日本の看護のあゆみ 日本看護歴史学会 10
今回は戦前~戦中の保健婦(師)の歴史。
この辺りも貴重な史料写真いっぱい。
是非実物の本を見て欲しい。
保健婦の成り立ちを学ぶのは、
そのアイデンティティをもう1回確認するのに役立ちそうですね。
◆保健婦は、看護職が健康と社会的状況に対応する活動の中から生まれた。
◆地域で活動した看護職は1920年代後半頃から社会看護婦、公衆衛生看護婦、訪問看護婦その他の名称で呼ばれ、保健・医療・社会福祉従事者として児童の集団感染予防、結核療養指導、母子保健福祉活動を中心に健康生活支援を担う役割を果たしていた。
◆保健婦の名称は、1928年に設置された大阪市の小児保健所で働く訪問婦を保健婦と称したのが始まり。
◆保健婦たちは、旧制の女子専門学校の卒業者でかつ日赤大阪支部病院で乳幼児保健や看護の指導を1力月程度受けた、当時としては高学歴の知識人であった。
◆制度的には、1937年の保健所法施行以降で、保健所職員の定員の中に保健婦の職名があるのが最初。
◆地域で活動する看護職教育の始まりは、日赤と聖路加女子専門学校。
◆公的機関が最初に開設した保健婦養成所は、1937年の大阪府立社会衛生院(1942年に大阪府立厚生学院と改称)
◆保健婦教育における国の制度は、1941に保健婦規則が公布され、同年厚生省から告示された私立保健婦学校保健婦講習所指定規則が始まり。
◆保健婦免状は地方長官(知事)が授与し、その資格は18歳(満16~17歳)以上の女子であり、 2通りの取得方法があることは助産婦や看護婦と同様。
①地方長官による試験(いわゆる検定試験)に合格し、その後3力月以上保健婦としての業務を実施した者。この試験の受験者は、1年以上看護または産婆の学術を修業した者
②厚生大臣が指定した学校または講習所を卒業した者。私立保健婦学校保健婦講習所規則による学校講習所には、第1種、第2種、第3種があり、いずれも厚生大臣の指定が必要。
第1種:高等女学校卒業又は同等以上の学力を有する者、修業年限2年以上、うち1,200時間以上の臨床看護の実習と3力月以上保健所法による保健所その他適当なる施設において保健婦業務の臨地訓練に従事する。
第2種:看護婦有資格者、修業年限は学説及び臨地訓練等を通じ6力月以上、うち3力月以上保健所法による保健所その他適当なる施設において保健婦業務の臨地訓練に従事する。
第3種:産婆有資格者、修業年限は学説及び臨地訓練等を通じ1年以上、うち600時間以上の臨床看護の実習と3力月以上保健所法による保健所その他適当なる施設において保健婦業務の臨地訓練に従事する。
◆1942年、衛生行政は警察部から内政部に移管され、看護職の就業届は警察署でなく府県庁の担当課に提出されるようになり、医療や衛生問題は取り締まり行政から指導行政へと変化した。
◆1944年、保健婦規則の一部改正。養成所指定の権限は行政事務簡素化の目的で厚生大臣から地方長官に委譲された。
◆国から地方への養成所指定の権限委譲は、戦時体制ともあいまって多岐にわたる教育や試験の受験資格を生み出した。
◆1941年の看護婦規則の改正による免許取得年齢の引き下げから始まり、戦時体制としての多岐にわたる看護婦教育や資格取得方法が影響している。
◆保健婦規則による教育開始後、間もなく、教育期間は第1種の2年が1年半となり、第3種の1年が10力月になった。その後も授業内容の変更や時間が短縮。保健婦の増員が図られた。
◆生徒のほうも戦時体制への協力だけでなく、1943年頃からの女性の軍需工場等への強制動員を避けるため、当時の中等・高等教育の中で、看護職として保健婦を選んだ傾向もある。
◆当時の詳細な記録はないが、新制度保健婦として保健所に初めて配属された保健婦は、当時の同僚保健婦に各種の資格取得者がおり、複雑な事情を見聞きしている。
◆1945年5月、厚生省規則に代わり、国民医療法に基づく「保健婦規則」が新たに公布され、厚生省通達の「私立保健婦学校保健婦講習所規則」は「保健婦学校保健婦講習所規則」になった。「保健婦学校保健婦講習所規則に基づく保健婦養成」は、1954年8月31日まで存続。
///////////////////////////////////////
◆Line@
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!
◆Line@
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!
line://ti/p/@zvf9388t
◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~http://bunkeiiryonohondana.blogspot.jp/
◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平
https://twitter.com/iryoseisakubot
◆facebook◆
塚崎匡平
0 件のコメント:
コメントを投稿