2016年11月27日日曜日

文明と病気 上 シゲリスト 8

ソビエトの実験の話は面白いです。


前回
その7


◆雇主の責任と労働者の保障に関する法律制定の歴史は、それがその時代の政治的及び社会的歴史を反映している。
◆最初制定された法律はみな雇い主に味方し、労働者は自分に加えられた損害に対しほとんど補償を受ける機会がなかった。

◆イギリスは1846年まで、アメリカは合衆国はその後間でも実施された規則で、死亡災害に遭った労働者の家族は雇主に何も要求することができなかった。被害者が死んでしまえばその事件もまた落着したというのがその解釈であった。鉄道の発達で新しい時代が生まれた。事故が頻発し、初めてベルリンとポツダム間に鉄道線路が開かれた1838年において既にプロシアは事故に対して鉄道会社に責任を負わせた。
◆古い責任法はみなどこにもある危険あるいは自分自身の不注意に基因する傷害に対して労働者を守ってくれないし、ふつう労働者はそんな手続きをする余裕はなかったが、法定に告訴した時だけそのものに損害を認めるという重大な欠点を持っていた。

◆ビスマークの社会立法とともにドイツはこの分野において先駆的な仕事をした。1883年における疾病保険法は、負傷と病気の場合13週間作業能力を喪失した賃金生活者に対し医療と現金扶助料を保証した。
◆1884年に産業災害保険法は強制保険の方式を確立し、その基金により従業員は職業性の危険に基づくあらゆる障害に対して保証されるようになった。

◆産業労働がどんなに危険であるのか、今なお毎年なんと重い生命の犠牲を払っているかを多くの人々ははっきりと認めていない。
◆アメリカ合衆国労働省の1939年の公式報告に拠れば、この年に1万8千人の労働者が死亡し、10万6千人が永久的な廃疾障害を受け、140万7千人が一時的に全くの廃疾となった。

◆法律の上で医師きめる今日の医師免許制度は中世に始まった。それはノルマン王ロジェールまで遡る。
◆国は医術の実施に責任を負い、医師の無知と無能力による危険から民衆を守った。こうして1つの型形ができて西欧側では今日に至るまで多かれ少なかれきっちりと守られた。
◆社会は医師の権力の濫用から多くのやり方で法律的に守られている。医師の診察を受ける患者は、その不注意に由来する損害に対して医師を告訴することができるという契約をする。医師が診療過誤に保険をかけるのはこれがためである。他方医師は料金の支払いにつき契約の相手として患者を告訴することができる

◆妊娠が母親の生命に直接の脅威とならない限り、法律は成長する生命を保護し、堕胎を禁じている。これはキリスト教の遺産である。ヒポクラテスの誓いにおいて述べられているにもかかわらず、古代においてはしばしば堕胎は行われていた。銀行調節の手段としてプラトンのような哲学者さえそれを進めていた。
◆堕胎の問題は重大である。ヒトラー以前のドイツでは毎年結核よりも堕胎後の敗血症によって多くの女子が生命を失ったものと推定されていた。困窮のあるところ、避妊用具を容易に入手できず、不義の出生に汚名が着せられる所ではどこでも堕胎がいつも内密に行われているであろう。
◆ソビエトの実験から学ぶことができる点は
(1)男にしろ女にしろその成員全部に仕事を保証し
(2)無料で母親と子供の世話をする医学的及び社会的施設を用意し
(3)大家族に適当な経済援助を与え
(4)求めるもの全部に行人の助言を与え
(5)不義の出産に汚名をきせない社会では、堕胎は不要であり、そして何か医学上の必要条件がなければ健康に有害として堕胎を間違いなく禁止できるということである。このような条件を実現できない社会は、多くの秘密の堕胎と多くの災難とを勘定に入れなければならない。このような場合には堕胎を公認しても、それはささやかな悪であろう。

◆いまなお多くの議論されている別の法医学上の問題は優生学の理由による断種の問題である。昔なら生存競争で負けてしまったであろうに、医学及び社会の処置が進み、種族に悪影響をおよぼす数十万の人が命拾いをした。
◆その一方では最上の身体的素質を有する幾百万の若い人々は周期的に戦争で全滅させられてしまった。このことは逆淘汰に等しいことで、その結果人類の退歩を来たすに違いない。
◆1930年教皇の大教書「貞潔な結婚」の中に最も強い告示が見られ、どんな断種に対してもカトリック教会は非常に激しい反対の立場をとってきた。したがって法律は主として新教の国々それにヨーロッパではまずスイスのボー州で1920年に制定された。
◆アメリカ合衆国では既に1907年にインディアナ州が男子法を制定した。1921年には意見と先せられたが、1927年と1931年に新しい法律が通過した。他の州でも情勢は同じであって、問題は1926年に最高裁判所にもちこまれた。裁判長オリバー・ウェンデル・ホームズの意見は非常に注目すべきものであった
◆この判決によりバージニア州の断種法合憲とされ、今日28の州がこうした法律を持っている。

◆ナチス政府によって最後に1933年に制定された法律は、30年にわたる精神医学と遺伝学の研究に基づいていた。その準備作業はヒトラーが政権を取る前に完成し、したがって多分法律はともかく早晩通過したことであろう。しかしナチス自身はその保健人口計画のはっきりと承認された基礎であった民族理論にそれを合わせた。
◆ナチス政権の所初年において25万人以上のものが断種され、多分動かすべからざる科学的証拠よりも政治上の理由から、この法律の適用を受けた人の数は60万を越したものと推定されている。
◆優生学上の断種をただ単にナチスのイデオロギーと同一とみなし、我々が現在のドイツの政体とそのやり方を好まないからといって、この問題を取り上げないのは大変な間違いであると私は思う。

◆自分が知っていることが分からずに多くのものが盗み、あるいは殺し、あるいはその他の罪を犯していることが今日の医学ではわかっている。こういう連中の心は病気の結果かき乱され、罪を犯している時正邪の区別をすることができない。
◆法律は常に平均人、正邪を弁別できる精神の健全な者に対して作られていた。精神が健全でない者は社会の外にいて、したがって法律の外であることがずいぶん前に決められた。法律の見地からすれば、人間は正気の者と気の狂った者、自分の行為にたいして責任を負う者と責任を負わぬ者の2群に分けられた。

やっかいなことに医学はいつも少なくとも半世紀は法律に先んじていた。法律というものは先頭に立って導くものではなくて後に続くものであるから、それは全く当然のことである。医学上の発見はまず医学の職業人によって認められなければならない。それから社会一般の承認を得なければならず、最後に国の法律の中に包含される。したがって法律の改正手続きは非常に緩慢である。
◆法廷において証言するよう喚問された精神科医は、専門家であれば現在の精神医学の知識に従って自分の証言をするが、一方法廷は二昔も前の言葉で考え、行動している。その結果明らかに病気である人間が死刑を宣告され、自分に何が起こっているのか知らないで死刑が執行された。
◆他方精神科医の意見では、社会に対する重大な脅威である精神の病人が、その状態が狂気という法律上の定義に合致しないという理由から病院に収容されないことがしばしばある。現実に罪を犯すまでは自由に行動することが彼らに許されている。
◆証言に喚問される専門家は真の専門家であるばかりではなく、法律上の問題に経験を有する修業を積んだ精神科医であるべきことは確かである。その上それらのものは中立であり、それを確実にするため彼らは法廷によって任命さるべきであり、関係当事者の一方によって任命されるべきではない。



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サイゼリヤ革命 出口芳生 3 ラスト

前回
その2


第7章
◆人間てのは自分が大切だから、何かにつけて物事を自分に都合よく見てしまう。嫌だなあと思うのも、自分にとっては損になると感じているからそうなるのであって、だから、すべての原因は自分のものの見方にあるというのがわかった
◆インダストリアル・エンジニアリングの手法で生産性を上げようとしてるわけだけど、観察・分析・判断するための一番の方法は、できない原因、ダメな理由を外の要因にしないこと。効率の上がらない原因は、自分の考え方が違うってこと
◆世の中は原因があって結果があるという因果関係で成り立っている。さらに、その結果が原因となって結果を生み、その結果がまだ原因になる。世の中が変化しながら先に広がっているわけです、これは宇宙が膨張しているのと同じこと

◆経営者がよくお客様のためという言葉を口にするが、それが心の底から出ているのかどうか、実は社員はよく見ている。経営者の言動に少しでも自分や会社のためといった欲を感じたら、お客さまのためというのは、単なるお題目にしか映らない。社員の行動もそれに準じたものになる。
◆頭のいい人は自分たちの被害を抑えるためにいろいろ考えるんだろうけど、そんなことすると、逆におかしくなる。メーカーが作ったのだからとかは関係ない。自分たちの管理が悪かったってこと。
◆社員には、会社を守るな、お客さんを守れ、と。それで潰れるような会社だったら、潰れたほうがいいんだよ。
◆フードサービス業を含めサービス業が今、厳しくなっているのは、お客のニーズに即した変化への対応が遅れているから。大変革が求められているのに、いろいろなしがらみや制約があるためになかなか進まない。だけど大震災で全てがリセットされた。被災地に新たな街が生まれ、人々が住むようになると本当に生活に必要なものを扱う店、つまりチェーンストアができていく。チェーン企業が伸びるチャンスなんだ。

第8章
◆川崎進一の著書には、ビジネスとは、世界一利子の高い銀行に定期預金をした時の金利の3倍の利益がなければならない、とあった。確かに、投資額に対する利益率が銀行金利と同じレベルにしかならないのであれば、銀行に預けておいたほうがいい。ビジネスの場合、次の投資や人を育てることを考えなければならないわけだから、少なくとも金利の3倍の利益を出せなければ継続できないことになる。
◆サイゼリヤは、飲食店では悪立地といわれる場所や撤退物件など、家賃や保証金の低い物件を狙い撃ちしながら、店数を増やしていく。提供しているものに価値さえあれば、どのような場所であろうが、お客が来てくれることが分かっていたからだ
◆日本のSCは基本的に大商圏型なので、来街は週末に集中する。したがって週末はいいが、平日は大苦戦というのがSC内飲食店の常である。だが、サイゼリヤの場合は、SC内従業員の需要という基礎票があるので、平日も安定した売上を確保できる。以前の店舗の何倍も売れるのは当然なのだ。
◆最初は誰も相手してくれない。それでも正垣は正面突破を繰り返した。少なくとも200店以上は店を出すから一緒に大きくなろうと訴え続けた。

◆外食チェーンの工場設置の目的は、店舗の作業を肩代わりして生産性を高めること、それから品質の安定化を図ることの2つだ。原価が下がるのは、購買の集中化によるコストダウン効果に過ぎない。
◆効率化うんぬんと言われることが多いが、その前に子、数字の出所を1つにすることこそがもっとも大事な役割
◆生産性が独り歩きしていた。売り上げが下がっても、人を減らせば生産性は維持できる。そのため、人減らしに走る店長が出てきた。その結果、現場の人間が無理をすることになり、サービスの品質もクリンネスも落ちるし、モチベーションに関わるサービス残業も起こしていた。生産性の数字には現れないすぐに問題が続出していた。

◆R&Dは企業の継続的な成長を促す仕組みに不可欠な因子。製造業に創業から100年、200年経っても成長を続けている老舗企業があるのも、R&Dに多大な労力と予算を注ぎ込んできたから。業績が厳しくなろうと、投資しないし続けなければ先は見えてこない。実際R&D予算を抑えたところはいずれもだめになっている
◆外食はある意味で、メーカーの技術力によって支えられてきたのである、マクドナルドは世界最高の販売システムを持っているし、食材の供給元であるメーカーに対する力も圧倒的だが、食材の製造そのものはメーカーに頼らざるを得ない
◆メーカーの製造技術と製造能力を具備するマス・マーチャンダイジングシステム完成させた、真の意味での製造直売。サイゼリヤは、そこに向けて成長を続けている。

第9章
◆うまくいかないのは欲を出しているから。欲をなくしてあるがままに観察しないと自然の法則は見えてこない。原理原則からいえば、価格と品質、そして利便さが揃っていなければFFSは売れない。その法則が見えていない。内装がどうだとか言ってるけど全然、関係ない。欲が我々から消えない限り、できない
◆損しているじゃないかと言われるけど、僕らのビジネスの目的は、お客さんに喜んでもらうこと。喜んでもらえたなら、まずはよしとしなきゃ。
◆もし、FCや合弁で進出していたら、原価割れするまで価格を下げるなど剛腕は振るえない。パートナーが反対するに決まっているからだ。逆に大繁盛したら、パートナーは「これだけお客が入るのだから、値段を上げて儲けを増やそう」と言ってくるかもしれない。
◆安くすることで、店数を増やし、現地の人たちに喜んでもらうという本来の目的に向かってまっすぐ進むためには、独資で進出するしかありえないのだ。




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2016年11月24日木曜日

予算編成の流れについてよく分かるリンクまとめ

政府予算の閣議決定まで、
通例ではあと丁度1か月、
ということで、こんなまとめ記事です。

このリンクをざっとさらえば、
政府の予算編成について流れがよく分かります。

「あれ、いつ頃予算って決まるんだっけ?」
というそこのあなた!

以下のリンク見てみて下さい。
だいたい10分くらいで分かるはずです。

ちなみに今の財務大臣は誰か即答できますかぁ~?
しっかり勉強しましょう。


〇流れを把握するためのリンク
◆ 毎年およそ100兆円 国の予算編成の流れは?
https://thepage.jp/detail/20131224-00000006-wordleaf

◆2015年度予算案が決定、今後の流れを確認しよう
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO75366460X00C14A8000057/

◆国の予算は、どうやって決めるの
https://kids.gakken.co.jp/box/syakai/06/pdf/B026215080.pdf


〇最近のニュース(流れが分かった上だと、見え方が変わりませんか?)
◆子育て介護・研究に配分 政府、予算編成方針案示す 11/21
http://www.sankei.com/politics/news/161121/plt1611210041-n1.html

◆来年度の予算編成 基本方針の原案判明 11/19
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161119/k10010774671000.html


〇流れを把握した上で、チェックしておきたい重要なリンク
◆平成29年度予算(概算要求で、いかに厚労省がでかい予算を扱っているかを見ましょう)
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/index.htm

◆内閣府 予算編成の基本方針(これが29日頃閣議決定されます。)
http://www5.cao.go.jp/keizai1/yokihoushin/yokihoushin.html

2016年11月23日水曜日

「武見太郎」まとめ その7 ラスト

ラストです!

前回
その6

◆引退
・昭和55年 胃がんにより手術
・昭和57年 会長選挙において、考え方の近い宮城県医師会長亀掛川守を推すが、長野県医師会長花岡堅而に敗退(武見時代の終焉)。
・昭和58年 死去

◆日本医師会長 歴代在任期間トップ3
1位 第11代 武見太郎 25年
2位 初代    北里柴三郎 15年
3位 第2代  北島多一 12年

◆武見ってどんな人だった?
・開業医は病院を持つよりも、地域医療を大切にして、必要な患者だけを医師会病院などへ入院させ、あとは往診などによって、地域の家庭医として貢献すべきだ、というのがかねてからの武見の持論であった。 (三輪和雄)
・武見はいかにも哲学があるようなことを言うが、本当は“欲張り村の村長”の代表で、その主張をオブラートに包んでいただけだ。(舘林宣夫、技官、環境衛生局長、医療課長)
・武見の言っていることは、よくわからないことが多いが、彼の言う組合健保と政管健保を廃止して健康保険を一本化するという考え方は私は正しいと思う。ただ、武見に“それはどういう手順でやるのか”と聞いても“それを考えるのは厚生省だ”と言うだけだ(和田博雄)
・武見太郎の25年にわたる“闘い”を見ていて、ちょっとうんざりさせられるのは、武見がいつも医療の原則論を主張して、自民党は結局それを飲んで、いちおうの結末を迎えるが、自民党はいっこうにそれを実施しようとはしない。何年か経つとまた武見が同じことで怒る。その繰り返しのように思える。・・・武見が主張していることは、いつも同じなのだ。(水野肇)

◆武見の特徴(と言われるもの)
・反官僚
・パターナリズム
・人脈
・強烈なワンマン
・独自の生命・医療観と理論
独自の地域医療観や教育観を持っていた一方で、それらを実現させるために必要な医師会長(欲張り村の村長)の座を維持することとの間に葛藤があったのではないか。



参考文献
       

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「武見太郎」まとめ その6

前回
その5

今回の記事は、武見太郎関係の出来事についてですが、
主に島崎謙治「日本の医療」からのまとめが多いです。
本はサイドバーに⇒⇒⇒

皆保険前後の制度史的な話なので、
割と実用的な記事かな?
少しずつでもご覧ください。

↓それではどぞ


◆診療報酬関係 1
・医療制度のあり方をめぐって各種の審議会や委員会で議論が繰り広げられる
 -保険診療は公的医療保険制度の枠内にある以上、規格診療とするとともに保険医に対する規制も強化すべき(規制強化論)
 -保険医に対する規制は撤廃し、公的医療機関はともかく私的医療機関は原則として自由診療とし、患者は保険者から国が定めた標準医療費を療養費払いによって償還を受ける仕組に変えるべき(規制撤廃論)
七人委員会および医療保障委員会は基本的に規制強化論の立場
・社会保険による適正診療は一種の制約を受けざるをえない規格診療:医療保障委員会最終答申(1959年)
 -医療の本質が医師と患者の人格的な交流を基盤とする
 -「近代社会の進展にともなって、医療が多かれ少なかれ社会化していくとは必然の趨勢」
保険医と保険医療機関の二重指定制(1958年旧国保法改正)
 -診療報酬の受領等は組織体としての医療機関が行う
 -医師だけでなく医療機関の適性を確保する必要があった
 -二重指定制は今日に至るまで存続

◆診療報酬関係 2
「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(1957年)
 -結核の治療、抗生物質製剤による治療などについて、個別に治療方針・治療基準等を定める
 -日本医師会(会長:武見太郎)は、規制強化の動きに医師の主体性と専門職の自由を侵害するものとして反発(皆保険実現により保険診療が圧倒的ウェイトを占めるようになった)
 -保険診療の内容については、1960年代には規制が撤廃される
  ■抗生物質の使用基準が大幅に改正(1961年)
   @抗生物質ごとにその使用製剤が掲げられていたが、薬価基準に収載されれば自動的に使用可に
   @抗生物質および関係製剤の使用順序の規制が廃止
  ■副腎皮質ホルモン剤の使用基準が大幅に緩和(1961年)
  ■「結核の治療方針」が全面改正(1963年)
   @化学療法におけるストレプトマイシン等の三者併用の適用範囲の拡大
   @試用期間の延長等の大幅な規制緩和
 -医学の進歩に即応し、保険医療の改善を図れる一方、医療費の増加、保険財政悪化の大きな要因となる

◆診療報酬関係 3
・診療報酬を巡る激しい対立
 -新医療費体系
  ■GHQサムスの指示により設けられた臨時診療報酬調査会(1950年)が「物と技術とが不可分の形をとっている診療報酬を物と技術の報酬に区分して考えるべきである」と答申したことが発端
  ■技術料が薬事料や注射料等の一部になっており、高い薬を使うほど高い収入が得られる仕組みとなっていた診療報酬体系を、技術料、人件費、諸経費、薬代に分け技術料を正当に評価する目的
 -原価計算の必要性
  ■厚生省が医療機関のコスト・収支状況等の調査等を行う(1952年)
  ■これを基に診療報酬改正案を作成し中医協に諮問(1954年)
   @日本医師会が反対
    ^診療の難易度に対する考慮がない
    ^総医療費の枠にとらわれている
    ^本音は、投薬の多い開業医の収入が減少すること(?)

◆診療報酬関係 4
・甲表と乙表の二本建てからなる新点数表が定められる(1958年)
 -甲表
  ■医師の技術を重視する観点から手術等の点数を高くする
  ■投薬などの点数を低くする
  ■初診や入院の際の投薬料や検査等は初診料や入院基本料に含める
  ■国公立病院や公的医療機関が多く採用
 -乙表
  ■投薬料・注射料について使用薬剤の価格に関わらず技術料は定額(物と技術を分離)
  ■他は従来の点数表通り
  ■開業医や中小病院の多くが採用
・診療報酬の改定プロセスと中医協
 -中医協における診療側の代表権問題
  ■日本医師会は強く反対、日本病院協会は賛成⇒診療側同士の対立
 -諮問方式と建議方式
  ■厚生大臣の諮問に応じ中医協が審議し答申するという諮問方式がとられてきた
  ■建議方式に変更(1967年)
   @諮問の範囲・内容に拘束されない議論
   @医師会と支払側(健保連や総評)のイニシアティブの取り合い
   @医師会のイニシアティブがなくなったためメリットがなくなる
   @諮問方式に戻る(1973年)

◆診療報酬関係 5
・日本医師会によるスライド制の導入要求
 -スライド制
  ■医業費用を1)医師給与、2)医師以外の医療従事者給与、3)医薬品を除く物件費に分ける
  ■1)は1人当たりGNP、2)は雇用者所得、3)は消費者物価指数に連動させて伸ばしていく
  ■単価(P)×量(Q)のPだけに着目しており、当時はQの自然増が大きかった(人口増、受診率増)
 -保険医総辞退(1971年)の収拾に際し政府と取り交わした
 -シンプルなので、改定幅を確実かつ迅速に決めるのに都合がよい
-1974年改定以降、実質的にはスライド制の考え方が取り入れられた(明確なルールとしてはない)
 -スライド制の見直し(1981年)
  ■医療機関のコスト増から医療費の自然増を差し引けば足りるという考え方が採用される(自然増控除方式)
・診療報酬の地域差撤廃
 -全国を3つに区分(1944年)
 -甲地(6大都市とその周辺)と乙地(その他の市町村)の2区分(1948年)
 -新医療費体系導入後も、甲地と乙地では、甲表では5%、乙表では8%の地域差
 -厚生省は国保財政への影響を懸念して地域差撤廃に反対
 -医療機関の都市部偏在を助長する要因は廃止すべきという声が高まる
 -保険医療問題懇談会の了解事項に撤廃が盛り込まれる
 -乙地の診療報酬を甲地並みに引き上げることで撤廃され今日に至る




参考文献
       

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2016年11月20日日曜日

「武見太郎」まとめ その5

前回
その4


◆医師優遇税制
・昭和23年以降、インフレ下においても診療報酬単価が据え置き。
・経済の混乱期で保険財政が赤字のため、診療報酬の支払が滞る。
・公共工事や政府購入物の支払の遅れには「支払い遅延防止法」で、遅延分の利息などが補填されたが、診療報酬に対してはそれがなかった。
・吉田茂宅に来ていた池田勇人蔵相(昭和26年当時)にこの不満を述べたところ、医療の公共性を認めた上で税の軽減を提案される。
・これに基づき約70%を必要経費とみなし、25-30%に対して課税することが閣議了解(大蔵省によると昭和47年度分で開業医の実際の経費率は診療報酬の50-55%)。
・自民党や税制調査会、大蔵省ら廃止論者との議論を続け、昭和54年に廃止。
 ⇒その後20年間この「悪法(※大蔵省や税調を皮肉った文脈で 塚崎注)」が続いたということは、社会的にも存在意義があったからだと私は信じている。(「聴診記」より)
  
・当時の医師会長は谷口弥三郎参議院議員
武見は「医師の公共性」を吉田と池田に説明して納得させた。しかし、著書に以下の様な記述がある。
 彼(谷口会長)は、医業の公共性という問題については全くふれずに、診療報酬がまともに払えるようになるまでということを、しきりと吉田総理に頼んだそうである。・・・私は谷口さんに対して、「あなたの考え方は将来の医師のモラルに禍根を残すことになる。診療報酬が適正化されさえすれば医師はそれでいいのか、私は全く反対である。」と、強硬に抗議をした。しかし、彼は、自分は大多数の医師がそれを望んでいると考えるからそういったのだといって自説を曲げなかった。・・・医師会を得るような国会議員を医師会として送るべきではないと、そのころから痛切に感じていた。谷口さんがもしも「医業の公共性」を認めていたならば、今日の診療報酬のあり方は、よほど違ったものになっていたと思う。(「聴診記」より)

◆日本医師会会長へ
・東京都医師会長の黒沢潤三、その次の東京都医師会長の小畑惟清に敗れた後、三回目の会長選で医師会長に当選(昭和32年)。
・会長以下役員の厚生省への挨拶を禁止。
 - 保険医の二重指定決定への報復。
 - 理事の厚相との個別の関係を断つ(ワンマンプレーへの布石)。
 - 神田博厚相(武見とは旧知)からの面会を引出し、二重指定について政令や省令の手直しを妥協の条件とする。

◆医療金融公庫
・昭和35年発足(岸内閣)。
・病院医療と開業医や保健所の活動を有機的に結びつけていく。⇒病診連携
・医師会病院を建設し、開業医を家庭医として、地域サービスを通じて病院と密接に結ぶ。
・公庫の金利を市中よりきわめて安く抑え、各地での医師会病院の建設を奨励する。
・個人の病院の増築などにかなり融資された。(⇒本来の武見の目的とは少しずれた)
・医療金融公庫は後に、社会福祉事業振興団と合併し、社会福祉・医療事業団になる。その後独立行政法人化し、現在の福祉医療機構(WAM)として現存している。



つづき
その6



参考文献
       

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2016年11月17日木曜日

サイゼリヤ革命 出口芳生 2

前回
その1


医療の世界でも、「人は誰でも間違える」以降、
原因を人に求めるのではなくて、
器具の置き方、動線、勤務形態などミスの起こらないシステムを構築を目指すことが行われています。

企業というのは組織として動く以上、
どうしても人材は玉石混合になるもの。

それを標準化するためにはシステムが必要不可欠ですし、
システム化する過程にはトライ&エラーが不可欠です。
エラーの重大さを攻撃するだけなく、そこから何が学べるか、
どうシステムに生かせるかということを常に考える必要がありますね。


第4章

◆みんなできないって言ってたけど、投資して絶対にやるんだと言う意気込みで取り組めば、必ずできるものだ
◆当時、日本人が誰も足を踏み入れたことのないような田舎の村まで分け入った。だが、すぐに取引を始めることもなかった。その前に、お互いを理解するために十分な期間をとった。こうした積み重ねが今のサイゼリヤの基礎になっている。

◆それまで商社経由で仕入れていたスパゲッティーの上代はキロ270円だったが、直輸入に切り替えると同130円と半額以下になった。
◆日本で高級食材と言われているものも現地では、それほど高いものではなく、商社がいかに高い粗利を得ていたかが浮き彫りになった。
◆ビニールハウスは、全て日本製にすると7.2メートル× 45メートルのハウス1つで500万円ほどかかるが、韓国製資材を利用すれば建設費は55万円程度と10分の1で済む。投資が下がれば損益分岐点も下がる。一棟あたりの売り上げが同じでも、利益は出やすいということになる
◆サイゼリヤの農場は、外食業が言う自社農場の次元をはるかに超えている。サイゼリヤが言う農場とは、農産物を作るだけではない。開墾に始まり品種改良に至るまで、農業のほぼすべてを実験、検証、実践する場所なのである。
◆農業生産者ってどこかの産地が災害で全滅すると、自分の作物が高く売れると喜ぶし、豊作だとこっちの実入りが減るからと、そうならないように祈る。今の農業のような見込み生産だと、誰かが行困ると誰かが喜ぶと言う仕組みになっているんだ。そんなのおかしいじゃない。豊作は生産者も消費者も一緒になって喜んだ方がいいに決まっている
◆白河高原農場では、社員、アルバイトとも、その日一日で行ったすべての作業を日報としてまとめ、提出することを義務づけている。これにより、誰が何の作業を、何を使って、何時間行ったのかを把握することができる。つまり圃場の人事生産性が算出できるし、どの作業を改善すればいいのかも明らかになる。

第5章
◆正垣は人と争うことをよしとせず、近所にトンカツ屋ができた時、人気メニューだったカツも外したほど。それだけに、それぞれ他社のやっていないことを追求することで共存共栄を実現し、選択の幅の広い豊かな社会を目指すチェーンストア理論は、自分の考え方に共通すると感じていたようだ。
◆渥美先生の言ってる事はわかるし、調査の手法にも感心するんだけど、ペガサスクラブはアメリカ一辺倒だったから、ヨーロッパに目を向けている自分たちとはちょっと違うかなと思っていた

◆経営管理の仕組みに関する関所には何度も突き当たったが、うまくいかないのは方法が間違っているからだと考え、手術を施すという取り組みを一貫して行ってきた。同じテーマにここまで取り組んでいる会社は他にない
◆ある時点で標準化ができたと思っても、それはその時点における適切な標準化にすぎず、規模が変われば標準も変わる。過去にとらわれていると逆に標準化ができなくなる
◆サイゼリヤは技術的な壁に突き当たっても、そこから逃げることなく、こつこつと自らの技術を高めることで乗り越えてきたが、それを嫌って逃げる企業もある、と渥美は指摘する。
◆品質と価格を追求していくことで、ニーズの多様化など軽く乗り越えられる価値を築くことができるのだ。本来なすべき努力を放棄して、安易に新業態に手を出すから、渥美に「あの手この手」と切り捨てられる。
◆数字が思うように伸びなかったり、客数が減っているのは、仕組みが間違っているからであり、常に反省しつづけなければならない

◆経営とは、つまるところ改善の継続である。商品問題や人材問題、財務問題など、ビジネスを遂行する過程で生じる問題の原因は、どこにあるのかを見極め、仮説を立てて改善策を講じる。うまくいかない場合は、なぜ上手くいかなかったのかを追求し、その反省を下に新たな改善策を考え、解決を図る。
◆我々の理念の徹底度を増すことが、サイゼリヤのビジネスの目的なんだ
◆ビジネスを通じて正しく生きているかを常に考えていくことが大事になってくる。ビジネスを道具にして自分を鍛えていきたい、というのが我々の考え方

◆経営理念の徹底を図るとすれば、チェーンストアの原理原則に忠実にならざるおえないのだ。そうでなかったところは行き詰まる。これは経験法則上からも明らかなのである。だから、サイゼリヤ経営には迷いがない。何かあったら原理原則に戻ればいいと皆が理解してるのだ
◆僕はお客さんに喜んでもらうためにやるのが当たり前になっているから、みんなもそうだろうと思い込んでいた。だから、伝える仕組みを考えていなかった。僕らが生産性を追求したのも、実は理念の為だったのに、それを現場で伝えられる人がいなくなり、目先の生産性に縛られるようになった
◆会長と一緒に働いたと言う人間を30代前半に1グループ作りたかった。今の取締役部長たちと同じように、会長と一緒にやったと言う経験を積ませることで理念部隊に育てたいんです

◆生産性を追求する理由の1つが、不器用な従業員でも困らないようにという配慮だったように、人間とはそういうものなのだから、なんとか仕組みでカバーできないかと正垣は発想する。
◆当時、正垣が疑問だったのは、飲食ビジネスの利益率の低さである。その頃銀行で金利より低い利益率なら、預金したほうがマシなのに、なぜみんな飲食店をやるのか。
◆調べてみたら脱税で成り立っていた。自分の車を買うのも経費化して利益を抑えていた。でもそんなことしていたら会社を大きくならないし、人も育たない。ちゃんと利益があってこそ、教育費を注ぎ込むことができるわけだから。だったら、税金をたくさん収められるような会社にしようと思った

◆経営は経営管理にであり、経営管理とは人が行う。経営とはすなわち人なのだ。したがって、良い人材を集めることが重要になってくるし、経営者はそのことを365日考え続けなければならない。
◆上に立つ人間が現場の作業をマスターしていないと、組織は正常に動かない
◆数値責任とは、売り上げをアップすることに対して責任を持つことではなく、あるべき数値に向けてコントロールすることだ。店舗で言えば売り上げをアップさせるのではなく、作業改善することでコストをコントロールし、必要な営業利益を加工することが、店長の数値責任となる。
◆スカウト人事はプロパーとの間にぎくしゃくした関係を生みやすいと言われている。だが、サイゼリヤにおいてそれはない。というのもプロパーに理念が染み込んでいるからだ。スカウトは自分たちの会社に足りないところがあるから行われるわけで、必要なところに必要な力を持った人材が配置されることが、理念に近づく道だとわかっている。だからぎくしゃくなどしていられない。むしろスペシャリストの技術や知識を学べる機会が来たことを喜んでいる

第6章
◆サイゼリヤは日本の外食産業として初めて本格的にエンジニアリングに取り組んだ企業である。エンジニアリング、すなわち物事を数値化していくためには、数学的な思考が要求される。サイゼリヤでは、そのための教育トレーニングが行われているが、その第一歩は給料が払えないゆえの苦肉の策だった
◆普通の頭なら他のレストランの売れ筋を調べるが、正垣は食品の中で何が伸びているのか、注目されているのかを調べた。最初に浮かび上がったのは、味噌とニンニクと唐辛子。テレビではやたらと味噌のCMが流れていたし、ニンニクは戦後一気に消費量伸ばした。また、その頃、痔が流行っていてその原因として唐辛子が挙げられていた。

つづき
その3



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2016年11月14日月曜日

現代広告の心理技術101

ちょっと想像してみてください。

あなたは美容院の社長です。
集客は主にチラシと紹介。
1人で美容院を運営しています。

4ヶ月前
あるチラシを打ちました。

ポスティングに5000枚。

自信満々。
「これならお客さんが殺到するだろう」
と思い作成。

チラシを出した日
電話が鳴り止まずに
仕事の邪魔になるんじゃないか?

予約が入りすぎて
1人では回せなくなってしまい
せっかくチラシで来てくれた人を
断らないと行けなくなってしまうんじゃないか。

お客さんがたくさん来ることを
想像して楽しみにしていたが

一ヶ月たっても電話は来ない。
新規のお客さんも
今のお客さんからの紹介だけ。

貴重なお金を捨ててしまった。

次のチラシも失敗したらどうしよう。。。

でも、今は違います。

チラシを打てば
チラシの費用を回収できるくらいの
お客さんが新規で来店。

リピートもしてくれるので
次回来店時から利益に直結。

お金にも余裕が少しずつできて
休みの日にセミナーに行ったり
ちょっと良いレストランに行ったり。

今日のあなたは4ヶ月前の、
「チラシでお金を失うのが怖い」
という気持ちとは違います。

チラシを打つと新規客が
ある程度来ることがわかっているので
安心してチラシを打つことができます。

さて、
この4ヶ月の間で何があったのでしょうか?

チラシをどんなふうに変更したのでしょうか?
何を書いたのでしょうか?
どんな「心理」を突いたのでしょうか?

ーーーーーーーーーーーーーーー

自分で事業を始めて、広告の勉強をしてから、
ポストに入ってくるチラシが全て勉強の教材になりました。

良いところ、悪いところが分析できるようになりました。
そして、それが自分の資料やパワポ作り、
プレゼンへの勉強材料になっています。

私の住むマンションには、チラシという勉強材料が、
無料で、しかも毎日毎日入ってきます。

業界によるチラシの特色(パチンコとか分かり易いです)、
予算のかけ方、見出しのフック...etc

「気付き」ということがいかに大切か。
視点を更新していきましょう。


現代広告の心理技術101

2016年11月13日日曜日

サイゼリヤ革命 出口芳生 1

先日参加させていただいたいちうらとい市川浦安地域の同友会では、
市川市本八幡がサイゼリヤの創業の地ということもあるが、
サイゼリヤ創業者の正垣泰彦氏を経営者の師として仰ぐ方(その方々も実際に自分で経営者として成功されてる方)が多い。
しかもこの方々は、経済的成功だけでなく社会的な志がとても高い方が多い。

キーワードとしては、
・正垣会長
・チェーンストア理論
・サイゼリヤ
・渥美俊一(ペガサスクラブ)

シンボリックなものを書きましたが、当然これだけじゃないです。
設備投資など経営に必須の考え方について、
通年で繰り返し繰り返し、地道に骨太な勉強会をされています。

ということで、参加者の方々にメンターの役割をお願いしつつ、
おススメ頂いた本を読み始めました。
まずはサイゼリ正垣会長さんのサイゼリヤ経営哲学について書かれた「サイゼリヤ革命」から。

一覧はこちら。
中小企業家同友会


正垣会長の発言と作者の分析が混ざってますが悪しからず。

第1章
◆サイゼリヤはなぜこれだけ安く提供できるのか。その答えは簡単だ。安くしようと努力し続けたからである。
◆この価格ならこの品質とこの価格なのにこの品質では大きく違う。前者は簡単だけど、後者は難しい。これを実現するにはサイゼリヤや鳥貴族のように、長年にわたって怠ることなく努力を続けていかなければならない。

◆同じものがだったら安い方が良いに決まっている。それで3割下げたんだと来ない。じゃあ、5割だと言って半額にしたのに、まだ来てくれない。それで7割引にした。

◆正垣によれば、速度が見る場所によって変わってしまうように、価格もそれを受け止める場所によって変わると言う。例えば、イタリアでは200円と言う価格が一般的な商品も、極東の島国でフランス料理を中心に西洋料理をとらえてきた日本人の目には2,000円とか3,000円とかに移ってしまった。
◆日本のイタリア料理店の価格は現地の10倍とか20倍になっていたのだが、正垣はイタリアの食文化を体系ごと日本に持ってこようと考えた。価格も、イタリア人が普通だと考えている価格にしなければならない。これが正垣の価格戦略のスタートラインになっている。

◆1番売れるって事は、1番喜んでもらっていると言う事だから、それを安くすればもっと喜んでもらえる
◆お客さんが喜ぶ事だから、逆に最高なんだよ。お客さんに喜んでもらうことが、チェーンストアのビジネスにおける優先順位の大地であって、利益を出すことが1番じゃない。
◆ドリアの価格にしか魅力を感じないようならば、ドリアに注文が集中して客単価は下がる。逆に、この価格なら他のメニューとコーディネートできるという価値を感じれば、注文品数が増えて客単価はが上がる。

◆店が増えればと小商圏化する。つまり日常化するわけだけど、日本人にとってはワインはまだそういう飲み物になっていないし、敷居が高いと感じる人もいる。たから、家の近くにあるサイゼリヤでは、飲まないと。それはわかるんだけど、僕としてはなんで売れないんだと。「だったらこれでどうだ」という考えが、この価格にはある。
◆レストランチェーンとしての力をつけていくことで、着実に価格を下げてきた
◆僕らはいくら難題であっても、それが大事なことなら逃げずに取り組む。誰もが避けていると言う事は、その難題に取り組むことが、そのまま差別化になる

◆原油高騰による輸送費アップとかのコストプッシュ要因くらいでネをあげるわけにはいかない。そうならないように、工場を始めとする投資を続けてきた。
◆これまでは利益度外視で行う価格引き下げもあった。正垣はまずお客さんが喜ぶこと優先だから、その後、利益ができる形に持っていくと言うことがしばしばだった。

第2章
◆食べ物の価値は、おいしさが価格を上回る事だから、仮に品質が変わっていなくとも、価格が下がるにつれて価値が大きくなっていく。サイゼリヤは常に素材の品質を高める努力を続けている。価格が下がるたびに美味しく感じられるようになるのはそのためだ。
◆他のチェーンに比べるとサイゼリヤは会計時にがっかりすることが少ない。価格構成的に過度な期待を抱かないし、その一方、その価格から想像するレベルを上回るおいしさがあるからだ。
◆不思議なことに外食産業にはおいしさの定義がない。美味さを科学として捉えているレストランはないと言っていい。それで我々は、おいしいとはどういうことなのだろうか、と考えることから始めた

◆サイゼリヤの料理は基本的に、ワインや前菜、フォカッチャなどと組み合わせて食べた時に、1番美味しくなるように設計されている。ファミレスのように単品で満足してもらう商品ではない。
◆サイゼリヤが想定したほどのマーケットの順応が進んでいなければ、お客はおいしいとは感じないだろう。つまり、その商品に価値を感じないわけで当然、販売個数は伸びない。アーティチョークやタラッリーニのようにメニューから消えていくことになる。
◆生産からお客に提供するところまで、全て責任を持ってコントロールすることが、サイゼリヤのおいしさに対するこだわりなのである。
◆おいしいって言われなくたっていい。食べた後も嫌な感じがしないなぁと感じてくれればいい。

第3章
◆バーチカルマーチャンダイジング:原材料のところまで遡って商品を開発する管理手法
◆労働時間とは作業の積み重ねだから、無駄な作業があればあるほど労働時間は増えていく。同時に、作業内容も簡単で楽なものに変えていけば、作業に要する時間も短縮できる。

◆1店舗の時から正垣は、生産性のコントロールだけを意識していたと言うが、本当の意味で生産性を追求し始めたのは、イタリア料理を提供しながら、価格を思い切り匹引き下げた時からだろう共通語にするために準備したのは、総労働時間の計測家厳密にしたことだ。
◆生産性の単位は、基本的には1時間なんだけど、残業代をカットしていたりしたら正確な数字を算出することができない。ただし生産性を出すためには、店長や管理職に至るまで残業を1分単位で計算して、残業代も全部支払わなきゃいけない
◆オーブンの長所は、焼き上げているときに他の作業ができるところにあるが、いちいち入れ替えていたら同時作業にも影響が出てしまう。コンベアーにはその心配がないから生産性も向上するというわけ

◆ドリンクバーは子供や友達と一緒にいたら自分の飲ませちゃうでしょ。それが人間として当然の事なんだから。でもそれをするなと言うなら、不正をしたくない人たちが不正を出しちゃうようなシステムなんですよ、普通のドリンクバーって。だから従業員も回し飲みしているんじゃないかと客を疑うことになる。
◆体は楽になったって、ストレスが溜まったら、どうしようもないじゃない。第一、お客さんだって気分悪いよね。だからサイゼリヤのドリンクバーは、回し飲みをしても構わない。いちいち客さんを疑うんじゃなくて、騙されるのはレジの所だけにしようと。
↓客からのクレームが多数来た(頼んだ人が、頼んでいないのに・・・と文句を言った)
◆ドリンクバーの後会計(自己申告制)は、サイゼリヤが世界で初めてやっと仕組みだと思っているだけど、そうじゃなくて、誰もやらなかったんだね。誰もやらないと言うのは必ず欠陥があるということ
◆例えば、床を清掃するためこれまでモップで2往復して拭いていたとしたら、モップの幅を倍にすれば1往復で済む。これでエネルギー効率は半分になるけど、まだ足りない。ゴミや汚れの発生原因を断つことができなければ、清掃の必要がなくなるからです。物の見方1つで、全く変わってくるんです

つづき
その2



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