2016年2月28日日曜日

メールの有り難み

メールって凄いよね。

今パソコンが使えない人のために文書を送るために、切手と封筒をコンビニに買いに来た。

なんでわざわざ…と思いつつ買いに来て、しかも急に雨が降ってきた。

世の中では往々にして、特別な技術や知識を持つ人ほど非効率なものに固執したりする。

自分の高い価値を結局自分で下げてしまい、結局代替案に取り代わられたり、avandanedされたりする。

今回の経験でよく身に染みました。

吸収してかんと。

今読みたい本・欲しいものリスト

休!日!出!勤!

本が読めないので、忙しい時期を過ぎたら読もうと思っている本を連ねておく。


あと、欲しいもの

2016年2月25日木曜日

友人の転職

同じ年に新卒として医療機器メーカーに就職した友人が、

今月いっぱいで退職して、医療とは関係ない世界へ行ってしまうらしい。

海外事業部に在籍していたこともあって、
色々な国の医療制度に詳しかったので、よく議論をしたものだった。

お互い切磋琢磨してきた仲としては少し寂しいし、
優秀なプレーヤーが1人業界からいなくなるのは残念でもあるが、
心から門出を祝いたいと思う。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

それにしても忙しい。

医療業界としては2年に1回診療報酬改定があるため、
文系医療にとっては制度改変に伴うバタバタがあるのです。
時間があれば改定内容をまとめていきたいですね。

本は読んでますがまとめる時間がないよー\(^o^)/

医事課の方々、ベンダーの方々、メーカーの方々、行政の方々etc...
皆様大変な時期ですが乗り切っていきましょう。

2016年2月13日土曜日

看護配置と平均在院日数

看護配置と平均在院日数
施設基準等読みながら書き出してみました。

一般
7対1  18
10対1 21
13対1 24
15対1 60

精神
10対1 40
13対1 80

特定機能(一般)
7対1  26
10対1 28

特定機能(精神)
7対1  40
10対1 40
13対1 80

専門
7対1  28
10対1 33

そもそも精神病院って40日で出れるものなのかな?
そりゃ早く出れるに越したこと無いけど。



関連してこのサイト、結論はともかく、データがとても充実しています。

フレンチプレス導入

我が家にフレンチプレス導入しました。





ドリップとは油膜が違うわぁ。うまいわぁ。

豆はスローコーヒー@松戸市新八柱。
私は今日も休日出勤。

皆様勉強会、お仕事、リフレッシュ等々頑張って下さい。

2016年2月12日金曜日

胃カメラ&ピロリ菌駆除3

前回までその2

ということで、鼻からの胃カメラを探して、

こちらもクリック

という診療所に行き着いた。

診察室に通されて問診。
ピロリ菌の陽性反応の結果を見せ、
胃カメラを実施する部屋へ移動。

生まれてから胃カメラをやったことがない私。
鼻からなら余裕と聞いていたわけで、
いよいよ「その時」が訪れようとしているわけだ。

横になり、まずどちらの鼻が通りがいいか確認する。
右、左…左の方が良さそう。

私「左でお願いします」

そうすると綿棒で麻酔のジェルを鼻に塗り塗り。

お医者様「のどの奥に苦いのが垂れますからね」

私の心の中「いやいや、こちとらビール愛飲する大人ですぜ・・・」



「苦い」



しかも、鼻の奥にダイレクト・アタック。
じんわりと麻痺していく左鼻。
確かにあまり良い気分ではなかった。

細いスコープを取り出す先生。
さあ、じゃあ入れてもらいましょうかい。

スコープからは何かヌルヌルした液体が出ている。
鼻に入っていくスコープ。


いたたた…


目の前のモニターを見ると、
明らかにスコープに対して細い鼻の骨。
じっと悩む先生。


嫌な予感…


先生「ちょっと反対の鼻でやってみましょうか」




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2016年2月10日水曜日

胃カメラ&ピロリ菌駆除2

前回まで

ということで、医療機関を探し始めた私。

胃カメラと言えば口から入れるのが主流だと思っていましたが、
調べると最近はどうやら鼻から入れる方が痛くないので人気らしい。

そこで、鼻からの胃カメラが得意な医療機関を探し始めました。
そこで1つ見つけたのが竹芝にある「東京ベイクリニック」という医療機関。

リンク先を見てもらえばわかるのですが、
委員長が自分の鼻から胃カメラを入れているの写真が載っているという、
ちょっと面白い感じビンビンで、ここで受けることに決めました。
何か余裕っぽいんだもの。

東京ベイクリニック
こちらもクリック

仕事の関係で年を跨いで、1月に予約を取った。
なんかその間も胃の調子が悪いなぁ。
これがプラシーボ効果?

そして1月某日、竹芝に行くと、奥の方から号泣して出てくる女の子。
よぎる不安。
「大丈夫だろうか」
そう思いながら待っていると名前を呼ばれ診察室へ向かう。

先生は予想通り良い人。

ちゃんと目を見て話してくれるし、
説明も丁寧。
竹芝なんてあんまり人が住んでない地域に、
土曜にも関わらずなかなか予約が取れないだけある。
いい。

説明も終わり、いざカメラのある部屋へ。
ここで鼻にチューブを入れるのね。

しかしこの後、全く予想だにしないことが待ち受けていたのだった。。。

その3


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2016年2月7日日曜日

生き延びるためのラカン 斎藤環1

生き延びるためのラカン
2012年 斎藤環

東大でのラカン勉強会のために副読本として読んだ。
しかし、仕事が忙しくて勉強会自体には行けなかった。。。

この本自体は難解と言われるラカンを、読者に語りかけるように、
身近な例や社会問題を引きながらとても分かりやすく解説している。

というか厳密には、この分野に私は詳しいわけではないので分かった気になっている。
この分野を概観するにも、かなり良本だと思われる。
何度も読んだ方が良い本だと思う。

知らないこといっぱい。
この辺の精神分析関係の本はもっと読まなきゃなあ。

ちなみに表紙はジョジョの荒木飛呂彦先生。



lecture1
・あらゆる言葉は、ほかのすべての言葉と繋がり、ネットワークの中に位置づけられて、はじめて成り立つ。
・意味を決定付けるのは、言葉同士の関係と、その背景にある文脈の作用。

lecture2
・心は言葉でできていて、そのために伴い自由さ終えたけれども、同時に果てしない空虚さをも抱え込んだ。これは、ラカンの精神分析にとっては、かなり基本的な視点。
・僕たちは自分の抱えた欲望、その都度ちょっとずつ満たしてやることで、最終解決は先送りしながら生きている。もっと言えば、実は最終解決なんて、本当は存在しない。
・ともあれ、欲望の特徴が、その本質的な充足の不可能性にあることはわかった。それでは、その欲望はどこからくるんだろうか。
・大多数の人々がすごく貧しい時代は、誰も精神分析なんかに用はない。みんな食べることで精一杯だし、そこにはそこでは欲望は限りなく欲求に近いものになるわけだから。ある意味、欲望の追求も満足も、とても単純明快になされることになる。でも、時代が進んで、大体の人が衣食足りるようになってくると、人々の心も、その精神分析的な本質をあらわにするようになってくるんじゃないか。
・現代のように、ネットワークが幾重にも張り巡らされて以降は、こうした孤独は意志的に選択されなければ成立しなくなってくる。もっと正確に言えば、今や孤独な人はかつて以上に好き好んで孤独になっているという印象を持たれやすいため、孤独のまま放置されやすくなっているような気がする。
・ロハスやスローライフって言葉があるね。あれは要するに、引き算文化だ。あれもこれもと貪欲に頑張る人生をちょっと降りて、環境に配慮しつつ地域に根ざした、身の丈にあった生活を楽しみましょう、ということだよね。
・あえて欲望を抑制する文化も、僕には「満たされない欲望を持ちたい欲望」の産物に見える。

lecture3
・どんな人でも自分の欲望を説明するには、他人の尺度を思ってくるしかない。フロイトの天才的だったところは、欲望、つまり価値判断に「性」を持ち込んだところである。
・欲望のをもとにセクシャリティを想定すれば、欲望の最も個人的な理由に接近できる。それは人間の欲望の中で「性」が一番個人的なものだからである。
・言葉っていうものは、もちろん自分で創りだすものじゃない。成長とともに、親やテレビ、兄弟や友達などから、時間をかけて学習するものだ。
・言葉は自分の一部ではないし、完全に自分のものにもならない。言葉とは、子どもが初めて出会う、最初の大いなる他者である。だから言葉を学ぶことは、他者を自分にインストールすることである。

lecture4
・フロイトも自由連想法に至る以前は、患者に催眠をかけて過去のトラウマ思い出させて、忘れられていた感情解放することで治療するというカタルシス法行っていた。
・意味というのは、実は言葉のイメージ的な側面に過ぎない。言葉の本質は音にある。いわゆるシニフィアンである。
・言葉には2つの側面がある。一つはシニフィアン、つまり音で、もう一つはシニフィエ、つまりイメージ(意味)だ。
・言葉とその対象物、というふうに考えてはいけない。それだと言葉は単なる記号になってしまう。ここで大事なことは、シニフィアン(音)とシニフィエ(イメージ)の結びつきには、何の必然性もないということ。それからシニフィアンが喚起するイメージには、かなり幅があるということだ。例えば鳩という言葉が、鳩という鳥のイメージと同時に、平和とか祝福のイメージにも繋がる。
・単語が意味を持つのは、あくまでも他のこととの関係性、すなわち文脈の中でしか可能にならない。逆に言えば、文脈さえ分かっていれば、未知の言葉、つまり無意味な言葉であっても、なんとなく意味が見えてくる場合もある。

その2




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さらば財務省 高橋洋一2

さらば財務省
高橋洋一
2008年

第5章
・2007年度の特別会計の予算は約360兆円。この数字は、単純合計したもので、各会計間資金の出入りなどの重複分をのぞく実質規模では175兆円になる。対して一般会計の予算規模は83兆円。これをとって、一般会計をはるかに上回る予算が特別会計に投入されているのは、おかしいではないかというマスコミの批判が多々見られるが、実はこの額の大きさには大した意味がない。 例えば、このうち79兆円は国債償還や国際利払い費に当てられている。つまり、国債の償還資金や国債利払いが、国債整理基金特別会計を右から左に素通りしていくだけで、額が大きくなるのも当然だ。
・しばしば「特会には多額の積立・準備金があるから資産が余っている」との乱暴な議論があるが、重要なのは負債を超える資産があるか否かである。
・本来、官僚がリスクを取って運用してはいけない。しかも、それで生じた剰余金を返さず、自分たちで使徒を差配するのは、どう考えても道理が通らないし、許されるものではない。株主たる国民に剰余金を還元し、国民が使い道を決めるべきだ。
・貿易保険、印刷、造幣は従来特別会計だったが、独法に組織替えしたときに、政府資産としていたものを、独法に振り替えて持たせた。郵政も然り。郵政公社は特殊法人ではあるが、切り替えたときには、政府の試算をごっそり持っていった。ただ、郵政公社は将来、完全民営化された後に上場すれば、出資証券の売却により、資産の回収が可能である。しかし、民営化しない独法から政府が資産を回収する手立てがないことが問題だ。
・本来は、独法に切り替える際、便利さについてはもう少し慎重に精査し、資産の回収手続きを盛り込んだ規定を作成しておくべきだった。それを十分にやらなかったのは、国の怠慢といわれても仕方がない。

・すでに財務赤字が財政赤字が騒がれていた2002年4月、アメリカの国債格付け会社によって日本国債の格付けが引き下げられた。慌てた財務省は、日本は世界最大の貯蓄超過国であり、国債をほとんど国内でしょうかされている。また世界最大の経常収支黒字国であり、外貨準備高も世界最高であるとの意見書を格付け会社に送りつけた。つまり純債務でみれば日本は財政危機などではないと財務省が主張したのだ。日銀と同様、国内向けのアナウンスと海外向けのアナウンスはまるで違うのである。
・経済学のテクニカルな観点から言っても、マクロ計量モデルの長期計算はできないというのがエコノミストの常識だ。長期にわたると、その間に消費行動や投資行動が変わるので、モデル自体に必ず構造変化がある。
・成長率より金利が高くなると、国債残高の利払いも大きくなるので、名目成長率が伸びていても、借金は増えてしまう。逆に成長はしているけど金利が低いという状態になれば、財政再建は加速度的に進む。それを明確に示す式がある
・(公債残高÷GDP)の改善=(基礎的財政収支黒字÷ GDP)+(名目成長率-金利)×(公債残高÷ GDP)

・中央銀行の独立性といった場合、目標の独立性と手段の独立性の2つの意味が考えられる。世界の標準的な考え方では、中央銀行に金利を動かす手段の独立性はあっても、物価の上昇率をどの程度に設定するかといった目標の独立性は認められていない。目標はあくまでも政府、または政府と中央銀行が決める。
・経済成長が税収につながるまでには、しばしの時を要する。その間に、金利は先行して上昇する。したがって一時的に苦しい状況に追い込まれることはあり得る。しかし、たとえ一時そうなったとしても、やがて金利の上昇は頭打ちになり、税収の自然増がじわじわと始まる。経済成長こそが、財政再建への近道であるという事実は疑いようもない。
・日本は確かに公務員や特殊法人の人員が先進国では少ないが、政府資産の規模でみれば、日本は明らかに大きな政府だ。
・少ない官僚が大きな金融資産を抱えているということは、官僚一人当たりの権限が他の先進国より何倍も大きいのだと言えるのかもしれない。小泉政権の構造改革路線では、こうした官の大きなプレゼンスをなるべく小さくし、「民でできることは民で」を基本方針にした。

第6章
・公務員制度改革に取り組んで、改めて痛感したのは、自民党内の党人派と官僚派の文化の違いだった。霞が関の役人の立場にしか立てない過去官僚は「財政タカ派」「上げ潮派」の色分けでいえば、ほぼ全員が財政タカ派。公務員制度改革ともなると、与野党問わず、「反対」と声を揃える。

第7章
・年金システムの最大の問題は、支払った人に年金を給付する時期まで全く通知しない点。公的な制度でも、通常、毎年、もらえる金額の通知が届く。だが、公的年金などは例外的に通知がない。
・アメリカでは、年金の通知の件もそうだが、政府は間違えるという前提に立って、三権分立を考え出し、政府の暴走を抑止している。
・権利を主張したければ国民の方から出向いて来いというのは社保庁のみならず、多くの役人の考え方だ。これはもちろん役人に責任があるが、一部の責任は国民にもある。国民が役所を過信しているので、役人もまともに対応しようとしない。
・国民一人一人が依存せず、年金記録を要求し、自らチェックして、クレームをつければ、彼らも頑張らざるを得なくなる。


この本の その1



2016年2月5日金曜日

さらば財務省 高橋洋一1

さらば財務省
高橋洋一
2008年

高橋洋一先生のデビュー(?)作。
これを読むまではTVタックルとかに出てくる変わった教授というイメージがあったんですが、竹中さんのブレーンだったわけですね。

上念さんや三橋さんらとも、デフレ問題や金融政策論を中心に親和性が高く、よく引用されている。
やっぱり理系は強いなあと、文系の私は少し凹んだのですが、
いやいや負けてられませんぞ。


〇文庫版まえがき
・官邸周辺ポストとは官僚が気にするポスト。内閣法制局長官、内閣官房副長官、内閣危機管理監、内閣官房長官、内閣広報官、内閣情報官など。
・国会法第39条では、国会議員は大臣や副大臣、政務官等を除いて政府との兼職が原則禁止されており、政府機関である行政刷新会議を手伝えない。
・小泉政権下で、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は完全民営化、残りは、基本的には規模を半減し、日本政策金融公庫へと一本化することになった。
・国の政策として一番重要ことは、みんなが豊かに生活することで、需給ギャップがあると確実に失業者が増えるしデフレになる。それを放置して減税など、狂気の沙汰だ。

〇プロローグ
・小泉政治政権、安倍政権と続いた改革路線を評価するとき、欠かすことのできない重要な視点がある。小さな政府と大きな政府だ。永田町、霞ヶ関で起こっている数々の論議が衝突も、この視点で見れば全て理解できる。

〇序章
・日本の金融機関はサブプライム問題などよりはるかに深刻な問題を抱えている。意外であるが、金融機関の保有する多額の変動利付国債、これが欠陥商品なのだ。
・変動金利といった場合、金融の専門家が着目するのは、何に対して変動しているか。半年ごとに金利が変わっていく商品が、半年の金利に連動して動くのなら普通だが、貸付信託の場合、長期プライムローンなどの長期の金利に連動している。
・政治家の多くが竹中さんを嫌ったのは、市場原理と政治は相反する部分があるからだ。弱者に光を当てるのが政治の役割であり、市場メカニズムと政治プロセスの間には時々矛盾が生じるので、竹中の考え方は「市場原理主義で弱肉強食だ」となりやすい。
・政治家は選挙の洗礼というハイリスクの世界に身おきながら第一線で戦っているのに、自分たちは玉の飛んでこないローリスクの後方にいて、ハイリターンを上げようとしているようなもので、これほど虫のいい話はない。

〇第一章
・財投は例えて言えば巨大な国営銀行ともいえる仕組みだった。郵便貯金や年金積立金を大蔵省理財局が管理する資金運用部に全額預託させ、そこから政策金融機関や特殊法人などに資金として貸し出す。
・高度経済成長期には、社会資本の整備などに役立ったが、1990年代に入り、特殊法人批判が高まるにつれ、特殊法人への財投による資金提供で無駄な事業が増え、天下りの温床作っていると非難が集中した。
・なぜデフレでも日銀はお金を増やさないのか。突き詰めれば、それは日銀に染み付いたDNAに起因する。ハイパワード・マネーを増やすには日銀が国債を購入しなくてはならない。国債の購入は、日銀にとっては財務省への屈服、敗北を意味する。日銀の強烈なエリートとしての矜持がそれを許さないのだ。
・戦前軍備拡張路線を受けて日銀は国債を際限なく引き受け、そのツケで終戦後ハイパーインフレになった。以来、経済合理性とは関係なく、組織のDNAとして国債は買わない。
・役所でALMを取り入れたのは、大蔵省が最初だった。米国でも財投に似た制度があるが、米国予算管理庁の担当者に日本ではALMがあると話すと、とても驚いていた。

第二章
・財投の資金の流れから言えば、入り口が郵貯なら、出口は政策金融だった。郵貯改革する以上、出口の政策金融機関も無傷ではいられない。日本政策投資銀行、国際協力銀行、国民生活金融公庫、住宅金庫などのいわゆる政策金融の統廃合を図って見える化し、整理しようというのが政策金融改革の趣旨である。
・新しく作られた審議会の方向性は最初に作られたドラフトでほぼ決定する。
・その枠組みを超えて議論を展開するのは心理的に難しくなる。このフレーム作りをするのが事務局なのだ。事務局では役所に都合の悪い問題点わざと落としたり、論点を強調してドラフト作り審議会の結論を誘導しようとする。
・道路公団の債務超過か資産超過のいずれであるかは、民営化に直結する重要なポイントだった。もし債務超過なら、民営化はできない。道路を作る余裕も、もちろんない。
・しかし資産超過なら民営化は容易になる。資金の投入なしで民営化できるうえ、民営化後には、高速道路の高速料金の値下げもできるし、採算が取れればどうもどうも作れるので、全く支障がなくなる。民営化の理論武装としては極めて強力な材料である

第三章
・スコープメリットとは、複数の要素を組み合わせることでより大きなメリットを得られるという経済分析の理論である。
・コンピューターシステムはスパイラルメソッドと言って、1年、2年の単位でパーツごとにその時の最先端技術を取り入れながら更新していくのが最も効率的で、合理的なやり方だ。プログラムがスリムであれば、ミスも少ない。たとえトラブルが発生しても、すぐに対処できる。
・プロジェクトマネジメントとは一言で言えば、様々な問題を解決するときに、最善の策を選択するためにいろいろな戦略などを選ぶ方式である。

第四章
・政策立案にまで深く関わると官僚は道を誤る。自分のプランを守ろうと、保身に走る。だから、官僚はでしゃばってはいけない。官僚機構は単なる執行機関、決めるのはあくまでも政治家で、我々は決められたことを粛々とやるだけでいい。
・政策金融機関はすでに役割を終えているものが大半とはいっても、中小企業や地域振興のために今後も必要とされるものもある。ただ、日本の場合、諸外国に比べて数が多かった。どの国にも政策金融機関を存在するが、1つ2つしかない。対して日本では9つの機関があり、それらを改革しなければならなかった。
・発想変えて、官しかできないことがあるというのなら、どうすれば民ができるかということを考えてやってほしい。
・財務省は、どんな政治家が総理になっても、即座にふさわしい秘書官を出せるという強みを持っている。というのも、予算編成は全ての分野にまたがっているので、財務省主計局は、幅広く政治家に対応しているからだ。

・上げ潮はと財政タカ派のゴールは財政再建で、同じではあるが、アプローチがまるで違う。経済のどこに力点を置くかが、決定的に異なる。
・ふるさと納税の真意は、納税者が自らお金の使い道を決められるという事で、ふるさと納税が実現して、国民がふるさと納税に直接、収めるようになると、これまでお上が吸い上げて、お上が配分していたシステムではなくなる
・地方が疲弊して、瀕死の地方自治体が増加しているのは紛れもない事実だ。地方が死んでは、苗も育たなくなる。ひいては都市部の発展もない。故郷のふるさと納税は健全な発想が出てきはじめた1つの表れだと私は思っている。


この本のその2