2016年12月8日木曜日

チェーンストア経営の目的と現状 渥美俊一 2

前回
その1

≪第1章 2≫
◆現状肯定の立場から出発する以上、出てくるものは姑息なあの手この手しかありえないし、人手をかける値打ちのあるビジネスは生まれてくるはずがない
◆流通革命が、しかも昭和40年代に早くも行われたとするのは、その言葉の意味が百貨店という代表的既存勢力に新しく"スーパー"・グループがとって代わったことだけをさしているにすぎない

◆流通革命とはチェーンストアが経済の仕組みを変えること。製造段階のそれが、見込み生産体制から受注生産体制へと切り換えられること
◆「作る立場・売る立場」から、「使う立場(食べる立場)・買う立場」に転換した商品生産体制にすること
◆国民大衆の暮らしのニーズとをンつに応える商品提供のプロデュース体制


≪第1章 3≫
◆識者の多くが日本は"暮らし"まで豊かになったと錯覚しているが、それはとんでもない無知である。日本人の大衆の暮らし、日常生活は、まことにみじめで貧しい。
◆消費財、とくに日常用品はモデレート・プライス(製造コスト積み上げ型の中級売価)ばかりで、用途も多目的・多用途の見せかけの品がほとんど。使う側からすると、調和のない生活しかできない
◆アメリカのチェーンは品種数は多いが、ほかは絞られている。TPOSごとに必要な品種はコーディネートしてそろえられ、当然に売価はプライス・ポイント(中心値ごろ)に集中し、スタイルと色数はホット・ファッションばかりだから、その数は少なくなる。スタイルと色数が少ないからコーディネートもできることになる

◆豊かさが味わえる10条件
⇒本を読んでみて下さい

◆流通革命の三条件
①ビッグストアづくりで、資産と人材の準備
②標準化された多店化づくり
③同志企業が数百社にふえる

◆チェーンストア産業が変えようとしている事例(たくさんある中から気になったものを抜粋しました)
(国際ブランド)
・ルイ・ヴィトンのバッグを持って大シャンデリアのある会場でのパーティーに行く
(このブランドは本来、旅行用品。日本では、高いものはなんでもよそ行きという考え方が定着している)
・今、アメリカでエスニック(少数人種)の間では、国際ブランドがもてはやされている。(彼らは手に技術がなく、収入が不十分なので、普段の暮らしを豊かにする方法を知らず、虚勢をはるためだけに買っているとされている。もちろんコーディネートはしていない)

(食品)
・小麦粉を用途別に調合している例は、わずか。(おいしいパンケーキもマフィンもつくれない)
・牛肉は霜降りが最上とされているが、牛肉そのもののフレーバーは重視されない。(本来、赤身でないとフレーバーはないし、よい肉の定義が他国では違っている)
・挽き肉は脂肪分をふやして、売価を下げている。(欧米では脂肪分の含有率を表示して、脂肪分の少ないことを誇示している)

(住居)
・壁と床と窓が、色も風合いもチグハグ、ほとんどが縞柄と植物柄
・シーツとタオルを、中元と歳暮などギフトにする。(欧米では、これらこそ主婦のセンスで我が家のために選ぶのが常識)

(衣類)
・男性の部屋着は、ジョギングウェアかパジャマかステテコだけ
・トップとボトムとシューズが、互いに無関係な売り場で売られている
・もともと衣料が高すぎるから、単品買いになる(アメリカでは、婦人物上下で計35ドルまでで7割が買われている。一度に上下そろえて、あるいは同時に着る品種をコーディネートして買える)

(化粧品)
・1個3,000円以上が主流である(アメリカは、値ごろは1.25~3.50ドル)
・中年になるとお出かけのときしか使わなくなる、ふだんはあきらめてしまう。(高価なのと、種類が少ないため。日本の女性と夫は気の毒である)

◆日本女性の貧しさ(2ページ半に渡って平均的女性の独身時代から中年までの消費事例がツラツラと書かれています…)

◆人々の暮らしを真によくするためのわれわれの努力は、このわが国の消費財提供システムの欠落部分を、国民大衆のニーズとして充足すること


つづき
その3





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