実ともにチェーンのつもりになり、50店を超えてもう自他ともに許すモデルになった雰囲気があるのは、噴飯ものである。

◆商品開発イコール製品開発ではないし、また技術的には提供方法の開発、その研究と改善の方が、製品開発と取り組むよりもさきに確立されるべき課題
◆マーチャンダイジングという概念は、日本の大学では無視されている。アメリカではマーケティングの中の商品に関する開発行為の総称とされている。いってみれば売れる商品づくりである。売る仕掛けのことではない
◆規格化と修正化の二つが集まって繰り返されていく過程が、標準化である

◆主婦たちが、プラカードを持って抗議運動を展開した。そのスローガンは「シアーズ社よ。われわれアメリカ国民を裏切るのか」だった。
◆シアーズ社こそ、アメリカの人々が、チェーンストアとして、アメリカ国民の生活を守り育て豊かに維持し発展させる社会的機関として、考えていた証拠なのだ。

客数のふえつづけていることが最も重大な数値的指標というべきである。決して、売上高や、純益高や、賃金水準や、経営効率ではない。いわんや、上場株価や従業者の自己満足感で、その貢献度あるいは成就度をはかってはならない
◆ビッグストアづくりというチェーンストアづくりへの準備過程では、関係者は右のような瞬間的にだけ必要な数値に、気を奪われやすいことを、反省しなければならない

◆チェーンが否定する言葉
・大売業(量販店)
・繁盛店
・小さくてもビューティフル
・名声店
・ファッション・トレンド店

・自家製造
・大量仕入れ・大量販売
・メーカー直結・産地直結
・中間段階の排除
・現金仕入れ

・流通は暗黒の密林
・流通の近代化
・流通業零細性の救済

続き
その4





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平
  

2016年12月8日木曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 2

前回
その1

≪第1章 2≫
◆現状肯定の立場から出発する以上、出てくるものは姑息なあの手この手しかありえないし、人手をかける値打ちのあるビジネスは生まれてくるはずがない
◆流通革命が、しかも昭和40年代に早くも行われたとするのは、その言葉の意味が百貨店という代表的既存勢力に新しく"スーパー"・グループがとって代わったことだけをさしているにすぎない

◆流通革命とはチェーンストアが経済の仕組みを変えること。製造段階のそれが、見込み生産体制から受注生産体制へと切り換えられること
◆「作る立場・売る立場」から、「使う立場(食べる立場)・買う立場」に転換した商品生産体制にすること
◆国民大衆の暮らしのニーズとをンつに応える商品提供のプロデュース体制


≪第1章 3≫
◆識者の多くが日本は"暮らし"まで豊かになったと錯覚しているが、それはとんでもない無知である。日本人の大衆の暮らし、日常生活は、まことにみじめで貧しい。
◆消費財、とくに日常用品はモデレート・プライス(製造コスト積み上げ型の中級売価)ばかりで、用途も多目的・多用途の見せかけの品がほとんど。使う側からすると、調和のない生活しかできない
◆アメリカのチェーンは品種数は多いが、ほかは絞られている。TPOSごとに必要な品種はコーディネートしてそろえられ、当然に売価はプライス・ポイント(中心値ごろ)に集中し、スタイルと色数はホット・ファッションばかりだから、その数は少なくなる。スタイルと色数が少ないからコーディネートもできることになる

◆豊かさが味わえる10条件
⇒本を読んでみて下さい

◆流通革命の三条件
①ビッグストアづくりで、資産と人材の準備
②標準化された多店化づくり
③同志企業が数百社にふえる

◆チェーンストア産業が変えようとしている事例(たくさんある中から気になったものを抜粋しました)
(国際ブランド)
・ルイ・ヴィトンのバッグを持って大シャンデリアのある会場でのパーティーに行く
(このブランドは本来、旅行用品。日本では、高いものはなんでもよそ行きという考え方が定着している)
・今、アメリカでエスニック(少数人種)の間では、国際ブランドがもてはやされている。(彼らは手に技術がなく、収入が不十分なので、普段の暮らしを豊かにする方法を知らず、虚勢をはるためだけに買っているとされている。もちろんコーディネートはしていない)

(食品)
・小麦粉を用途別に調合している例は、わずか。(おいしいパンケーキもマフィンもつくれない)
・牛肉は霜降りが最上とされているが、牛肉そのもののフレーバーは重視されない。(本来、赤身でないとフレーバーはないし、よい肉の定義が他国では違っている)
・挽き肉は脂肪分をふやして、売価を下げている。(欧米では脂肪分の含有率を表示して、脂肪分の少ないことを誇示している)

(住居)
・壁と床と窓が、色も風合いもチグハグ、ほとんどが縞柄と植物柄
・シーツとタオルを、中元と歳暮などギフトにする。(欧米では、これらこそ主婦のセンスで我が家のために選ぶのが常識)

(衣類)
・男性の部屋着は、ジョギングウェアかパジャマかステテコだけ
・トップとボトムとシューズが、互いに無関係な売り場で売られている
・もともと衣料が高すぎるから、単品買いになる(アメリカでは、婦人物上下で計35ドルまでで7割が買われている。一度に上下そろえて、あるいは同時に着る品種をコーディネートして買える)

(化粧品)
・1個3,000円以上が主流である(アメリカは、値ごろは1.25~3.50ドル)
・中年になるとお出かけのときしか使わなくなる、ふだんはあきらめてしまう。(高価なのと、種類が少ないため。日本の女性と夫は気の毒である)

◆日本女性の貧しさ(2ページ半に渡って平均的女性の独身時代から中年までの消費事例がツラツラと書かれています…)

◆人々の暮らしを真によくするためのわれわれの努力は、このわが国の消費財提供システムの欠落部分を、国民大衆のニーズとして充足すること


つづき
その3





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平
  


2016年12月4日日曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 1

≪まえがき≫
◆第一次産業革命による素材工業、材料製造業優先の経済システムを修復し、「作る・売る」立場から「使う・買う」立場に変わった生活財提供システムを構築するのが、チェーンストア産業のめざすところ

≪第1編 1≫
◆一店ではできるはずのないことを、特別に工夫された経営上のシステムによって、素晴らしい暮らしというご利益を国民に提供するものというのが、つまりチェーンストアという言葉の本来の意味
◆標準化とは、①最良の方式を発見し、②関係者に教育し、③そのとおりに実行できる状態をつくりあげること。そして、④あらかじめ想定した期間が過ぎたら、その規格を改善・修正し、さきの①からまた繰り返すという過程をまとめていう

◆アメリカをはじめ欧州を含めて文明先進国では、11店以上を直営する小売業あるいはフード・サービス業とされている
◆欧米における歴史的経験からみれば、そうした画期的な経営的効用が生まれてくるのは、標準化されたテンポが200店以上出そろってからのことである
◆厳密に標準化されたもので200店を超えるところは20世紀末では一社もないのが実情である

◆ボランタリー・チェーン:一つの本部と多数の加盟店とで構成された経済事業体である。それぞれはまったく独立した法人格をもっていて、営業活動の一部を協同でやるもの

◆競争段階の初期においては、リテイラー・オウンド・コーペラティブ・チェーンという協同行為も生まれてくる。
◆リテイラー・オウンド・コーペラティブ・チェーン:小売業やフード・サービス業の小売店が協同で本部を構成し、加盟店の中の有志が資金と人手とを拠出し、全加盟者が運営費を負担する。

◆競争が激しくなってくると、これでは弱体なので、ホールセラー・スポンサード・ボランタリー・チェーンの形をとることが、欧米では普通。
◆ホールセラー・スポンサード・ボランタリー・チェーン:有力な問屋が数社集まって共同で本部を新会社として作り、一般加盟店を募集する形。運営費用は、本部から供給した加盟店の商品仕入額に応じた手数料でまかなわれる。

◆1990年代後半から、いよいよ日本の小売とフード・サービス業界にも、初めて欧米並みの、あるいは日本の製造業界におけるのと同様な競争が発生し、激化しはじめた。
◆しかし、事業のノウハウを知らないが多少の資産はある人々に事業を展開させられるという社会的貢献はあるものの、経営のやり方を細かく規定し違約には制裁がある点で、厳密には独占禁止法違反行為を本部側がやることになる。そこで公正取引員会では、健全なフランチャイズ・チェーンなら容認するという立場を、欧米同様にとっている
◆フランチャイジーそのものにみずから築きあげた管理技術があるわけではないので、小規模店向きであり、とくに我が国の場合は契約遵守の観念が希薄なので契約違反が時折り起こって、脱退者も少数ながら絶えない
◆加盟店は別法人だからチェーンストア以上の権威を本部側がもたねばならぬのに、フランチャイジーの資産をかつようできるという安易な通念から、無手勝流の単なる開店代行屋や、巧妙に納入業者からピンハネするまやかしものが続出する危険も指摘されている

◆生協活動はつねに生協運動と呼ばれるが、チェーンストア経営のめざすところと大規模経営の方式との二点で一致している部分が多い。ふつうのチェーンストアが株式会社であるのに対して、生協の資本は一般消費者で、しかもいこ^る生協の顧客である点が違っている
◆コンセッショナリー・チェーン:特許が与えられた、あるいは租借されたという意味で、店名を表示しない売場出店チェーン

◆ローカル・チェーン:一つの商勢圏内に集中的に11店以上を出店しているチェーンストア
◆リージョナル・チェーン:社内に2つ以上、ローカル・チェーンを持つ
◆ナショナル・チェーン:社内にリージョナル・チェーンを2つ以上、複数で持つ
⇒ローカル・チェーンと呼べるものがなければ、どの3種類にも属さない
◆チェーンストア経営のあるべき形がいつもドミナント・エイリアづくりを前提としている



つづき
その2




///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平
  

2016年11月27日日曜日

サイゼリヤ革命 出口芳生 3 ラスト

前回
その2


第7章
◆人間てのは自分が大切だから、何かにつけて物事を自分に都合よく見てしまう。嫌だなあと思うのも、自分にとっては損になると感じているからそうなるのであって、だから、すべての原因は自分のものの見方にあるというのがわかった
◆インダストリアル・エンジニアリングの手法で生産性を上げようとしてるわけだけど、観察・分析・判断するための一番の方法は、できない原因、ダメな理由を外の要因にしないこと。効率の上がらない原因は、自分の考え方が違うってこと
◆世の中は原因があって結果があるという因果関係で成り立っている。さらに、その結果が原因となって結果を生み、その結果がまだ原因になる。世の中が変化しながら先に広がっているわけです、これは宇宙が膨張しているのと同じこと

◆経営者がよくお客様のためという言葉を口にするが、それが心の底から出ているのかどうか、実は社員はよく見ている。経営者の言動に少しでも自分や会社のためといった欲を感じたら、お客さまのためというのは、単なるお題目にしか映らない。社員の行動もそれに準じたものになる。
◆頭のいい人は自分たちの被害を抑えるためにいろいろ考えるんだろうけど、そんなことすると、逆におかしくなる。メーカーが作ったのだからとかは関係ない。自分たちの管理が悪かったってこと。
◆社員には、会社を守るな、お客さんを守れ、と。それで潰れるような会社だったら、潰れたほうがいいんだよ。
◆フードサービス業を含めサービス業が今、厳しくなっているのは、お客のニーズに即した変化への対応が遅れているから。大変革が求められているのに、いろいろなしがらみや制約があるためになかなか進まない。だけど大震災で全てがリセットされた。被災地に新たな街が生まれ、人々が住むようになると本当に生活に必要なものを扱う店、つまりチェーンストアができていく。チェーン企業が伸びるチャンスなんだ。

第8章
◆川崎進一の著書には、ビジネスとは、世界一利子の高い銀行に定期預金をした時の金利の3倍の利益がなければならない、とあった。確かに、投資額に対する利益率が銀行金利と同じレベルにしかならないのであれば、銀行に預けておいたほうがいい。ビジネスの場合、次の投資や人を育てることを考えなければならないわけだから、少なくとも金利の3倍の利益を出せなければ継続できないことになる。
◆サイゼリヤは、飲食店では悪立地といわれる場所や撤退物件など、家賃や保証金の低い物件を狙い撃ちしながら、店数を増やしていく。提供しているものに価値さえあれば、どのような場所であろうが、お客が来てくれることが分かっていたからだ
◆日本のSCは基本的に大商圏型なので、来街は週末に集中する。したがって週末はいいが、平日は大苦戦というのがSC内飲食店の常である。だが、サイゼリヤの場合は、SC内従業員の需要という基礎票があるので、平日も安定した売上を確保できる。以前の店舗の何倍も売れるのは当然なのだ。
◆最初は誰も相手してくれない。それでも正垣は正面突破を繰り返した。少なくとも200店以上は店を出すから一緒に大きくなろうと訴え続けた。

◆外食チェーンの工場設置の目的は、店舗の作業を肩代わりして生産性を高めること、それから品質の安定化を図ることの2つだ。原価が下がるのは、購買の集中化によるコストダウン効果に過ぎない。
◆効率化うんぬんと言われることが多いが、その前に子、数字の出所を1つにすることこそがもっとも大事な役割
◆生産性が独り歩きしていた。売り上げが下がっても、人を減らせば生産性は維持できる。そのため、人減らしに走る店長が出てきた。その結果、現場の人間が無理をすることになり、サービスの品質もクリンネスも落ちるし、モチベーションに関わるサービス残業も起こしていた。生産性の数字には現れないすぐに問題が続出していた。

◆R&Dは企業の継続的な成長を促す仕組みに不可欠な因子。製造業に創業から100年、200年経っても成長を続けている老舗企業があるのも、R&Dに多大な労力と予算を注ぎ込んできたから。業績が厳しくなろうと、投資しないし続けなければ先は見えてこない。実際R&D予算を抑えたところはいずれもだめになっている
◆外食はある意味で、メーカーの技術力によって支えられてきたのである、マクドナルドは世界最高の販売システムを持っているし、食材の供給元であるメーカーに対する力も圧倒的だが、食材の製造そのものはメーカーに頼らざるを得ない
◆メーカーの製造技術と製造能力を具備するマス・マーチャンダイジングシステム完成させた、真の意味での製造直売。サイゼリヤは、そこに向けて成長を続けている。

第9章
◆うまくいかないのは欲を出しているから。欲をなくしてあるがままに観察しないと自然の法則は見えてこない。原理原則からいえば、価格と品質、そして利便さが揃っていなければFFSは売れない。その法則が見えていない。内装がどうだとか言ってるけど全然、関係ない。欲が我々から消えない限り、できない
◆損しているじゃないかと言われるけど、僕らのビジネスの目的は、お客さんに喜んでもらうこと。喜んでもらえたなら、まずはよしとしなきゃ。
◆もし、FCや合弁で進出していたら、原価割れするまで価格を下げるなど剛腕は振るえない。パートナーが反対するに決まっているからだ。逆に大繁盛したら、パートナーは「これだけお客が入るのだから、値段を上げて儲けを増やそう」と言ってくるかもしれない。
◆安くすることで、店数を増やし、現地の人たちに喜んでもらうという本来の目的に向かってまっすぐ進むためには、独資で進出するしかありえないのだ。




///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!

line://ti/p/@zvf9388t


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2016年11月17日木曜日

サイゼリヤ革命 出口芳生 2

前回
その1


医療の世界でも、「人は誰でも間違える」以降、
原因を人に求めるのではなくて、
器具の置き方、動線、勤務形態などミスの起こらないシステムを構築を目指すことが行われています。

企業というのは組織として動く以上、
どうしても人材は玉石混合になるもの。

それを標準化するためにはシステムが必要不可欠ですし、
システム化する過程にはトライ&エラーが不可欠です。
エラーの重大さを攻撃するだけなく、そこから何が学べるか、
どうシステムに生かせるかということを常に考える必要がありますね。


第4章

◆みんなできないって言ってたけど、投資して絶対にやるんだと言う意気込みで取り組めば、必ずできるものだ
◆当時、日本人が誰も足を踏み入れたことのないような田舎の村まで分け入った。だが、すぐに取引を始めることもなかった。その前に、お互いを理解するために十分な期間をとった。こうした積み重ねが今のサイゼリヤの基礎になっている。

◆それまで商社経由で仕入れていたスパゲッティーの上代はキロ270円だったが、直輸入に切り替えると同130円と半額以下になった。
◆日本で高級食材と言われているものも現地では、それほど高いものではなく、商社がいかに高い粗利を得ていたかが浮き彫りになった。
◆ビニールハウスは、全て日本製にすると7.2メートル× 45メートルのハウス1つで500万円ほどかかるが、韓国製資材を利用すれば建設費は55万円程度と10分の1で済む。投資が下がれば損益分岐点も下がる。一棟あたりの売り上げが同じでも、利益は出やすいということになる
◆サイゼリヤの農場は、外食業が言う自社農場の次元をはるかに超えている。サイゼリヤが言う農場とは、農産物を作るだけではない。開墾に始まり品種改良に至るまで、農業のほぼすべてを実験、検証、実践する場所なのである。
◆農業生産者ってどこかの産地が災害で全滅すると、自分の作物が高く売れると喜ぶし、豊作だとこっちの実入りが減るからと、そうならないように祈る。今の農業のような見込み生産だと、誰かが行困ると誰かが喜ぶと言う仕組みになっているんだ。そんなのおかしいじゃない。豊作は生産者も消費者も一緒になって喜んだ方がいいに決まっている
◆白河高原農場では、社員、アルバイトとも、その日一日で行ったすべての作業を日報としてまとめ、提出することを義務づけている。これにより、誰が何の作業を、何を使って、何時間行ったのかを把握することができる。つまり圃場の人事生産性が算出できるし、どの作業を改善すればいいのかも明らかになる。

第5章
◆正垣は人と争うことをよしとせず、近所にトンカツ屋ができた時、人気メニューだったカツも外したほど。それだけに、それぞれ他社のやっていないことを追求することで共存共栄を実現し、選択の幅の広い豊かな社会を目指すチェーンストア理論は、自分の考え方に共通すると感じていたようだ。
◆渥美先生の言ってる事はわかるし、調査の手法にも感心するんだけど、ペガサスクラブはアメリカ一辺倒だったから、ヨーロッパに目を向けている自分たちとはちょっと違うかなと思っていた

◆経営管理の仕組みに関する関所には何度も突き当たったが、うまくいかないのは方法が間違っているからだと考え、手術を施すという取り組みを一貫して行ってきた。同じテーマにここまで取り組んでいる会社は他にない
◆ある時点で標準化ができたと思っても、それはその時点における適切な標準化にすぎず、規模が変われば標準も変わる。過去にとらわれていると逆に標準化ができなくなる
◆サイゼリヤは技術的な壁に突き当たっても、そこから逃げることなく、こつこつと自らの技術を高めることで乗り越えてきたが、それを嫌って逃げる企業もある、と渥美は指摘する。
◆品質と価格を追求していくことで、ニーズの多様化など軽く乗り越えられる価値を築くことができるのだ。本来なすべき努力を放棄して、安易に新業態に手を出すから、渥美に「あの手この手」と切り捨てられる。
◆数字が思うように伸びなかったり、客数が減っているのは、仕組みが間違っているからであり、常に反省しつづけなければならない

◆経営とは、つまるところ改善の継続である。商品問題や人材問題、財務問題など、ビジネスを遂行する過程で生じる問題の原因は、どこにあるのかを見極め、仮説を立てて改善策を講じる。うまくいかない場合は、なぜ上手くいかなかったのかを追求し、その反省を下に新たな改善策を考え、解決を図る。
◆我々の理念の徹底度を増すことが、サイゼリヤのビジネスの目的なんだ
◆ビジネスを通じて正しく生きているかを常に考えていくことが大事になってくる。ビジネスを道具にして自分を鍛えていきたい、というのが我々の考え方

◆経営理念の徹底を図るとすれば、チェーンストアの原理原則に忠実にならざるおえないのだ。そうでなかったところは行き詰まる。これは経験法則上からも明らかなのである。だから、サイゼリヤ経営には迷いがない。何かあったら原理原則に戻ればいいと皆が理解してるのだ
◆僕はお客さんに喜んでもらうためにやるのが当たり前になっているから、みんなもそうだろうと思い込んでいた。だから、伝える仕組みを考えていなかった。僕らが生産性を追求したのも、実は理念の為だったのに、それを現場で伝えられる人がいなくなり、目先の生産性に縛られるようになった
◆会長と一緒に働いたと言う人間を30代前半に1グループ作りたかった。今の取締役部長たちと同じように、会長と一緒にやったと言う経験を積ませることで理念部隊に育てたいんです

◆生産性を追求する理由の1つが、不器用な従業員でも困らないようにという配慮だったように、人間とはそういうものなのだから、なんとか仕組みでカバーできないかと正垣は発想する。
◆当時、正垣が疑問だったのは、飲食ビジネスの利益率の低さである。その頃銀行で金利より低い利益率なら、預金したほうがマシなのに、なぜみんな飲食店をやるのか。
◆調べてみたら脱税で成り立っていた。自分の車を買うのも経費化して利益を抑えていた。でもそんなことしていたら会社を大きくならないし、人も育たない。ちゃんと利益があってこそ、教育費を注ぎ込むことができるわけだから。だったら、税金をたくさん収められるような会社にしようと思った

◆経営は経営管理にであり、経営管理とは人が行う。経営とはすなわち人なのだ。したがって、良い人材を集めることが重要になってくるし、経営者はそのことを365日考え続けなければならない。
◆上に立つ人間が現場の作業をマスターしていないと、組織は正常に動かない
◆数値責任とは、売り上げをアップすることに対して責任を持つことではなく、あるべき数値に向けてコントロールすることだ。店舗で言えば売り上げをアップさせるのではなく、作業改善することでコストをコントロールし、必要な営業利益を加工することが、店長の数値責任となる。
◆スカウト人事はプロパーとの間にぎくしゃくした関係を生みやすいと言われている。だが、サイゼリヤにおいてそれはない。というのもプロパーに理念が染み込んでいるからだ。スカウトは自分たちの会社に足りないところがあるから行われるわけで、必要なところに必要な力を持った人材が配置されることが、理念に近づく道だとわかっている。だからぎくしゃくなどしていられない。むしろスペシャリストの技術や知識を学べる機会が来たことを喜んでいる

第6章
◆サイゼリヤは日本の外食産業として初めて本格的にエンジニアリングに取り組んだ企業である。エンジニアリング、すなわち物事を数値化していくためには、数学的な思考が要求される。サイゼリヤでは、そのための教育トレーニングが行われているが、その第一歩は給料が払えないゆえの苦肉の策だった
◆普通の頭なら他のレストランの売れ筋を調べるが、正垣は食品の中で何が伸びているのか、注目されているのかを調べた。最初に浮かび上がったのは、味噌とニンニクと唐辛子。テレビではやたらと味噌のCMが流れていたし、ニンニクは戦後一気に消費量伸ばした。また、その頃、痔が流行っていてその原因として唐辛子が挙げられていた。

つづき
その3



///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平