その2
第3章
◆保険商品には姿も形もない。あるのは、「保険事故にあったら、ある金額を支払う」という契約者との関係だけだ。その契約の内容、すなわち「約款」が保険の商品そのものとなる。したがって、約款を作る必要がある。
◆告知については、契約者は、保険会社が尋ねる事柄について事実をありのままに答えなければならない。いわゆる「告知義務」が、保険契約者には定められているのだ。ありのままに正しく告知することが義務付けられており、仮に申告しなかった病気が理由となって、後から支払事由が発生した場合でも、保険金は支払われないことがある
◆保険事故の確率が低い人と高い人を見極める「目利き」能力とリスク評価能力が、「リスク引き受け業」たる保険業の基本中の基本といえよう
◆最近になって司法試験よりもっと、難しい試験があること知った。それが、「アクチュアリー資格試験」と呼ばれる、「保険数理・年金数理」の専門家の試験である
◆国民平均より、より多くの人が死亡するという前提にたち、保険業界は保険料を設定している
◆保険金の不払いの三つの類型
①不適切な不払い
②支払漏れ
③請求勧奨漏れ
◆不適切な不払いが発生した会社では、会社の利益目標達成のために、保険金部門が具体的な支払抑制目標を設定・管理し、それにより「不払い優先の風土」が醸成されていった、という極端な例まで明らかにされた
◆請求漏れの防衛策は、加入する保険は給付内容がシンプルで、自分が百パーセント理解できるものにとどめること。具体的には、特約はつけないで、シンプルな単品商品にのみ加入すること
◆生命保険のお金の流れは一年単位で完結するものではなく、将来への積み立てと、過去から積み立ててきたものからの払い戻しのような「時間を超えたやり取り」が多いこと。長期にわたって資産を預かり、運用し、払い戻していくという、生命保険事業の特徴を表している
◆生保の資産運用の内訳は、従来は企業への長期貸し付けが中心だったが、2000年前後には有価証券が6割、貸付金が3割となっている。有価証券の中では、株式の構成比が大きく低下し、公社債や外国証券等に移っている
◆生命保険会社の責任準備金は自己資本ではなく、将来は契約者に対して支払われるべき負債性のものであるため、安定運用が重要となる。したがって、本来であれば公社債を中心とした低リスク商品で運用がなされるべき
◆現在のように低金利の時代では、生保の貯蓄性商品はそれほど大きなメリットを感じるような利回りになってはいない
◆生命保険会社の運用のあるべき姿を考えれば、契約者は保険において予期せぬリスクを取るべきではないし、保険と運用をわけて、保険は保障性の商品に絞るほうが賢明という考えも成り立つ
続き
その4 ラスト
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