第3章の見方はとてもためになった気がする。
特に新自由主義の打ち出す政策はシンプルになり、分かりやすいので納得がいった。
社会福祉の厚い政策などはステークホルダーが多くなるし、複雑な構成要素が増えていくので政策とし辛い。
だからこそ官僚や県庁職員の調整力が生きてくるわけで、そこに存在意義が生じるわけだ。
財源が必要→予算の専門知識が必要→財務省への需要という図式も納得できる。
第3章 ◆昨今の財務省支配論をめぐる報道はあまりにもバイアスがかかって
◆財政等審議会の委員数が限られている以上、
◆財務省が民主党政権になって復活を果たした最大の理由は2つ。
1:マニフェストの実現と無駄の削減を最重要課題とした ため、 最初の予算編成を中心に財務省に依存せざるおえなかった。
2:自民党の族議員が多数落選して、 族議員と各省のセクショナリズム共同体が消滅した。
1:マニフェストの実現と無駄の削減を最重要課題とした
2:自民党の族議員が多数落選して、
◆族議員は強く、予算を握られているためどこの役所も財務省に頭を下げるが、 財務官僚が予算を自分の好きに差配できるというわけでもない。
◆予算編成のおおまかな流れ
予算編成の方針決定
→
→財務省予算請求
→財務省査定
→
→国会審議
→予算案の成立
◆民主党議員政権が誕生したことで族議員の多くが落選した。それに加え、
◆官僚は明らかに竹中大臣のようなブレーンを見下していたが、新自由主 義と言われる市場メカニズムや規制緩和を中心とする政策はそれほど複雑にな らないため、現場を知らない学者が政策を作ることができた
◆自民党政権時代には大まかに言えば、2種類のブレーンが存在した。
1.御用学者と言われる人々。 超一流大学教授で学会の重鎮というのが典型。実務能力はないが、その意見には重みがあり、 役所が進めようとする政策の権威付けには有効。
2.小泉内閣以降、急速に増えた新自由主義的な思想を持った経営者や学者などで、御用学者とは違う 人々。彼らは御用学者とは異なり、実務経験があったり、 実際の社会政策を適用すること興味思ったりする人が多い。東大出身は少ない。
◆財務省の天下り先だけは、
◆財務省は総務省行政管理局管理官と言うポストを抑えている。 このポストは全省庁の定員を査定する権限を持っている。 そのため、 どこの役所も人数を増やしてもらおうとひたすら頭を下げる。
◆人事院の給与第二課長のポストを抑えている。 ここは級別定数を決める権限を持つ。級別定数とは係長何人、課長補佐何人、 課長何人というように役職ごとの定数。
◆財務省コネクションの最大の特徴のコツは、
◆官僚は、 自らのゴマすりや献身的な姿が大臣などの政治家に響くことをよく 分かっている。ゴマすりの効力は学歴と関連する。 東大卒のゴマすりが最も効果が大きい。
◆財務省は、それぞれの官僚の持ち味を見極め役割を果たさせながら、
◆経済官僚の場合だと、 彼らは財務省と同等だと思っているだけでなく、 自分のアイデアを優れていると思っているため、そのアイデアに予算をつけないことを含めて何かと恨みを持って いる。
◆国税庁長官は財務官僚のポストだが、 国税庁は独特の採用をしていて、財務省の完全な植民地というわ けでもない。キャリア官僚も財務省とは別採用になっている。 ましてや現場を財務本省がコントロールできるとは想定できない。
第4章
第4章
◆民主党政権にとって予算を作るという仕事は重要性が高かっただけで なく、経験もないために、財務省に依存せざるを得なかった。
◆民主党が掲げたマニフェストは財源を要するものが多かったが、 制約があるため、経験や知識がなければ予算が組めなかった。
◆内閣に予算編成権を移すといった改革案は目新しいものではないが、いまだに実現したためしがない。
◆財務省支配という言葉が出てくる背景には、 民主党政権への不信感がある。
◆例えてみれば、 君主見習いの若殿に優秀な側用人や御用学者が日々、 財政や税、政権運営を講義するようなもので、 若殿に見識がなければ、 側用人の思想や考え方に大きな影響受けることは避けられない。
◆事業仕分け進めていけばブーメランのように財務省自身に痛みが帰 ってくるため、 財務省はどこかで厳しい規制を緩めるようになった。
◆消費税を税務署に収めるのは消費者自身ではなく事業者であるため、価格に消費税を転嫁できなければ業者が消費税分を負担す ることになってしまう。
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