その2
≪第1章の4≫
◆チェーンストア経営の目的は、一部特権階級のみが享受できる欧米の豊かさへと、国民大衆の毎日の暮らしを変革すること
◆経済民主主義とは、生活民主主義が現実のものとなるような経済の仕組みづくりに努力すること
◆ビッグストアづくりには経営戦略が不可欠
◆チェーンストアづくりは、資産と人材との準備ができてからもう一度、第一店から出直しての店づくりとなる
◆たとえば、1ダースなら安くなるといい、100ダースならもう少し仕入原価は低くなる。500ダースなら、さらに若干下がるかもしれない。けれども実際問題として、日本の現状では1,000ダースになるとかえってコストが高くつくはず。5,000ダースなら、確実に間接コストも高くなっていく。
◆ところが10万ダースになると、材料や加工方法や集荷ルートがまったく一変して、一挙に最初のコストの半分以下で入手できたりする
◆200店を超すと、まったく別の領域で創造活動が可能となり、まったく新しい方法で商品づくりと店づくりとマネジメントについての創造活動ができるようになる
◆日本で、わずか数点なのにチェーンと名乗っているにせものは論外としても、20店を超せば名実ともにチェーンのつもりになり、50店を超えてもう自他ともに許すモデルになった雰囲気があるのは、噴飯ものである。
◆商品開発イコール製品開発ではないし、また技術的には提供方法の開発、その研究と改善の方が、製品開発と取り組むよりもさきに確立されるべき課題
◆マーチャンダイジングという概念は、日本の大学では無視されている。アメリカではマーケティングの中の商品に関する開発行為の総称とされている。いってみれば売れる商品づくりである。売る仕掛けのことではない
◆規格化と修正化の二つが集まって繰り返されていく過程が、標準化である
◆主婦たちが、プラカードを持って抗議運動を展開した。そのスローガンは「シアーズ社よ。われわれアメリカ国民を裏切るのか」だった。
◆シアーズ社こそ、アメリカの人々が、チェーンストアとして、アメリカ国民の生活を守り育て豊かに維持し発展させる社会的機関として、考えていた証拠なのだ。
◆客数のふえつづけていることが最も重大な数値的指標というべきである。決して、売上高や、純益高や、賃金水準や、経営効率ではない。いわんや、上場株価や従業者の自己満足感で、その貢献度あるいは成就度をはかってはならない
◆ビッグストアづくりというチェーンストアづくりへの準備過程では、関係者は右のような瞬間的にだけ必要な数値に、気を奪われやすいことを、反省しなければならない
◆チェーンが否定する言葉
・大売業(量販店)
・繁盛店
・小さくてもビューティフル
・名声店
・ファッション・トレンド店
・自家製造
・大量仕入れ・大量販売
・メーカー直結・産地直結
・中間段階の排除
・現金仕入れ
・流通は暗黒の密林
・流通の近代化
・流通業零細性の救済
続き
その4
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