2016年2月5日金曜日

さらば財務省 高橋洋一1

さらば財務省
高橋洋一
2008年

高橋洋一先生のデビュー(?)作。
これを読むまではTVタックルとかに出てくる変わった教授というイメージがあったんですが、竹中さんのブレーンだったわけですね。

上念さんや三橋さんらとも、デフレ問題や金融政策論を中心に親和性が高く、よく引用されている。
やっぱり理系は強いなあと、文系の私は少し凹んだのですが、
いやいや負けてられませんぞ。


〇文庫版まえがき
・官邸周辺ポストとは官僚が気にするポスト。内閣法制局長官、内閣官房副長官、内閣危機管理監、内閣官房長官、内閣広報官、内閣情報官など。
・国会法第39条では、国会議員は大臣や副大臣、政務官等を除いて政府との兼職が原則禁止されており、政府機関である行政刷新会議を手伝えない。
・小泉政権下で、日本政策投資銀行と商工組合中央金庫は完全民営化、残りは、基本的には規模を半減し、日本政策金融公庫へと一本化することになった。
・国の政策として一番重要ことは、みんなが豊かに生活することで、需給ギャップがあると確実に失業者が増えるしデフレになる。それを放置して減税など、狂気の沙汰だ。

〇プロローグ
・小泉政治政権、安倍政権と続いた改革路線を評価するとき、欠かすことのできない重要な視点がある。小さな政府と大きな政府だ。永田町、霞ヶ関で起こっている数々の論議が衝突も、この視点で見れば全て理解できる。

〇序章
・日本の金融機関はサブプライム問題などよりはるかに深刻な問題を抱えている。意外であるが、金融機関の保有する多額の変動利付国債、これが欠陥商品なのだ。
・変動金利といった場合、金融の専門家が着目するのは、何に対して変動しているか。半年ごとに金利が変わっていく商品が、半年の金利に連動して動くのなら普通だが、貸付信託の場合、長期プライムローンなどの長期の金利に連動している。
・政治家の多くが竹中さんを嫌ったのは、市場原理と政治は相反する部分があるからだ。弱者に光を当てるのが政治の役割であり、市場メカニズムと政治プロセスの間には時々矛盾が生じるので、竹中の考え方は「市場原理主義で弱肉強食だ」となりやすい。
・政治家は選挙の洗礼というハイリスクの世界に身おきながら第一線で戦っているのに、自分たちは玉の飛んでこないローリスクの後方にいて、ハイリターンを上げようとしているようなもので、これほど虫のいい話はない。

〇第一章
・財投は例えて言えば巨大な国営銀行ともいえる仕組みだった。郵便貯金や年金積立金を大蔵省理財局が管理する資金運用部に全額預託させ、そこから政策金融機関や特殊法人などに資金として貸し出す。
・高度経済成長期には、社会資本の整備などに役立ったが、1990年代に入り、特殊法人批判が高まるにつれ、特殊法人への財投による資金提供で無駄な事業が増え、天下りの温床作っていると非難が集中した。
・なぜデフレでも日銀はお金を増やさないのか。突き詰めれば、それは日銀に染み付いたDNAに起因する。ハイパワード・マネーを増やすには日銀が国債を購入しなくてはならない。国債の購入は、日銀にとっては財務省への屈服、敗北を意味する。日銀の強烈なエリートとしての矜持がそれを許さないのだ。
・戦前軍備拡張路線を受けて日銀は国債を際限なく引き受け、そのツケで終戦後ハイパーインフレになった。以来、経済合理性とは関係なく、組織のDNAとして国債は買わない。
・役所でALMを取り入れたのは、大蔵省が最初だった。米国でも財投に似た制度があるが、米国予算管理庁の担当者に日本ではALMがあると話すと、とても驚いていた。

第二章
・財投の資金の流れから言えば、入り口が郵貯なら、出口は政策金融だった。郵貯改革する以上、出口の政策金融機関も無傷ではいられない。日本政策投資銀行、国際協力銀行、国民生活金融公庫、住宅金庫などのいわゆる政策金融の統廃合を図って見える化し、整理しようというのが政策金融改革の趣旨である。
・新しく作られた審議会の方向性は最初に作られたドラフトでほぼ決定する。
・その枠組みを超えて議論を展開するのは心理的に難しくなる。このフレーム作りをするのが事務局なのだ。事務局では役所に都合の悪い問題点わざと落としたり、論点を強調してドラフト作り審議会の結論を誘導しようとする。
・道路公団の債務超過か資産超過のいずれであるかは、民営化に直結する重要なポイントだった。もし債務超過なら、民営化はできない。道路を作る余裕も、もちろんない。
・しかし資産超過なら民営化は容易になる。資金の投入なしで民営化できるうえ、民営化後には、高速道路の高速料金の値下げもできるし、採算が取れればどうもどうも作れるので、全く支障がなくなる。民営化の理論武装としては極めて強力な材料である

第三章
・スコープメリットとは、複数の要素を組み合わせることでより大きなメリットを得られるという経済分析の理論である。
・コンピューターシステムはスパイラルメソッドと言って、1年、2年の単位でパーツごとにその時の最先端技術を取り入れながら更新していくのが最も効率的で、合理的なやり方だ。プログラムがスリムであれば、ミスも少ない。たとえトラブルが発生しても、すぐに対処できる。
・プロジェクトマネジメントとは一言で言えば、様々な問題を解決するときに、最善の策を選択するためにいろいろな戦略などを選ぶ方式である。

第四章
・政策立案にまで深く関わると官僚は道を誤る。自分のプランを守ろうと、保身に走る。だから、官僚はでしゃばってはいけない。官僚機構は単なる執行機関、決めるのはあくまでも政治家で、我々は決められたことを粛々とやるだけでいい。
・政策金融機関はすでに役割を終えているものが大半とはいっても、中小企業や地域振興のために今後も必要とされるものもある。ただ、日本の場合、諸外国に比べて数が多かった。どの国にも政策金融機関を存在するが、1つ2つしかない。対して日本では9つの機関があり、それらを改革しなければならなかった。
・発想変えて、官しかできないことがあるというのなら、どうすれば民ができるかということを考えてやってほしい。
・財務省は、どんな政治家が総理になっても、即座にふさわしい秘書官を出せるという強みを持っている。というのも、予算編成は全ての分野にまたがっているので、財務省主計局は、幅広く政治家に対応しているからだ。

・上げ潮はと財政タカ派のゴールは財政再建で、同じではあるが、アプローチがまるで違う。経済のどこに力点を置くかが、決定的に異なる。
・ふるさと納税の真意は、納税者が自らお金の使い道を決められるという事で、ふるさと納税が実現して、国民がふるさと納税に直接、収めるようになると、これまでお上が吸い上げて、お上が配分していたシステムではなくなる
・地方が疲弊して、瀕死の地方自治体が増加しているのは紛れもない事実だ。地方が死んでは、苗も育たなくなる。ひいては都市部の発展もない。故郷のふるさと納税は健全な発想が出てきはじめた1つの表れだと私は思っている。


この本のその2

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