微生物学分野では,特定属種の細菌を検出するにあたり,菌体内のrRNAを標的とした蛍光in situ ハイブリダイゼーション(Fluorescence in situ hybridization: FISH)法が普及しつつある
細菌の rRNA は,界,科,属,種等のレベルで共通な塩基配列をその中に含んでおり,分類・同定にはその塩基配列がよく利用される.
またrRNAは細胞内含量が高いため,FISHの標的として一般的に用いられている.
本方法は細菌のrRNAの塩基配列に特異的な蛍光標識オリゴヌクレオチドプローブを細胞内でハイブリダイズさせ,その蛍光を蛍光顕微鏡下で検出・計数する ものである.
蛍光色素で標識したプローブとハイブリダイズした細菌は,励起光を照射すると色素由来の蛍光を発する.
◆ハイブリダイゼーション(Hybridization)
原義としては生物の交雑あるいは雑種形成のこと。
しかし現代では、核酸(DNAまたはRNA)の分子が相補的に複合体を形成することをハイブリダイゼーションといい、分子交雑(ぶんしこうざつ)ともいう。
特に、遺伝子の検出・同定・定量や、相同性の定量のために、人工的にこれを行う実験方法を指すことが多い(通称「ハイブリ」)。
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