2016年9月20日火曜日

方法序説 デカルト 第1部

勉強会の教材です。
デカルト。例の名台詞は第4部です。
100ページいかないとても薄い本ですが、
中身は重厚。

解題
◆「真理を求めるため」には、おのれの才能のごときものは、たとえそれが多少あったとしても、そんなものに信頼しないで、ことごとく振り棄ててしまうがいい、理性をその本来の姿へ連れもどす「方法」をもってこれに換えなければならぬ
◆すでに知られた事柄を整理し批判するためにならば古来の形式論理学の教則を学べば足りる。デカルトが問題とするのは、全く未知に属する事柄をどう処置するべきか。それに必要な手続きである。
◆デカルトがモンテーニュをよく読んでいたことは「序説」の本文にもその形述がある


第一部
◆良識はこの世のものでもっとも公平に配分されている。なぜというに、だれにしてもこれを十分にそなえているつもりであるし、ひどく気むずかしく、他のいかなることにも満足せぬ人人さえ、すでに持っている以上にはこれを持とうと思わぬのが一般である。
◆そもそも良き精神を持つだけでは不完全であって、よき精神を正しく働かせることが大切である。きわめて偉大な人人には最大の不徳をも最大の徳と全くお同様に行いうる力がある
◆理性あるいは良識が私どもを人間たらしめるもの、私どもを動物と区別する唯一のものであるかぎりは、それは完全にひとりびとりにそなわると私は考えたい

◆一通りすべての過程を終え、型どおりに学者の列に迎えられると、私の考えは全く変わってしまった。勉強しようと励みながらも、しだいにしだいに自分の無知を発見していったということを別にすれば、なんの利益をも受けなかったと思われるほど、はなはだ多くの疑問と謬見に悩まされた。
◆しかしながら、人人が学校で専念する課業を、わたしが尊重しないわけではなかった。
◆それがどれほど迷妄もはなはだしく虚偽をきわめたものであるときでさえも、その正しい価値をみとめ、それに欺かれまいとようじするために、それらの学問のすべてにわたって点検してみたことは決して無用ではない

◆旅行にあまり時を費やしすぎればついには自分の国にいて異国人になり、過去の世紀に行われたことに好奇心を持ちすぎれば、現世紀で行われることについてきわめて無知な者となりがちである。

◆最も強大な推理力をそなえ、自分の思想を明快に、かつ理解しやすいように、たぐいなく見事に処理する人たちは、たとえブルターニュ海岸地方の方言しか語らず、修辞学をまるで学んだことがなくとも、かれらの提出することについて常にもっともよく人を承服させることができる

◆数学は機械的な応用技術にのみ使えるものと思いがちであったが、それの根底がきわめて堅牢でありきわめて確実であるのを知ると、この上になお一層高い物が何一つたてられていないのを見て驚いた
◆神学に深い尊敬の念を持っていたが、最も無知な者にも博学な者にも、そこへ導く啓示的心理が私どもの理解を超えたものであることを知ったのちは、あえてこれらの道程および心理を私の薄弱な推論の下に屈従させようとはしなかった(一流の皮肉ですね)
◆哲学について
 ・未だ一つとして論争の種とならぬものはない
 ・真なるべき意見はただ一つしかありえないにもかかわらず、いかに多種多様な意見が学識ある人人によって主張せられうるものであるか
 ・s院実らしく思われるにすぎぬようなことはすべて、ほとんど虚偽
◆他のもろもろの学問は原理を哲学から借りているかぎり、かくも堅実性に乏しい基礎の上には堅実な学問を何一つ築くことができない
◆私は書物による学問を全くやめてしまった
◆世間という大きな書物のうちに見出されうるであろう学問のほかは、どのような学問にしろもはや求めまいと決心

◆おのれになんの影響も与えぬ空理のために、学者たちが書斎であやつる推論においてよりは、一つ判断をあやまればすぐにも処罰されねばならぬ結果をきたすような、おのれにとって重大なことのために各人がこころみる推論においてこそ、はるかに多くの真理に出会うことができようと思われた
◆最大の収穫は、私どもにとって甚だ異常なもの笑うべきものに思われても、他の処処方方の大民族にとっては一般に受け入れられ、是認される多くのことのあるを見、単に実例と慣習だけで自分を承服させてきたような事はあまり堅く信じすぎてはならぬと覚ったことである。

次回
第2部






///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!
◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

0 件のコメント:

コメントを投稿