2016年5月15日日曜日

大局観 羽生善治 1

今日放送。
NHKスペシャル 天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る 
これに合わせて読んでみた。

深い思考と洞察、反省と練習の地道な努力、豊富な読書量。
この人はどの世界でも上手く行く人だと思う。

あと、4隅の香車を確認しろという話も面白い。
どんなに上に行く人でも、しっかりとこういうところはやっているんだなあ。

第1章
◆大局観とは具体、具体的な手順を考えるのではなく、ぱっとその局面を見て、今の状況はどうか、どうするべきかを判断する。
◆がむしゃらに読み込む力は、年齢が若い棋士が上だが、熟年になると、この大局観で逆に読まない心境となり、勝負の上で若い棋士とも互角に戦える
◆人はだれでも、経験を積んでたくさんのことを知れば知るほど、最後の決断が難しくなってしまう。判断するための材料がたくさんあると、それだけ迷いや恐れの生じる可能性が高くなるから。
◆もがき続けて習得したものは忘れることができない。ある部分においては、なくてはならないこと。
◆リスクをとらないことが最大のリスクだと私は思っている。なぜなら、今日勝つ確率が最も高い戦法は、3年も経てば完全に時代遅れになっているから。
◆勝ち続けるためには、長期的な展望に立って新しい戦法に挑戦していく前向きな姿勢が必要。
リスクにきちんと正面から向き合い、リスクに伴う恐怖や不安に打ち勝つことが、永続的にリスクを取り続ける王道。
◆将棋の場合でも、着手する前に4つの香車を確認しなさいという言葉がある。4つの香車というのは、通常、盤上の四隅に配されている。それらを見て確認すれば盤の全体を見ることになり、見落としなどのミスが少なくなる。
◆必ずどこかに、こんなミスをしてしまったとか、この手は思いつかなかったといった部分がある。それについて考えていかなければ、騎手としての成長はストップしてしまうのだから、まだまだやることはたくさんあるという思いを強く持っている。

◆すべての感情を殺して、常にクールでシビアに選択をするのはベストだと思っていない。なぜなら、楽観的であれ悲観的であれ、感じ感情の発露はとても自然なことだからだ。
◆これはいける、これは駄目だという感覚が一時的な情動だとしても、そこには必ず、そう思うだけの理由がある。
注意すべきなのは、複数の選択肢をシュミレーションして、どちらも上手くいきそうもない場合。こんなときには、最後に思い付いた別の選択肢が、やけにうまくいきそうに見えることがある。しかしこれは、なかなか決断ができず苦しんでいる状況から、一刻も早く抜け出したいという心境が生み出している錯覚であることが多い。
自分が選ばなかった膨大な量の選択肢のほとんどは、選ばなくてよかった選択肢。
◆相手を真正面から見ることは、現実を見据えることであり、逃げることなく挑戦することを意味する。
◆一番手強いのは漠然とした不安。恐怖の対象が明確なら、それについて研究したり考えたりすればいいんが、漠然としているとどうすればいいのかわからない。漠然とした不安は暗闇と同じで、ただ暗くて何も見えないから不安に思うだけで、実体は何もないのではないか。

第二章
好きなことをやり続けたり、練習や経験を積み重ねたりすることによってより深く、より長く、物事に集中することが可能になる
◆神話や神学は、1つの物語ストーリーとして見たときに、その場面をイメージするのは簡単ではないように作られている。だからこそロジックや体系が発展し、深く集中できる状況でしか、理解することができない。
◆信仰を深めることは、同時に集中力を高めたり、論理を構築する能力を高めたりするトレーニングの側面もあるのではないか。
◆集中力を高める3つのトレーニング法
→本を読んでみてください!
緊張して体がこわばるという状態はベストではないが最悪でもない。むしろベターとも言える2番目の中間的な状況で、このほうが日常的、あるいは普通といえるのかもしれない。もっともよくないのはモチベーションがわかず、やる気になれない状態。
◆モチベーションというのは厄介なもので、人為的にコントロールすることは極めて難しい。また維持していくのも容易ではない。
◆ブレイクスルーを基準にして目標設定する。個人であれ、団体であれ、まだ届いていない領域を目指すこと。もう少し頑張れば今までと異なる景色が見える次なるステージを目標とすること。
物事を言語化して説明できるようになるためには、対象に関する深い理解と洞察が必要な。そのためにも練習が大切。
◆最初は練習量に比例して上達していくが、いずれその伸びが止まり、停滞期に入ることもある。その時は量によってその壁を乗り越える方法や、練習の質について見直すアプローチもある。
◆教える時に肝心なことは、教わる側が何を何が分かっていないかを、教える側が素早く察することと考えている。
◆将棋で重要な持続力、直感力、読みの能力を鍛えるには、詰め将棋にコツコツ取り組むのが効果的である。
◆詰め将棋の現時点までの最長手数は、橋本孝治氏の作品ミクロコスモスで、なんと1,525手詰め。


羽生さんの講義@東大
面白いです。





 



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