2016年7月16日土曜日

日本の看護のあゆみ 日本看護歴史学会 2

前回
その1

史料がいいです。史料が。

戦後の看護の制度基盤を作った、
GHQのサムス公衆衛生福祉部長、オルト公衆衛生福祉部看護課長、
保良せき 第二代厚生省看護課長(看護職として1人目)、
金子光 第三代厚生省看護課長(同2人目)
林塩、小林冨美栄日本看護協会会長
武見太郎日本医師会長
などの写真が見れます。

では第1章つづきの続きです。

◆1960年代:排泄を人間の基本的な営みと位置づけながら、次第に増える医療処置や看護婦不足などから、頼まれてもすぐに対応できないとの悩みが看護婦から出されるようになった
◆手術室での留置カテーテルの挿入が定着したことにより、自然排尿の観察が不要となり、同時に自然排尿を促すケアが後退した
◆電解質の解明、輸液技術の進歩、中心静脈栄養の普及、経管栄養剤の進歩、胃瘻造設技術の普及に伴い、看護の基本でもあった患者の食欲を引き出すケア、経口摂取への価値づけが後退した感がある。経口摂取は免疫力を高める結果に通じることを再確認すべき

◆組織的養成以前の看護婦は、医師の家に住み込み、医師の診療を手伝うことから始まったこともあって、草創期から敗戦まで看護師の仕事といえば診療の補助が中心であった
◆戦後、保助看法が制定され、療養上の世話と診療の補助が看護の二大看護業務となった
◆治療面における看護業務は、その時々の医療技術の変化、進歩、そして医師のヒューマンパワー等により影響を受けてきた。とりわけ、診療報酬上の影響が、看護婦の行うこの仕事の量に、最も大きく占めていると言ってもよい
◆1960年代:ディスポーザブル製品の登場は、それまでの看護業務の多くを占めていた器械・器具類、特に注射器の消毒の必要を減少させた
◆看護におけるモニター監視業務は、看護婦自身の身体ツールにより観察していた事象を、あらゆる場面で器械を介在させ、デジタル化した数値によりアセスメントする風潮を招いた

◆敗戦の1945年、当時の乳幼児死亡率は13.1%、1949年には出生数史上最高の269万6,638人
◆1950年まで死因第1位は肺結核であった。292万人が結核に罹患していたが、1954年の目標が19万床であったので、在宅での保健指導や相談の重要であった

◆1991年:老人保健法改正とともに老人訪問看護制度創設
◆1992年:訪問看護ステーション制度が始まり、初めて看護職が所長となる
◆2000年介護保険法に基づく訪問看護が始まる

◆事故の背景や要因の多くがシステムの問題であるとされるが、どのような完璧なシステムであっても、それが十分に機能しなければ事故は防げない
◆看護師一人で多くの薬剤調合をしていた時期もあった。職種間の連携が必須となった現在、薬剤処理は、薬剤師に移行しつつある
◆医療技術が高度化すればするほど、事故の規模も大型化する
◆五感と身体ツールの延長としての道具を排除して、モニター装置による「画面上の世界」で患者観察を行い、器械がもたらす情報の判読・解読で患者を把握する看護師ら。結果として、新しい種類の「手を出さない」看護をもたらした

◆医学における専門文化に添って、看護もまた、外来、病棟を問わず、それぞれが診療領域を標榜する場で、その科特有の看護を提供してきた
◆看護独自の知識の拡大に伴う専門文化の道を目指すことは時代の養成かもしれない
◆日本看護協会の認定資格(2014年当時)
 1)専門看護師
 2)認定看護師
 3)認定看護管理者(ファーストレベルからサードレベル)

◆アメリカでは、すでに1960年代から専門看護師制度があり、Clinical Nurse Specialist(CNS)やNurse Practitioner(NP)らの、活動による成果面と問題点なども論じられている
◆アメリカの場合、専門看護師の誕生の背景として、当時の一般医が医師の7人に1人に過ぎず、患者の受診機会の困難さという現象を生み出し、高学歴の保健専門職の活用拡大が必要となったことが挙げられる。
◆スザン・ヌゴードン「今やNPは独立した職業であり、看護師の範疇には入らない」
◆1つの専門分野に優れた専門看護師や認定看護師などによる看護的なアプローチは、確かに必要であるとしても、病気や障害や高齢を持った人々へのよりジェネラルな視点からのケアの必要性は、いささかも減じるものではない

(個人的に響いた写真史料)
◆結核病棟での食事の盛り付けに忙しい看護婦
◆人手不足により、動かないように固定した哺乳瓶からミルクを飲んでいる赤ちゃんたち

その3




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