2016年12月25日日曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 4

前回
その3


≪第2章1≫
◆わが国で生活水準の向上とは、まず動物的生存に必要なモノの充足が先決であり、次いで文化的支出を次第にふやしていくことだとしている
◆昭和50年代以降は高級化=趣味化=感性化=オモシロ化の方向をたどるという話に発展していく。そうしたかん考え方は、国際的に比較すると、欧米人とまったく異なる。

◆産業革命のご利益は、豊かさの庶民化にとどまった。庶民化とは、その良さを入手できる人を一人ずつふやしていくこと。アメリカでおこった新しい革命はその修正としての大衆化。
◆大衆化とは、一挙に国民の大部分、およそ八割くらいが豊かさを享受できる状態にすること

◆チェーンストアの経営のシステムは、大衆の暮らしを王侯貴族や一部の特権階級と同様な豊かな水準にまで引き上げようという、革命的な経済制度づくりである
◆暮らしの向上とは、何かすばらしいことができるという状態のことではない。ずっとよい状態が続くこと。言い換えれば、高級化ではなくて日常化だ。日常生活が充実して、初めて本当の生活水準の向上なのである。
◆ライフ・マネジメントのための支出とライフ・エンタテイメントに対する支出とは、一人の人間、一つの家族の中で並行し、そして互いにバランスがとれ、互いに調和したものであり、しかもそれが日常であり、ふだんである状態が、少しでも充実していくときに、生活の向上があると表現する。日本にはそれがない。

◆経済のあるべき仕組みは、使う立場、食べる立場、楽しむ立場、商品を提供できるようになっていなければならない。しかも、だれもが気軽に入手できる価格と方法とである

◆材料製造業は製鉄、紡績、化学工業など素材産業のことであり、動力革命が最も大きく実りをあげた分野である
◆材料製造業だけがとてつもなく巨大化してくので、つじつまが合わなくなる。そのため全生産計画の主導権を握って、一方では原料製造業に生産命令を出し、他方では製品製造業に対し生産指示をすることになる。彼らは、製品製造業をも、彼らにとっては流通だとさえ考えたのである
◆この現象がメーカー系列。当然にこれまでの流通分野にもその系列化が及んで、小売業・飲食業は材料製造業の指定する軌道の上だけで営業を強制され、その下請け配給機構と堕落していくのであった

◆一部の識者が流通段階が複雑で多数と言い、先進外国の人々が日本の流通そのものが不可能というのは、小売業、フード・サービス業に隣接する問屋・卸売業のことではなくて、実は製品製造業分野内でのことである
◆日本のほうは材料製造業の方から、この材料をどれだけ使えと指示するわけだが、製品製造業の方は実需が分からないから、加工を一段階やるたびに、需給の模様眺めをし、その調整とリスクを背負う別の商売、つまり問屋・卸売業が介在しなくてはならない
◆チェーンストア産業の成立している欧米での小売価格は、製造原価の二倍弱ですむ。理由は、仕様書発注品については計画と実績との差がわずかであるからだ。
◆使う立場になって商品生産のプロデュース業の役割を果たすのが、チェーンストアの任務なのである。それができないかぎりは、チェーンストア産業の革新性はない。そうして初めて、第一次産業革命の長所をとり、その短所を矯めた商品提供ができる。







///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

0 件のコメント:

コメントを投稿