2017年3月2日木曜日

厚生の指標2月号より「10代における妊娠中絶率の低下および性感染症の予防を目的とした保健事業の成果-釧路市における思春期保健講座アンケートの経年集計から-」

元々私は中絶の社会的背景などを研究していたので、
「中絶」とかフレーズが入った書籍を見ると手にとってしまう癖があります。
(こうやって書くとヤバイ奴に思われそうだが...)

ということで、図書館で見つけたので論文を読んでみた。



・北海道では従来全国平均でも中絶が多く、今回の論文のテーマ地となっている釧路管内では平成13年頃をピークに非常に中絶率が高かった。平成13年は人口1000人当たり27.9人で、全国の2.1倍
・そこで釧路市は思春期の保健対策強化に乗り出し、中高生を対象に思春期保健講座を開始したそうな
・毎年講座終了時にアンケート調査を実施。性に対する行動・意識、喫煙率、飲酒率などを調査し分析

【感想】
・まず一番興味を引かれたのは性交経験者が、男女とも半減しているということ。おそらくは、この保健事業も含めて、教育が定着しているためではないだろうか。
・そういう考えもある一方で、性に関して影響を受けたものについて、男子で「インターネット」と答えたものが平成15年1.5%から平成26年17.3%となっているというデータを踏まえると、私論だが、ヴァーチャルの世界で充足している男子が多いという考え方もあると思う。
・インターネット上での性(CD媒体でも同様だけど)というのは決して現実の人間関係に則したものではない演出が入ることが多いと思われるので、成人後にしっかりとしたパートナーとの対人関係が築けるのかという懸念がある。

・経年的な飲酒・喫煙率が激減している。これは単純に良いなと思う。常日頃学校保健等に関わっている医療従事者の方々のご苦労の賜物ではないだろうか。
・一方で、家計の金銭的余裕が無くなっているという要因も考えられるのではないだろうか。背景にある各家庭の経済状況まで探ることができれば非常に現実を立体的に表す研究になるのではないかとか感じた。

・ピル、未だ普及せず。男性主導の避妊は早く変えないと。


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