2016年1月30日土曜日

竹中先生、日本経済次はどうなりますか? その2

竹中先生、日本経済次はどうなりますか?
竹中平蔵、田原総一朗
2013年


4限目
○小泉政権は01から0 6年だから、ジニ係数で見る限り、格差は小さくなった
○世界銀行が出す世界ガバナンス指標は、「ある国の権威や権力が行使される際の一番の慣習や制度」。各国のガバナンス状況が数値でわかりやすく示されれば、ある国の政府が「この制度が世界に遅れているから改善しよう」とか、「国際的な企業が英国より米国の方が進んでいる進出して工場作るならB国だ」と判断できる。ODAを出す時の参考にもなる。
○日本企業側されている六重苦
 ①円高
 ②40パーセントと高い法人税率
 ③TPPなど自由貿易協定の対応の遅れ
 ④厳しい労働規制
 ⑤厳しい環境規制
 ⑥電力不足
○六重苦のうち、不合理で過剰な規制はやっぱり取り除かなければダメ。もちろん何でもかんでも規制をなくせばいいのではなく、環境規制などは必要なものをきちんと残さなければいけない。

○株価が上がれば株を持っている人が資産が増える。企業の時価総額も膨らんで例えば海外企業を買収できる。それで新しいビジネスを広げて設けることができる。個人も企業も豊かになれば、経済全体が成長する。「日本経済は成長できない」という人は絶対にそうはならないと言っており、その考えは根本的に間違っ行っています。
○現実に今、世界の主要国の中で深刻なデフレで苦しんでいるのは日本だけ。ところが人口が減少している国は25カ国ある。
○ロシアもウクライナも人口が減っているが、どちらの国もインフレ率は6パーセント。だから、デフレと人口減少が何の関係もないということはないが、人口減少によって必ずデフレになるというのは誤り。

○労働の移動を促進させる補助金は、金額がなんと年に5億円。「労働者を固定する補助金」対「労働者を移動させる補助金」の比率が1000対5、こんなことをやっているから、現状が固定されてしまって新陳代謝が進まず、経済成長ができない。
○シュンペーターは起業家を単なる経営者とは考えない。イノベーションを担う経済主体のことを企業家と呼ぶ。
○日本企業の問題最大の問題は、だめな社長クビにできないこと。日本ではまともなコーポレートガバナンスが働いていない。
○アメリカの年金基金が2013年から、独立した取締役置かない会社については株主総会で代表取締役の人事を否認すると決めた。莫大な基金を株式に投資している大株主だから、能力のない社長が企業に座って利益率が上がらない状態など断じて許さないというわけで、コーポレートガバナンスの世界標準はそこまで来ている。

第5限
○政府が設置する政策審議会や諮問委員会は、以前からずっと構造的な問題を抱えている。大きな問題の1つは、明らかに利益相反行為がおこってしまうこと。
○コンセッション(concession)
もともと譲歩や容認という意味で、与えられた免許、特権、土地の使用権などを指す。例として、施設の所有主体とは別の会社が、駐車場や売店をやっているなど。
○東京時間をサマータイムで2時間早くすると、ニューヨークのマーケットが閉じる時間に、日本のマーケットが開くようになる。すると巨大な国際マーケットが連続して、本当のマーケットになる。

○特区は、特別な地区を設定して域内では規制を取っ払うというように、一種の実験をやる制度だった。その地域だけに特別な補助金が出るという制度に変質してしまった。
○農業はきちんと3つに分別して、それぞれに最適な対応をして行くべき
 ①海外からの農作物に十分対抗できる競争力がすでにあるもの
 ②集約化で耕地面積を広げるなど構造改革をうれば、競争力がつくもの
 ③中山間地農業など、競争力は期待できないが、社会的・環境的な要請から残すべきもの
○医療については供給を増やして競争してもらわなくてはダメ
○20数年前に出た文部大臣の告示以来、新しい医学部の設置が認められていない。まずこれをはずしてもらいたい。そして、医者になる人を増やせばいい。
○医者は必ず「医は仁術だ。カネ儲けではない」とか「病院の株式会社化なんてもってのほか」と言うけど、人の命を預かっている株式会社なんて山ほどある
○所得が高い人、元気に働いている人には、申し訳ないけど年金は出さない。それから、年金の支給年齢をもっと上げていく。
○医療についても、混合診療をはじめ、もっとおカネを出したい人に出してもらって、国費の投入を減らしていく

第6限
○中国の(限界的な)資本効率はかつての日本の半分くらい。効率の悪い投資をたくさんやっていて、効率の悪い資本は、いざ大きな社会変動があると、不良資産や不良債権として一気に顕在化してしまう



2016年1月19日火曜日

竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?  1

竹中先生、日本経済 次はどうなりますか?
(田原総一朗責任編集 オフレコ! BOOKS 2時間でいまがわかる!)
2013年

竹中平蔵氏と田原総一朗氏の対談本。

最近株価が奮いませんね。
アベノミクス失敗だーとか言われてますけど、
さてさてどうなるやら。


そもそも竹中さんの本を読もうと思ったのは、
医療の世界、とりわけ医師会などでは、
「新自由主義」というレッテルで凄く嫌われているからです。


先月読んだ竹中さんの本まとめ
日本経済こうすれば復興する!



嫌われてるって語弊がありますね。
2006年ごろの医療費抑制により、医療崩壊が起きたとして、
竹中さんはその首謀者とされているわけです。

医療でいつも問題になるのが、
現場の医療者の意見と政策策定者や保険者の意見の相違。
人を診てるか、数値を見てるかの違いです。

私はどちらも見れるようになりたいが、
どうしても文系と言う枠から出れない。
だからこそ色々な意見を本から吸収したいのです。

もう少しこの方の本を読んで、
その真意は何だったのかを確かめたいと思っています。
ていうか、最近しっかり読書始めてから経済がよく分かるようになった(気がする)。

今はあわせて高橋洋一さん(元大蔵官僚、小泉・竹中のブレーン)
の御本も読んでおります。勉強勉強。


さらば財務省! 政権交代を嗤う官僚たちとの訣別 (講談社+α文庫)


1限目
〇アベノミクス三本の矢は、
 ①デフレ克服克服のための金融緩和
 ②機動的な財政出動
 ③成長戦略のこと。
〇中国と日本は、GDPが世界に第2位と第3位の経済大国。その2つの国がもめているために、現に交流が減り、投資も減って、GDPが下がっているじゃないか、という不安や不満がある。
〇小泉内閣や第一次安倍内閣時代にケチケチ財政でやってきたというのは事実と異なる。2000年から2007年には日本政府の一般会計の歳出規模は82から83兆円で全然ケチケチじゃない。
〇民主党がやったことについて、分配政策と言えば聞こえが良いが、それはそれは見事なバラマキだった。事業仕分けのパフォーマンスで国民は無駄を削ったと騙されたが、削ったのはせいぜい7兆円。それで一般歳出が一気に14兆円増えて90数兆円になった。
〇資産効果
例えれば地価や株価、マンション価格やゴルフ会員権価格も上がったらみんなお金持ちになった気分になって、大盤振る舞いでお金を使ったりすること。
〇安倍バブルやアベノリスクと言うのは、そもそも経済学は分かっていても経済が分かっていない経済学者。植物学を踏まえて良い庭を作るのは、経済学と経済政策の関係。植物学者は経済学者で、庭師は経済政策屋さんで両者のギャップは非常に大きい。
〇現実の経済というのは常に「風が吹けば桶屋が儲かる」。ところが経済学の世界は、あるところで閉じた狭い世界で、その中でしか議論できない。歴代政権は、好循環への道を、改革を避けることで自ら閉ざしてしまった。

2限目
〇そもそもデフレは、自分の給料が持続的に下がってことです。だから困ります。
〇デフレ克服でやるべきことは2つ。第一に日銀が、もっとマネーを出さなければならない。第二に政府が、需給ギャップを減らさなければならない。需給ギャップの解消は日銀にはできず、政府が財政出動含めた政策を駆使し、具体的には公共事業や減税で解消すべき。
〇需給ギャップが0だった06から07年も、日本はデフレだった。ようやく需給ギャップがゼロになって、さあ、次はデフレ解消だという時、日銀は量的緩和をやめてしまった。量的緩和を続けていれば、日本の物価はかなり違う動きをしたはずで、日銀の失敗が大きかった。
〇バブル崩壊で企業収益がどんどん落ちていったとき、本来ならば賃金をドーンと下げなければいけなかったのに、下げなかった。だから労働分配率が急上昇して資本の取り分が少なくなり企業がドーンと弱くなってしまった。
〇これではダメだと、企業がリストラしたり賃金の伸びを抑制したりした結果、労働分配率は07年に69.2%まで下がった。安定成長していた時代に戻ったのだ。
〇オリックスグループCEOの宮内義彦さんの言葉だが、デフレの時は、何もせずキャッシュを持っているのが、一番いい。だから、利潤を追求する営利企業が、設備投資を抑制して研究を持とうとするのは当たり前。それをするなと言うのは、企業に設けるなというのも同然のナンセンス。企業は余ったキャッシュを遊ばせているのではなく、最も有利な現金という資産に投資をしているのだ。
〇物価連動債(インフレ率によって元本や受取利息が変動する債権)のブレーク・イーブンポイントという計算の仕方で、これでマーケットのインフレ予想が分かる。

3限目
〇公共事業について、90年代後半のピーク時6.4%で、高すぎるというので、小泉内閣は2001年から公共事業減らした。目標はヨーロッパの2~3%だった。民主党政権でも減らした結果、気がつけば今は3.2%で、3.1%のフランス並みであり、ヨーロッパと比べても高すぎる状況ではなくなった。
〇経済はハウトゥーで対処できるものではなく、絶対的な正解なんてない
〇日本のバブル崩壊のような状況が、普通の不況ではなく、バランスシート不況だと広く認識されるようになったのは、欧米でも90年代半ば。デットオーバー・ハングを論じる有名な論文がきっかけ。
〇小泉内閣は初年度に前年比90%まで減らし、あと5年間は2%ずつ減らしましたから20%ぐらい減らした
〇プライマリーバランスの赤字が福田内閣の終わりごろ、07年に6兆円まで減った。あと1年半も続けてゼロになった時点で、消費税を上げればよかった。その時5パーセントあげれば、上げた分をまるまる国民の福祉に回すことができた。
〇消費税増税だけで財政再建はできない。私が以前から心配しているのは、増税してもダメだとわかってしまうこと。増税しても多分翌年の赤字額あまり減らない。すると、マーケットに与えるダメージがますます大きくなる。デフレ脱却も成長戦略もすべてを徹底的にやらなければならない。

その2

 

2016年1月18日月曜日

胃カメラ&ピロリ菌駆除1

年末から只今までの、
胃カメラ&ピロリ菌騒動についてまとめてみたいと思います。


我が家はがん家系で、
親も胃がんをやらかしちゃっているんですが、
そのこともあって親からの進言で年末にピロリ菌の検査に行きました。

すると案の定「陽性」
ペプシノゲンの値がちょっと高くなっているので、
胃も少し弱っている状態とのこと。

なんかその日から胃の調子が悪くなった気がしました。
THE プラシーボ効果。

ピロリ菌がいるのは分かった。
では、駆除していただこうじゃないか。

すると、先生、
「ピロリ菌の駆除を保険でやるには、
胃カメラを飲んで、胃が傷んでいることが確認できないとダメです」

胃カメラ…

胃カメラ、それは健康診断のオプション項目。
胃カメラ、それはオエッってなるやつ。
胃カメラ、誰か曰く「若いうちは必要ないよ」


「若いうちは…」


私「何とかなりませんか?」


何ともなりませんでした。


どうやら日本人はかなりの率でピロリ菌保持者がいるそう。
特に上の世代の方々。

もとは清潔でない水(というと語弊がありますが、山水、井戸水のイメージ)を飲むことでピロリ菌に感染するそうです。

日本ではわざわざ煮沸する必要のない美味しい山水などが豊富なので、それを飲んでいた世代の方々が感染、そして「子供へ咀嚼した食べ物を与える」ことなどを介して伝染してしまうそう。

私はどうやら口移しをされていた可能性が高い。
「口移しをされていた可能性が高い...」

まあ、それはいいとして、
「ピロリ菌保持=がん、胃の疾病」
では決してなく、ピロリ菌保持してても何もない方もたくさんいらっしゃるそう。

ただ、父親が胃がん経験者であること、
ピロリ菌の影響によって胃の収縮が起こっていることが数値的にも考えられるので、
こりゃもうカメラ飲むしかないと覚悟をしました。

ということで年末の忙しい中、医療機関を探しはじめたのでした。


その2へ続く



///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

生命保険の罠 後田 亨 2

生命保険の罠
後田 亨

106歳とかの年齢設定についてはアマゾンでも反論があるみたいだけど、
誰か示してくれないかなあ。

プルデンシャルは親友が加入して、俺も誘われた。
何かバリバリの営業マンだったな。

収入保障保険というのはしっかり覚えておこう。

それでは完結編。

第3章
○私の結論は50歳くらいまでに100万円程度の貯金ができていれば、がんも、医療費の面ではそれほど恐れることはない
○交通事故の例などは、お客様にも「高度障害状態」になることが想像しやすいのかもしれませんが、そうなった場合は「生命保険」に頼らなくても、」自動車保険」から巨額の賠償金が出るはず
○保険会社は収益を確保する生命線として、「保険金を払わなくて済みそうな人たちだけ、保険に入ってもらう」ことに徹しています。

第4章
○プルデンシャルやソニーの営業担当者は、まずお客様に「従来の保険販売のあり方」に対する疑問を投げかけてくる・・・私は、このやり方を「信者」にする営業手法と呼んでみることにした。
○更新に際する保険料の「値上がり」は、あくまで、「更新前と同じ内容のまま契約を続けた場合」だけに起こる。お客様の状況や考え方の変化に応じて、けいやくないようを変更するという選択肢もあります。
○「「掛け捨て」ですが、大丈夫ですか」という問いかけの前提には、「掛け捨ては損」という考え方が前提にある。しかし、リスク管理費(例えばガードマンを雇う費用)が戻ってくるというのも妙な話だ
○保険料が変わらないというのは、だいたい50代半ばくらいまでは均等に割られた保険料より払い過ぎている状態が続き、それ以降は反対に本来払い込むべき保険料より低い期間が続くことになる
〇養老保険は、保障と貯蓄を兼ね備えている。ただし、保障機能もつ商品と貯蓄機能もつ商品という2本分の機能があるので、当然、保険料も2本分頂く事になる。
〇あらゆる保険機能に付帯する機能には、相応のお金がかかる。お得な話など最初からない。満期金があるということは、満期金として支払うためのお金を別途頂くことになる。
〇保険会社によるが、男性ならば106歳、女性なば109歳くらいを満期とした養老保険と同じ仕組みになっているのが終身保険である。つまり男性ならば、106歳までの定期保険の部分と、106歳までの満期積立部分の2つから成り立っている。終身保険の実態は、単純に説明すれば、養老保険の超ロングバージョンというべきものです。それ以外の何者でもない
〇保険とは、勝った人が必ずしも喜べないギャンブルみたいなもの。お客様がギャンブルに参加する際、一番大事な大切なのは、胴元は損をしない仕組みであることを認識し、ほどほどに付き合うことです。

第5章
〇貯金では解決できない、もしくは解決したくない経済的な痛手について考えると、保険に頼るべきことが何かが明確になる
〇学資保険など資金が必要になる時期が、ある程度予測可能なことに対する準備を、果たして何が何でも保険を使って行わなければならないのか
〇日常的にはとても用意できそうにない金額(保険金)を日常の中で支払ったでていける金額(保険料)で調達する仕組み(保険)を使うことによって、多くの人が突然の不幸などにも備えることが可能になっている、保険の存在意義はこの1点にあると言っていい
〇保険会社はお客様が管理保険に加入されてから2年経過していない契約については、調査をする
〇アフターサービスのことを保全と呼ぶが、歩合給の営業担当者は、会社からは、電話代も交通費も出ないのですから、ボランティアに近い感覚で保全に取り組むことになります。
〇保険会社の言い分は、「臨床医学と保険医学は別なものです」「医学と統計学の違いといえるかもしれません」といったもの。それでも保険に加入したいお客様には、がん保険には入れないこと、終身保険は、「一定期間、保険金がカットされることを認めます」と印字された了解書への署名と捺印が求められる。

第6章
〇MDRTとは、2007年8月現在で、世界で78カ国、約3万6000人の会員からなる組織ですが、毎年、生命保険・金融サービス専門職の上位6%しか入会が認められないこともあって、業界では1つのステータスです。
〇営業担当者の販売実績が目ざましいものであることとお客様の利益を優先していることは、同義ではない。

第7章
〇上司たちは、保険会社が、いわゆるメインの顧客層と考えている人たちと、同じような家族構成の家庭を持っている年代です。が、自社の推奨商品への加入は避けていた。
〇収入保障保険
Aさん60歳までに万が一のことがあった場合、毎年180万円、つまり月額に換算すると毎月15万円が、ご遺族へ支払われるプラン。保険料は60歳まで一定で月々4,650円。
〇Aさん「定期保険の場合、断然、収入保障保険。確かに毎年180万円ずつトータルとして受け取れる金保険金は下がるが、それで構わないし、ひまわり生命は、他の会社よりも安い。」
〇損保ジャパンひまわり生命は、定期保険の中でも保険料が安い収入保障保険について、タバコを吸わない健康体の人の保険料を、他社の同種類の商品より特に低く設定している。
〇高額療養費によって個人負担の上限は、一般に月額8万100円強、高収入の人でも15万円強程度です。しかも入院日数は年々短期化している。
〇Aさんのようなプロは、「このがんの診断一時金さえあれば」という気持ちにブレが生じることはない

その1です。


2016年1月17日日曜日

生命保険の罠 後田 亨 1

生命保険の罠
後田 亨

凄いぶっちゃけてる本。
Amazonの評価も良いのが分かる。
みんな本当の情報を欲している。
ただ、情報を得てもどうするかは本人次第だけど。



まえがき
○大量のCMを流して保険会社が売りたがるのは、「会社にとってメリットが大きな保険」であるはず。少なくともお客様にとって「いいことずくめの保険」であるはずはない

第1章
○投資信託の販売手数料は通常0ー3%程度。加えて年間1.5%前後の「信託報酬」を客は負担する。保険料に含まれている「経費」は約30%と言われている
○お客様には保険について知らな過ぎる。「知らない」という自覚も「保険会社に好きなようにお金を払わされてしまう」ことも、薄々わかっているはず。しかし、「では、どうする?」という問いから逃げていないか?
○「保障は一生続き、保険料が上がることはありません」というアフラックのこの商品は、「男性ならば106歳まで生きる」という前提で作られている。保険料はその均等割りであるので、変わりようがない
○「60歳からの保険料が半額になります」という案内に、「ただし60歳までの保険料は、その分高くなります」というひと言を加えると、お客様にとっての払い込みのメリット・デメリットが明確になる
○保険料の払い込みが途絶えて、保険の効力がなくなった契約というものがあります。お客様は保険料を、現時点から保険の効力がなくなった時期まで遡って払い込むことで、契約を「復活」させることが可能です

第2章
○仮に3年後の「お祝い金」が15万円ならば、保険会社は、返金用のお金を、1年間の保険料を5万円上乗せしてお客様からいただいておくだけの話です
○もともと、あらゆる保険商品は、会社が損をするようにはできていません。あらかじめ、お客様の死亡率は高めに、会社経営にかかる経費は多めに、市場金利などは低めに見込んで保険料を設定しているからです。
○「2階建ての構造」に加えて、入院料等に備える保険など、各種の「特約」が束になった「パッケージ商品」は、お客様のの思考停止を誘います
○「定期特約つき終身保険」に加入したお客様は、自分が契約した保険は、あくまで一生涯続くものと考えている。実際は、例えば40歳で3000万円の保険に入った人は、100万円程度の終身保険と、60歳までの「定期特約」という期間限定に入っていて、生涯3000万円の保険に入っていると錯覚していることがほとんど
○必要な特約を、必要な期間の分だけ付加することができて初めて、いろんな商品をまとめたパッケージ商品の良さが引き出せる
○基本的に保険はパッケージ商品ではなく、バラ売りされているものにするべきだと思います。何より、わかりやすいからです。

その2

2016年1月11日月曜日

日本経済こうすれば復興する! 竹中平蔵 2

「日本経済こうすれば復興する!」
竹中平蔵 2011年出版



○政務官その他の数を増やして霞が関に送り込むことは、「案」を引き続き霞が関の中央官庁で作ること。本当の政治主導をやりたいなら、予算案や法律案は永田町の政治家たちが作り、その執行だけを霞が関の官僚たちに任せるべき
○審議会委員には、学問的に権威のある難しい本を書き、何となくもっともらしく見えて、しかも足元のことがよく分からないタイプの学者がいちばん好まれます。
○日本がTPPに参加すると、加盟国・交渉国に日本を加えた10カ国のうち日米の占める比率が圧倒的で、かなり日米FTAの色彩を帯びる。
○日本では、自己資本比率が低下してゼロに近づいた「りそな銀行」に対して資本注入を、マイナスになった足利銀行は一時国有化した。これは各国の常識的なルールで、日本では預金保険法102条に基づき政府が介入できる。

○重要なのは、有効需要の創出が供給に対してどう影響するかである。経済というのは、長期的には供給サイドを強くしなければ発展しない。
○福田康夫政権までの自民党政権は基本的に自助自立の経済を目指していた。自助自立こそが経済の大原則であり、自助自立の人や企業が増えれば増えるほど、真の意味での弱者を助けることができるという考え方。




第4章
○増税で景気がよくなるケース
⑴コンフィデンス・クライシスが起こって、民間が萎縮し、お金を使わなくなった場合、増税によりだぶつくおカネを集めて公共事業などに使うと、景気が良くなることがある。典型的なケインズ政策。
⑵民間の企業や家庭がおカネを使うより、国が使う方が効果が大きい場合。→あまり考えられない。
→現在の日本ではどちらもない。

○小泉政権の三位一体改革。補助金削減、税源移譲、地方交付税の見直し
○私たちは税金の3分の2を国に、3分の1を地方に払っている。しかし、支出の3分の2は地方が、3分の1は国が使う。つまり3分の1を補助金や地方交付税として国から地方に移転する。
○ある程度の公共事業を実施しなければならないことはたしかです。公共事業を削減しすぎると、どうしても地方に悪影響を与えてしまいます。だから小泉政権でも、毎年3%ずつの削減にとどめた
○日本にとって必要なことは「経済と財政の一体改革」であるにもかかわらず、「税と社会保障の一体化」だけをやろうとしている

○ハーバード大学の経済学者アルバート・アレシナは、ケースの比較検討から、まず増税政策から財政再建を始めた国は、必ずといってよいほど失敗しているとした。
○「アレシナの黄金律」
財政再建に成功した先進国は、歳出削減で減らした金額と増税で増やした金額の比率が、だいたい「7対3」か「2対1」になっている



第5章
○デフレでも下がらないものは「過去の数字」。具体的には、過去に借りた借金総額であり、毎月の返済金額
○円高を止めるには、デフレを止めることこそ必要
○中央銀行の独立性
 ⑴「政策目標」の独立性(政策目標を独立して決める)
 ⑵「政策手段」の独立性(具体的な政策手段を独立して決める)
○低い成長率という前提は、政府の一部にとってはたいへん都合がよいもので、経済が悪くなっても責任が問われない
○実質成長率については、成長会計という観点からは次の3つの合計
⑴資本の伸び
⑵労働の伸び
⑶全要素生産性(TFP =Total Factor Productivity)の伸び
○日本銀行が供給するおカネは、膨大な預金通貨を生み出す強い力をもつという意味で「ハイパワードマネー」と呼ばれる
○ハイパワードマネーの1つは「預金」、もう1つは「現金」
○日銀が06年までにやった量的緩和は、もっぱら前者の預金だけで、現金については充分やっていない
○日銀が量的緩和に及び腰なのは、日銀のバランスシートが大きくなるためで、そのGDPに対する比率をできるだけ小さくしたいから

○問題は年金不安ではなくて、歳をとった将来、毎月受け取る年金に自分の所得を合わせて生活していくときの自分の稼ぎ
○20歳で勤め始めて40年間働き、退職後の20年間(80歳まで)年金を受け取るとすると、収入が年金だけの期間は60年の3分の1なので、現役時代40年間を平均して全収入の3分の1を、使わずに年金の積立金として残しておかなければいけない

○アメリカは、食品とエネルギーを除外した物価指数を作って「コア指数」と呼んでいます。ところが日本のやり方は「生鮮食品を除く総合」お物価指数を作って、これを「コア指数」と呼んでいる。同様の数字を総務大臣のときに指示したところ、「コアコア指数」と呼んでいる。
○ネガティブ・サプライ・ショック
原油や鉄鉱石の値段が上がれば、アウトプットの価格に転嫁できるまでにタイムラグが生じ、日本の企業は利益を減らす
○政府が行う政策には、「ポリシー・トゥ・ヘルプ」(救済政策policy to help)と「ポリシー・トゥ・ソルブ」(解決政策policy to solve)の2つがある
○引き上げられた消費税5%分のうち半分は若い世代の社会保障に使い、残り半分は成長強化のために使うべき

その1




2016年1月9日土曜日

「日本経済こうすれば復興する!」 竹中平蔵1

「日本経済こうすれば復興する!」
竹中平蔵 2011年出版

アートの部分の話は面白かったなあ。

医療費を削減か抑制かについては、
自然増という話を抜きにしては語れないんじゃないかな。
一般企業では当然のコスト削減と言っているが、ドラスティック過ぎるよね。

地方公務員の給料についてはよく分からないけど、
給料安くしたら公務員試験通るような人が集まらないんじゃないのかな?
高すぎるのは良くないと思うけどね。
確かに市民病院潰したってのは問題だけど、公務員の給料減らしたりして片付く問題でもないと思うけどな。

さて、まとめです。

第1章
○米ドルで見た一人当たり名目GDPの世界1位は、90年代以降だいたいルクセンブルクの指定席。面積は鳥取より狭く、人口は50万人足らず。日本の一人当たりのGDP額4万ドル弱は、ルクセンブルク約10万ドルの2.5分の1。
○日本のGDPのうち、ものづくりが生み出したのは4分の1程度(約26%)
○額に汗してではなく、脳に汗して作った製品がいまの製造業。以前とは違う

○日本文化は急に向上したのではなく、従来は強い経済が前面に出て陰に隠れていた文化が、皮肉なことに経済が悪くなって、相対的に注目を集めた。
○ウィリアム・ボーモル「ボーモルのコスト病」
マーケットでは生産性に応じて賃金が払われるが、文化の生産性は向上しない。50人のオペラは時間が経っても50人でしか演じられないが、賃金は上げなくてはいけない。そうすると、文化のコストはどんどん高くなる。
○トーマス・フリードマン「フラット化する世界」
発展途上国の人たちにもできる労働の賃金はフラット化する。先進工業国の特定の人しかできない労働の賃金はスパイキーになる。

第2章
○GDPに占める公共事業の比率を主要国と比べると、1970年から97年までのほぼ30年間、つねに日本がもっとも高くなっている
○「失われた12年、下げ止まった5年、もっと失われた3年」
○住専
「本来は個人向け住宅ローンを扱う住宅金融専門会社」
○住専問題
「本業を忘れ、地上げまがいの土地買い漁りに狂奔した結果、不良債権を作ってしまった。住専に金を貸していたのがJA。本筋ではJAに公的資金を注入するのが筋だが、住専に公的資金が注入された」
○官僚の無謬性
「以前に実施した政策は絶対に間違っていないという主張を貫くために、従来と異なるが必要である政策を実施しない」

○国は財政法により原則として借金ができない。しかし、第4条で公共事業(建設国債)が認められている。それでも歳入が足りなければ年度ごとに特例法を成立させる赤字(特例)国債を発行して借金をする
○基礎的財政収支
「国債を除く正味の歳入(税収)と、国債の利払いを除く正味の歳出(政策経費)から見た収支」。名目成長率と名目金利が同じなら、基礎的財政収支を黒字かすれば、GDPに対する国債残高が減る。
○民主党は財務省の強い影響の下で、たいへん低い成長率を議論の大前提にしている。

○小泉政権は社会保障費を削ったのではなく、放っておけば5兆円になるところを4兆円に抑えた。
○市民病院を閉鎖した自治体があったが、何を削って残すかはそれぞれの地方の問題で、小泉改革のせいにするのはお門違い
○地方公務員の給与をまず削ったり、高額所得者の年金受給を抑えることを想定していたが、それは実行されず、手っ取り早く削れるところ削ったため例えば市民病院が閉鎖された。
○小さな政府による生活の荒廃より、公務員給与を高水準に維持していることによる国民生活の荒廃のほうが、はるかに大問題

その2


2016年1月6日水曜日

医学の歴史3(ラスト) 小川鼎三

第4章 近世の日本医学
○日本で西洋解剖書が訳されたのは杉田玄白たちの『解体新書』が最初とふつう考えられているが、本木良意はほとんど一世紀を先んじて、おそらく独力で、そういう仕事をなしていた
○後藤良山の高弟である香川修徳は、さらに徹底した実証主義で、それまでの本草家の説を顧慮せず実際のきき目だけを自らの経験によりしらべて、「一本堂薬選」三巻を発表した(1729)
○山脇東洋「蔵志」について
 シナ伝来の五臓六腑説が実物とははなはだ異なることを指摘して、医学は実際のものを自分の目でみなくてはだめだ、と主張したことが重要である。
○法制の歴史でみると、大宝律令では人体の解剖が明文をもって禁ぜられていたようである。律令が効力を失った武家政治の世には、それは明文をもって禁ぜられたのではないが、律令いらいの伝統的な考え方で、人のしたいを毀損するのは不応為のこと、すなわち条理の上から当然なしてはならぬ行為であり、それをなせば罰するというのであった。
○神経のことは玄白以前の南蛮医学や紅毛医学でもときとしてでていて、髄筋または、世奴(せいぬ)と呼ばれていた。世奴はオランダ語の音をそのまま漢字にしたのである。玄白は「神気」の神と「経脈」の経を合わせて新語をつくった
○けっきょくシナに西洋の解剖学が導入されるのは19世紀半ばで、英人ホブソンが1851年に「全体新論」をだした以後である。

○考証派は、あらゆるシナ伝来および日本の古医書を読んで、内容の真偽をただし、比較検討する…考証派が多くの古書を正しい形で復刻した努力は買われなければならない。森鴎外が伝記を書いた渋江抽斎、伊沢蘭軒、小島宝素はいずれもこの学派に属する。
○安政5年(1858)に、将軍家定が病重くて、漢方の侍医たちではだめとわかって、急に洋方の伊東玄朴、戸塚静海の二人が奥医師に任ぜられ、ここで蘭方禁止令がとかれることになる。

○官軍では横浜に軍人病院を設けて傷病兵の救助につとめた。イギリス公使館つきの医者ウィリスがそこで治療にあたった。ウィリスは鳥羽伏見の戦のとき英国公使パークスの推薦で官軍のために戦傷者の治療をなし、薩長軍の信用を得ていた。
○佐藤尚中は東校を退いてとうきょうにしりつびょういんを作るのであるが、辞職の前に変則生の廃止に反対する建言書をだしている。洋方医の不足からみて、医師の速成もこのさい必要であり、聴講や読書をドイツ語でなすのは便宜上のことで、日本人には日本語をもって教えるのが本当であり、変則性への教育も内容は立派なのだから、この制度を存続してもらいたい、というのである。
○(解剖の)政府の許可書には、解剖後は「厚く相弔イ遣ルベキコト」という条件がついており、医学校は盛んな葬送をなし、ミキの家には十両の大金があたえられた。

○ドイツ医学とかフランス医学などという国を単位とするものは、19世紀以降の帝国主義的考え方で、それ以前は「ヨーロッパの医学」があったのみである。
○欧米の医学におそく仲間入りした日本人が、すでに19世紀のうちに、いくつかのりっぱな業績をあげて注目をひいた。その理由の一つとして、細菌学、免疫学は彼の地において、ちょうど新興の気運にあり、また勤勉な日本人が食い込みやすい領域であったことを、考えなければならない。
○政府はさらに明治16年(1883)に医術開業試験規則および医師免許規則をだしたので、漢方医のたてていた医学校もついに潰れた。
○米国の医師養成は以前は徒弟制度であり、はなはだ不備であった。最古の病院は1751年フィラデルフィアにできたといわれる。最初の医学校はやはりフィラデルフィアで独立前の1765年に設けられた。

あとがき
○アメリカの大小病院の科学的能率は、少なからずアメリカ外科医師会の努力に負ふものがある。(この後は是非実物を読んで欲しい)









///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平
 

2016年1月5日火曜日

医学の歴史その2 小川鼎三

今日から本業も通常営業です。

コツコツ積み重ねていくぞー。


医学の歴史 その2 小川鼎三  第2章 中世の医学
○アヴィセンナはペルシャのアリストテレスとかアラビヤのガレヌスとかのあだ名があるほど、古今東西を通じての医学界の巨像である
○レオナルド・ダ・ヴィンチの解剖学における師匠は、パドア学派のマルク・アントニオ・デラ・トルレ
○宋時代、哲学の進歩も著しかった。儒教が盛んに研究され性理の学というのができて、人間と宇宙の関係が説かれ、性命と理気の問題が思索の中心になった。
○金の時代はの学説は依然、陰陽五行五運六気のどうどうめぐりで、実証による真の進歩からはほど遠かった
○僧月湖もまた明におもむいて銭塘に住み、『全九集』を著わしてかの地で名医と称せられた。田代三喜は、大陸に渡って月湖に医を学んだのである。

第3章 近世ヨーロッパの医学
○アンブロアス・パレ―は外科をそれまで理髪師の業とされたものが一躍して内科とならぶ地位にまでのぼった。
○リンパ管を最初にみつけたのは北イタリヤのパヴィア大学の解剖学、外科の教授アセリであった。初めは神経科とおもったが、傷つけたときに白い液が流れでたので、事の重大さに気づいたという。血液でない液体をみちびく脈管の存在がこのとき初めてわかった。
○ボルデュー「生命の基礎現象は感覚と能動的な運動であり、身体の各部にそれぞれの固有生命がある。固有生命をおこすものは自然の力すなわち生気であって、生命力は物理学や機械学の範囲に属しない」ととなえた。
○フランスにおきた啓蒙主義の反動として、ドイツには18世紀の末から19世紀の初めにかけてロマン主義がみなぎり、それが医学によくない影響をあたえた。シェリングの自然哲学は、思想としてははりっぱであろうが、真の医学の進歩にはあずからず、むしろ有害である

その3

   

///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平
 

2016年1月4日月曜日

傷み始めたみかん

みかんがね、傷み始めたのでね。

黒糖みかんジャムにしました。

医療関係ないっす。




うま。
柿もあるので柿もやるかも。

傷んだら煮る。糖度を高めると菌が繁殖しにくくなる。先人の知恵や。

2016年1月3日日曜日

医学の歴史その1 小川鼎三

医学の歴史
小川鼎三

第1章 古代の医学
○ヒポクラテスの偉さは、健康と病気を自然の減少として科学的に観察し、医術を魔法から引き離していることである。
○ローマ時代は公衆衛生や医事制度が大きい進歩をした。給水の設備ができ、浴場や運動場が設けられ、食料品の取り締まりが行われた。医師の免許制はAD200年ごろのローマで初めてできたという。医者の身分が保証され向上した。病院も初めは軍隊用のがローマ帝国の諸地につくられ、あとで一般市民用のものができた。
○唐の時代には孫思邈の『千金方』。病人に対する医者の倫理がかなり詳しく説かれている。医学と医術を区別し、医学の研究は哲学的実際的であることを要し、医術の実施は宗教的人道的であることを要すとしている。内容は道教や神仙家の色彩が濃くて仏教の影響もみられる。
○大宝律令(701)が糖の制度を模してつくられ、その中には医疾令というのがきめられていた。大宝律令は今日に伝わらないが、養老律令(718)によって医疾令の内容がおおよそわかる。

その2





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

武器としての決断思考

武器としての決断思考
瀧本 哲史 著

元外資系コンサル、投資家で京大の先生の著作。
「一般教養」という科目は本来「リベラルアーツ(自由になるための技術)」であるべきというお考え。
一時期流行っていましたが、当時読む時間がなかったので読みました。

気になったところをまとめます。

具体的なメソッドを書いちゃうと営業妨害になるので、本を読んでみて下さい。

ディベートの手法を普段の思考方法として使用するという趣旨。

ビジネスマンなら無意識にやって「いそう」な事なのですが、
実は中途半端に行っていそうな人が多く、改めて意識できて良いと思います。

読んで満足するだけではなく使えそう。
とてもシンプルで実践(戦)的です。
この考え方を癖付ければ相当役に立ちそうです。

○これからの時代、エキスパートの価値は暴落していく
○物流の専門コンサルは、全てを物流の問題として解決しようとするが、本当に価値があるのは「そもそもこれは物流の問題なのか?」と根本的なところから問うことができること
○議論は、異なる意見、複数の意見をぶつけ合うことで、正解ではなく「いまの最善解」を導き出すためのもの。その条件として、発言内容での判断、反論を認めるものでなければならない
○不確実性の高いビジネスの世界で生き残っているベンチャー企業は、ほとんどのケースにおいて戦略をころころと変えている

○メリットの3条件
 ①内因性(何らかの問題があること)
 ②重要性
 ③解決性(問題がその行動によって解決すること)
○デメリットの3条件
 ①発生過程(論題の行動を取った時に、新たな問題が発生する過程)
 ②深刻性
 ③固有性(現状ではそのような問題が生じていないこと)
○デメリットを考えるときには発生過程のところでしっかりとしたストーリーを立てること
○ツッコミ上級編(ここが一番ポイントですが、本読んでみてください)

○よくあるダメなパターンは、「賛否両論だから決めない」こと。問題を先送りすることが情報をコントロールする人の狙いだったりする
○帰納の大きな欠点は、いくら個別の事例を挙げたところで、結論が絶対に正しいとは言えない
○相関関係と因果関係の混同
○ディベートの重点は、自分の主張を無理やり通そうとする人に反論すること
○メリットの3条件のうち、一つでも潰されればそのメリット全体が崩されることになる

○ディベート思考は、客観を経て、主観で判断する手法



2016年1月1日金曜日

「日本経済ダメ論」のウソ

あけおめです。
ことよろです。

「日本経済ダメ論」のウソ

三橋貴明と上念司の対談本
2011年出版 
日銀総裁が白川さん
民主党政権時代(野田総理)のときの本

現黒田日銀総裁が、まだ財務省財務官(2002年)だった時に、
ムーディーズが日本国債を格下げした時に、
財務省からムーディーズにその評価の正当性を問う文書を投げかけたそうな。
https://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm
貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
ムーディーズにこれを投げかけるってしびれますね。

第1章
○税収の元は名目GDPであるにもかかわらず、税率を上げてGDPの民間の所得、要するに国民の可処分所得を減らしたら、いまのパターンでは翌年のGDPは確実に減ります。そうすれば税収が減ります。
○「外国格付け会社宛意見書要旨」財務省からムーディズに送りつけた文書。黒田財務官の指示の下作られた。
○金融政策を変えていないんだから、円安になるわけない
○もしキャピタルフライトが本当に起こったら、円安になります。高橋洋一によると30兆円あたり10円の円安になる
○戦時中に企画院事件(1941年)というのがありまして、企画院という、いまの内閣府のような役所の官僚の半分くらいがソ連・中共のスパイとして逮捕されました。
○デフレになると、公務員が有利になってきて、いまも得し続けています、たしかにそれが事実ですが、だからといって公務員の給料を削減したら、ダイレクトにGDPを削り取ることになる。…そんなことに目を奪われる前に、経済成長して民間の給料をどんどん高くして逆転すればいい
○岩田規久男が「デフレ脱却国民会議」で示した5ステップ
 ①ベースマネーをずっと供給し続ける
 ②予想インフレ率が上がる
 ③個人や企業は投資を始める
 ④最初の段階(2~3年)の投資は金融ではなく手元のマネー
 ⑤需要が増えすぎて耐えられなくなると信用創造でマネーの量がドーンと出てくる
 ⇒④の段階で量的緩和を解除すると意味がない

第2章
○円高ということは、円の量が足りませんというシグナルを受けました、じゃあどうやって増やしましょうかと考えればいいだけです。
○変動相場制の国においては、財政政策は金融政策のサポートなしには成立しえない…変動相場制になると、要は為替変動がすべてそれを打ち消してしまうんで、資金がある程度余裕のある状態にして、財政政策を打たなければいけない。(マンデル・フレミング・モデル)
○政府の財政出動でも投資でも、ほとんど失敗しています。でも、それなら民間だったら成功するかと言うと、民間も当たり前のように失敗します。両方バカなんですよ、はっきり言って。
○いろんな人がワーッと試して、成功しやつが正解です。
○族議員は、たしかに言葉は悪いんですが、その分野の専門家である議員が決めるのは、要するにはっきり言って政治主導である。
○成長期の人格が形成されていく時期に景気が悪いと、そのトラウマで本当に収入が増えた時も、わりとディフェンシブな消費態度から抜け出せないと言います。

第3章・第4章
○究極的に独裁国家で秘密警察があるような国は、最後まで交渉しても裏切られるのが基本です。
○中国への輸出のGDP比なんて、たったの2.7%です。ところが、依存しているから逆らえないという話がリアリティを持って語られて、だから尖閣諸島問題も妥協しろって、それは違うんじゃないかと思わなかったらウソです。
 ⇒輸入はどうなんだろ?
○ユーロというもの自体が最適通貨圏を超えた設定になってしまっているのが最大の悲劇の始まり
○ドイツは、南欧各国の危機の前は、彼らをサンドバッグにして自分が成長し、いざユーロ危機になってユーロが暴落すると、今度はユーロ外に向けて輸出して儲けることができるので、どっちに転んでもドイツにとってすごくいいしくみ。しかし、これでは周辺国はもちません
○ユーロが上手くいかなかった理由のひとつは、財政政策がバラバラだったために、ナショナリズムが醸成されなかったことです。
○国際金融のトリレンマ
 ・固定相場制
 ・独立した金融政策
 ・自由な資本移動
 この三つを同時には実現できない。
○税収=名目GDP×税率×税収弾性値、これは絶対逆らえない。