2016年1月9日土曜日

「日本経済こうすれば復興する!」 竹中平蔵1

「日本経済こうすれば復興する!」
竹中平蔵 2011年出版

アートの部分の話は面白かったなあ。

医療費を削減か抑制かについては、
自然増という話を抜きにしては語れないんじゃないかな。
一般企業では当然のコスト削減と言っているが、ドラスティック過ぎるよね。

地方公務員の給料についてはよく分からないけど、
給料安くしたら公務員試験通るような人が集まらないんじゃないのかな?
高すぎるのは良くないと思うけどね。
確かに市民病院潰したってのは問題だけど、公務員の給料減らしたりして片付く問題でもないと思うけどな。

さて、まとめです。

第1章
○米ドルで見た一人当たり名目GDPの世界1位は、90年代以降だいたいルクセンブルクの指定席。面積は鳥取より狭く、人口は50万人足らず。日本の一人当たりのGDP額4万ドル弱は、ルクセンブルク約10万ドルの2.5分の1。
○日本のGDPのうち、ものづくりが生み出したのは4分の1程度(約26%)
○額に汗してではなく、脳に汗して作った製品がいまの製造業。以前とは違う

○日本文化は急に向上したのではなく、従来は強い経済が前面に出て陰に隠れていた文化が、皮肉なことに経済が悪くなって、相対的に注目を集めた。
○ウィリアム・ボーモル「ボーモルのコスト病」
マーケットでは生産性に応じて賃金が払われるが、文化の生産性は向上しない。50人のオペラは時間が経っても50人でしか演じられないが、賃金は上げなくてはいけない。そうすると、文化のコストはどんどん高くなる。
○トーマス・フリードマン「フラット化する世界」
発展途上国の人たちにもできる労働の賃金はフラット化する。先進工業国の特定の人しかできない労働の賃金はスパイキーになる。

第2章
○GDPに占める公共事業の比率を主要国と比べると、1970年から97年までのほぼ30年間、つねに日本がもっとも高くなっている
○「失われた12年、下げ止まった5年、もっと失われた3年」
○住専
「本来は個人向け住宅ローンを扱う住宅金融専門会社」
○住専問題
「本業を忘れ、地上げまがいの土地買い漁りに狂奔した結果、不良債権を作ってしまった。住専に金を貸していたのがJA。本筋ではJAに公的資金を注入するのが筋だが、住専に公的資金が注入された」
○官僚の無謬性
「以前に実施した政策は絶対に間違っていないという主張を貫くために、従来と異なるが必要である政策を実施しない」

○国は財政法により原則として借金ができない。しかし、第4条で公共事業(建設国債)が認められている。それでも歳入が足りなければ年度ごとに特例法を成立させる赤字(特例)国債を発行して借金をする
○基礎的財政収支
「国債を除く正味の歳入(税収)と、国債の利払いを除く正味の歳出(政策経費)から見た収支」。名目成長率と名目金利が同じなら、基礎的財政収支を黒字かすれば、GDPに対する国債残高が減る。
○民主党は財務省の強い影響の下で、たいへん低い成長率を議論の大前提にしている。

○小泉政権は社会保障費を削ったのではなく、放っておけば5兆円になるところを4兆円に抑えた。
○市民病院を閉鎖した自治体があったが、何を削って残すかはそれぞれの地方の問題で、小泉改革のせいにするのはお門違い
○地方公務員の給与をまず削ったり、高額所得者の年金受給を抑えることを想定していたが、それは実行されず、手っ取り早く削れるところ削ったため例えば市民病院が閉鎖された。
○小さな政府による生活の荒廃より、公務員給与を高水準に維持していることによる国民生活の荒廃のほうが、はるかに大問題

その2


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