2017年1月7日土曜日

人間における勝負の研究 米長邦雄 5

前回
その4

◆この局面では、最善手ではないけれど、状況によっては、新手としての価値を発揮するという場合がある。
◆実戦においては、常に時間的制約があるわけで、その制約を自分に有利に使うことも重要。

◆強い人ほど、形成の差の見分けを早い局面に置く。強くなれば強くなるほど、そのへんの読みはどんどん遡って前に来る
◆将棋というのは、必ず途中からとんでもないことが起こって、わけがわからない状態になるようにっているもの。序盤の研究だけでずっと見通せるつもりでいる人がいるが、それは夢物語
◆この局面ではこの手でなくてはならない、という研究の仕方は頭を硬直化させる、と私は思うのです。硬直化すると、進歩や創造はありえない

◆私は、難局になると、相手の側に立って考え、一番むずかしい手、一番結論の出しにくい手を指して、相手に手を渡すようにしています。手が広くて、わからなくなるような局面に導いていく
◆強い相手は、こちらが手を渡すと、さらにむずかしい局面になるように指し返してくる。そういう時にどう指せばよいのかというと、局面ができるだけ単純になるように持っていく。自分より強そうな人と指す場合は、できるだげ急戦で、手数の短くなる将棋にするのが、勝利へのコツ

◆実戦というのは、まず"勝つ"ことが目的。そして、私たちプロが勝つためにまず重視するのは、読みを省略する事。将棋が強い人ほど、省ける。
◆ある程度まで読んだら、今度は、相手が一番イヤがりそうな手を指すとか、目下の形勢は悪くても、とりあえず攻め続けておいた方が、あとあとよいだろうと攻めの手を放つとか、局面を混乱に導く手を指して、流れを見るとか、いろいろ、相手や局面によって指し分けていく
◆決定的に負けるとすればどこなのか、ということだけは、絶対に見逃してはいけない
◆大雑把でもいい、というのは、わずかに不利になるかもしれないが、この程度での不利にとどまれるのならば、長い目で見れば大丈夫、決定的にこちらが悪くなって、相手を撥ね返せなくなるようなことには至らない、という読みの裏付けがあるということ

◆これまでに何度も指されたようなパターン化した将棋になると、弱い人でもパターン通り指せば勝てる可能性が高くなります。つまり、番狂わせが出やすくなるのです。
◆形勢判断が正しくて、一つの局面を正しく把握していれば、飛車でも角でも切り捨てていって寄せ切れる。そういう局面ならば、一番最初に"この王様は寄る"と第一感でピンとくるもの
◆無心というような、自分の感情の入らない行き方が、なんでおもしろいのか。「オレはこうしたいんだ、こうするんだ」という、いわば、娑婆気の強い、悟りなしの生き方で、ずっと生きてきたし、これからも、それでいいのではないか、という気がしています

つづき
その6





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