ラベル 啓発 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 啓発 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2018年2月23日金曜日

モチベーション革命 尾原和徳

kindle unlimitedで聴了。
尾原さんはモーニングクロスで時々お見かけします。

キュレーションとしては上等。

乾けない世代という理解は、自分も当てはまる部分があるし、
これから年下の方と働く時には重要な考え方だと思う。


情熱に溢れていない、ガツガツしてない人の方が多いわけですからね。

情報内容的には非常に入口の部分に留まっている感があるので、
(読者ターゲット層がそうだからしかたない部分はあると思うけど)

素晴らしいキャリアから出てくるもっと深層な哲学や、
超絶マニアックな実務の話もお聞きしてみたいですね。





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!(必ず@を入れてね)


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平


◆facebook◆
塚崎匡平

2018年2月17日土曜日

ナニワ金融道 ゼニのカラクリがわかるマルクス経済学 青木雄二

kindle unlimitedで聴了。
面白い。
マルクス面白い。
家族への思い。制度への怒り。

最後の方で、男女雇用均等の欠陥についても語っています。
それもまた、なるほど俯瞰するというこういう見方もできるのかという感じで面白い。

制度はブルジョアが作っている。
現実に目を向けましょう。

ーーー
マルクス主義を毛嫌いする人の先入観には、共産主義には自由がない、とか、国家の権力ばかりが巨大化して危険だ、というイメージがあるやろう。けれども、マルクスがいったことは、それとはまったく逆のことやった。

どんな善人でも、聖人君子でも、ゼニがなければ生きていけないのや。これは、昔からそうだったわけではない。農作物を生産する農耕社会では、ゼニがなくても、食うには困らなかった。せいぜい塩と醤油くらいを物々交換で手に入れれば、米がなくても麦やイモを食って生きのびられた。そんな社会では、ゼニ以外に大切にされているものもたくさんあった。ところが、工業化=資本主義が進むにつれて、そういった大切なものがどんどん破壊され、ゼニだけに価値が集中してきたのや。

本当は、こういう仕組みになっている。「あんたの取りぶんは、一日八時間働くうちの一時間三○分ぶんだけや。それだけで一万円の利益が上がる。残りの六時間三○分が生み出す利益は、会社が全部もらうで」こういうことなんやで。生活に必要な「必要労働」以外の時間は、労働者本人のための労働ではない。マルクスは、この労働を「剰余労働」と名づけた。「剰余」というと、たくさん労働して、それなりに見返りがあるような気がするが、これが労働者の錯覚なのや。資本家が残さず搾り取っていくものや。

「資本」というものが生まれることで、土地を持たないのに利益を上げる階級が現れた。それがブルジョア階級=ブルジョアジーというもんや。それまでの領主は、貴族階級=アリストクラシーやったから、ブルジョアジーはそれより下の階級だ。

じつに面白いことが書かれている。怠惰な労働者は、よけい時間がかかるぶん、能力が高い労働者の労働より価値が高くなってしまうだろうか、という一節や。

資本家に搾取され、さらに家主と小売り商人に有り金をさらわれている労働者が、そんな金融の利子も返せなくなって破滅するという収奪の仕組みは、一九世紀から現在に至るまで変わっていないのや。

ところが、高度経済成長の時期に、意図的に操作されたマスコミなどの情報で、「食うに困っていなければ中流」という幻想が垂れ流された。

マルクスの唯物論は、「物質的生活」、つまりその人がどんな仕事を、どういうふうにして生きているか、ということが人間のものの考え方や社会的なあり方を決めている、というものや。自分がなにを信じていようと、なにを期待していようと、その人が労働者で、資本家から賃金を受け取っていれば、そういう人間として存在するという。

マルクスの思想が持つ最大の魅力は、「強きをくじき、弱きを救う」という正義性だと思う。
マルクスは、『資本論』の中でも、子どもの過剰な労働について、怒りをあらわにしている。
最低の生活の中で、強く結ばれた家族の絆、これを破壊する資本主義、三人の子どもを奪った資本主義に対するマルクスの怒りというものは、こうした家族・子どもたちとの生活に裏づけられていたのやろうな。

資本家は、もちろん資本を集めて、製品開発して、工場を建設して、設備投資して、人材募集して……といろいろ投資してるわ。それなら、投資した元手を稼いだら、あとは剰余価値のぶんも労働者にくれるのか、というとそうはしない。せいぜい、スズメの涙の昇給やぺラペラのボーナスでごまかす程度だ。



///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!(必ず@を入れてね)


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平


◆facebook◆
塚崎匡平

2018年2月15日木曜日

ナニワ金融道 スーパー不況を乗り切るゼニの実学 青木雄二

私がナニワ金融道を一番初めに選んだのは、大学3年生の時に消費者センターでインターンシップをした時である。

当時は多重債務者が全国的に問題になっていた時期で、消費者センターの図書室には専門書と並んでナニワ金融道が置いてあった。

多重債務の相談もインターンシップ中に何件も寄せられていたので、
ブックオフで全巻を揃えたものだ。

Kindle unlimitedでこの本があったので、懐かしさ半分でダウンロードして聞いてみた。
社会で通用するようなことがいっぱい書いてある。

姪っ子が中2ぐらいになったら、全巻を送りつけよう。

---
◆要するに、ゼニを持っている人間が偉く、権力を持っている人間が偉い、いうのが資本主義社会なんや。そればかりやない。憲法にしろ道徳にしろ、支配者に都合のいいように作られていることを、なかなかみんな気づかない。
◆最近はわけのわからない殺人や暴行事件を起こす若者が増加しているやろ。社会で起こるこうしたさまざまなできごとを、どうしたら防止できるかを考えるには、これ以上論ずることができないというところまで、論議を尽くしていくことが絶対に必要になる。そうした問題の根本原因は表面的なことにはないからや。そうして考えていくと、どういう結論にいたるか。最後には、解決の方向として資本主義でいいのか、共産主義がいいのか、どちらかを選ぶようなところにまでたどりついてしまうのやないかと思う。
◆悪いヤツらほど、犯罪だと意識しながらも甘い汁が忘れられず、常にいかに人をダマしてゼニを巻き上げるか、腕に磨きをかけているんや。"悪人"のほうは、そうして学習と研鑽を積んでいるのに、"善人"のほうはちっとも用心せん。努力もせずに一攫千金を夢見たり、自分の虚栄心を満たそうとしたりするばかりで、本当のノウハウや必要知識を勉強したり、「もうダマされへんで」と学習したりすることはまったくせんのや。
◆もともと何かを克服したいと思うているヤツほど、ダマされやすい。そういうヤツは、必ず何か強いコンプレックスを持っていて、悩みを持っている。そこに、「あなたの悩みをすぐに解決しましょう」という人間が出てくると、すぐそれに飛びついてしまう。
◆もう一つ、社会のシステムで恐ろしいのは、保証人という制度や。これに関連してワシは「ワシの漫画がヒットしたのは、自民党のご都合主義教育のせいや」と、あちこちで発言してきた。実際、文部科学省の学校教育には問題がある。それは、なぜ学校教育では『保証人になったらアカンと教えないのかということや。保証人になるほど恐ろしいことはないのに、何も教えておらんのや。
◆はなっから焦げ付くことがわかっているのに、なんで気安くゼニ貸すんかというと、ゼニ貸した相手から返済してもらおうなんて思うておらんからや。ゼニ借りたときに立てた保証人から、根こそぎ取り立てればええというのが、商工ローンのホンマの狙いなんや。





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!(必ず@を入れてね)

line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平


◆facebook◆
塚崎匡平

2017年12月13日水曜日

人間の経済 宇沢 弘文

レビューでの評価も高いですが、宇沢先生の入門書として最適のようです。
考えのエッセンスがまとまっています。

宇沢先生の本色々読んだら真っ当になれそうな気がする。


本文より、
◆何とかしてに経済学が人間のための学問であるようにと願い、様々な努力をしてきました。
 結局、あまりものにならないようですが、その過程で私は1つ大事なことに気が付きました。それは、大切なものは決してお金に変えてはいけない、ということです。
 人間の生涯において大きな悲劇は、大切なものを権力に奪い取られてしまう、あるいは追い詰められてお金に変えなければならなくなることです。
◆教育も医療も、それぞれの職業的専門家が職業的なディシプリン(規範)に基づいて、そして社会の全ての人たちが幸福になれることを願って、職業的な営為に従事することだ

真っ当な人間になりたい。
そう言いつつ仮想通貨のチャートを眺める。
人間だもの。




///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!(必ず@を入れてね)

line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平


◆facebook◆
塚崎匡平

2017年11月21日火曜日

仕事は楽しいかね? デイル・ドーテン

amazon prime会員は、kindle無料。

タイトルのパンチがき効いていたので、
読んで(voice overで聞いて)みた。

スナック菓子を食べた気分。

端的に言うと、

・人生は何が起こるか誰にも分からない。
・チャンスを待つな。
・とにかく試して、変化し続けろ。
・アイデアを探せ。

かな。
重い腰を上げるのには役立つかもねぇ。

「新しいアイデアというのは、新しい場所におかれた古いアイデアなんだ」
「多くの人はアイデアは持っていない。でも考えは持っている」

この2つの言葉は刺さった。


///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!(必ず@を入れてね)


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆

文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平


◆facebook◆
塚崎匡平

2017年10月27日金曜日

友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法 石川善樹

筆者の石川善樹さんは、
何年か前から界隈でよくお名前や記事を目にするようになりました。

漠然と公衆衛生界隈の方なんだろうなと思っていたのですが、
実際どういう研究されている方かというのはしっかりは知りませんでした。

先日、日本橋ライフサイエンスビルディングで行われたシンポジウムで、
楽天の最年少執行役員の北川拓也さんが、
公演中に石川さんのTEDを紹介されていました。

北川さん凄そうでした。
https://mirai.doda.jp/series/interview/takuya-kitagawa/

その話が面白かったので、つい手に取ってしまいました。
当日の動画がコレ。
まずこれを見た方が話が早い。




本は、かなり分かり易く書かれていて、
医療関係者ではなくても全然理解できると思います。



いかんせんキャッチーに寄せた(のだと思います)分、
全体的に「ほんまでっかTV」感が漂っているのですが、


・生活習慣が同じ被験者⇒修道女
・定年退職⇒図書館⇒家⇒妻のストレス
・母親定年
・雑談の効用
・WHOの健康の定義は誰がしたか
・愚痴はストレスの再現


この辺は面白いなぁと思いました。
もう少し他のご本も拝読してみたいと思います。





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!(必ず@を入れてね)


line://ti/p/@zvf9388t

◆ブログ◆

文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平


◆facebook◆
塚崎匡平

2017年8月29日火曜日

静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話 宇野 常寛  その4 ラスト

前回

7章 落合陽一
◆コンピューターにとって苦手なことを克服させてあげて、コンピューターの存在を広める側にいる人の方が、やはりコンピューターに愛されて楽しく生きられている。これこそがITの原理だろう
◆コンピューターの存在が意識されないくらいに道具として使い倒してやれば、うまく共存できる気もする。それは、人間と機械が1つになるという話ではない。むしろ逆で、環境に埋め込まれた、それこそ酸素くらいに無機的な存在になれば、完全に支配できるんじゃないか
◆今の2Dディスプレイのような中途半端な速度と解像度では、どうしても機械のような印象を受けてしまう。コンピュータをそうと意識しない未来は、今の状況越えた先にあって、こうした視点はこの先、差し迫ったものになる

◆どうして映像が見えるのか、というところから考え直している。大事なのは、一つ一つ手を動かすこと
◆そもそも世界は変わらないという前提自体が単に鈍感さの産物であったとしか思えない。そしてこの鈍感さがどこから生まれてきたかと言うと、60年代から始まった左翼的なものの世界的な衰退に起因している
◆つまり20世紀的なイデオロギーを根拠にした世界変革以外のイメージを、人類はなかなか持つことができなかった。革命に失敗したら、あとはもうヒッピー的に、あるいは昔のオタク的に、ドラックやカルトやニューエイジに走って自分の内面をチューニングするしかなくなってしまった

◆僕らのちょっと上の世代の人々って、現実世界と仮想世界と言う区分、あるいは現実と虚構のパラダイムでむりくり考える。でも、テクノロジーは日常と不可分なほど身近なところまで落ちてきているのに、無理矢理SF調にもっていくのはきつい。
◆書物を徹底的に読み込むことで自分がすごくなっていくと思い込むような、まるで当時の文学青年のような発想で彼らはコンピューターを扱っている。ここではないどこか、もう一つの現実を求めている

◆仮想現実的な虚構感がテクノロジーの発展に置き去りにされて、既判力を持たなくなってしまったのが現在なんだと思う。僕ら自身の内面を変えるよりも、僕らと現実の「関係」をテクノロジーによって書き換える方が効果があるし、面白くなっている
◆攻殻機動隊はインターネットの時代を書いている。しかし彼が考えるインターネットは結局、「脳に電極を指す系」のイメージを引きずりすぎてしまっている。あの映画は、情報技術が発達すると人間の内面により深く潜ることができて、そして他人が自分の内面に深く潜り込むことで新しい人間像が生まれる、と言う世界を描いている

◆世紀の変わり目に情報技術のトレンドは仮想現実(VR)的なものから拡張現実(AR)的なものに移り変わっていると言われている
◆20世紀的、映画的、仮想現実的な極寒の持ち主には、自分と現実との関係をテクノロジによって書き換えていくことが社会の変革につながると言うイメージをどうしても持てないみたい。まだ表面化していないけれど、実はこれは大きな思想的対立になっていくと思う
◆映画は結局、フィルムにうつされた物体が物語を語っている。でも、僕らの世代がやるべき事は、物体が直接我々に、そして身体性を伴って語りかけてくる仕組みを作ることだと思う。それって、時間と空間をあやつることで、まさに魔法と同じ
◆落合さんの言う魔法的なテクノロジー、人間と世界との関係性に介入して書き換えるテクノロジーは、確実に現実の一部を書き換えている。人間の脳内の錯覚を生むのではなく、物体から発する信号自体を書き換えているわけだから。

◆宇宙空間に行って3次元的な空間の操作に対応していけば、人間のある1つの能力が開花するはず
◆アムロはモビルスーツの装甲越しにシャアの存在を感知する。あれは要するに、富野由悠季が未来の人類は物理的、あるいは社会的空間を無視して相手の存在にたどり着くようになるという感覚を持っていたということだと思う

◆そもそも日本の現代アート自体が、どれも弱者であることを押し出すことで勝利していると思う
◆十字架は日本人にはバッテンにしか見えない。だから僕らにはあまり思いではない。でも、こういう風に、日本人には当たり前でありながら、西欧人には強いインパクトを持つ表現というのもあり得るはず

◆ソニーはニュートラルな形で、生活を快適にする商品を世界に売っていた。日本の文化的側面の1つの特徴である「からくり」に対する造詣の深さがフルに活かされた品々
◆国家や社会というのは映画のようにバーチャルなもので、それを信じることによって巨大な社会が成立していた。しかし、消費社会や情報社会が加速すると、そのほころびが見えはじめてくる。
◆バラバラになったものは新しい装置でどう結び直すのか。そこで重要なのが、ポスト映画的なものとしてもインターネット的なものであることは間違いない。しかしその具体的なイメージはまだ誰も出せていない。





///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2017年8月28日月曜日

静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話 宇野 常寛  その3

前回

第5章 猪子寿之
◆単にコストカットと最適化だけが追求される社会なんて、憧れの対象になるわけがない。そうではなくて、理想的な世界のイメージを提出するには文化の力が絶対に必要。文化の領域でビジョンを出していかないと、人を動かすことはできない。
◆頭がいい人たちが思っている以上に、人々は「かっこいい」みたいな基準で物事をジャッジしているから、美の概念がバージョンアップすると、社会そのものもいずれ、求めていた世界に変化していく

◆お金を持った偉い人が「アートを大切にする」なんて言って、クラシックのコンサートを開いたりマネとかモネとか買ってる場合じゃない。何を支持して、何を達成したいのか。そのビジョンのために美の基準をバージョンアップすべき
◆どういう「美」を推し進めたら日本が生き残りやすくなるか。大航海時代に、ヨーロッパが武力でアジアやアフリカを植民地にする時だって、軍人や政治家だけでなく、宣教師も一緒についてた。力だけではなくて、ある種の価値観や「美」を変える仕組みをセットにすることが、昔から重要だった
◆インターネットが生まれたことで「表現すること」の敷居は下がったように見えた。しかし実は逆で、個人単位での発信が平易になると、個人間の才能の開きが露骨に見えるようにもなった。

◆場の空気が決めていることを「天皇」というキャラクターが決めたことにすることで個々人が責任を回避するための装置として機能してきた
◆コミュニティの中で実在しない人格を実在するかのように扱うこと、そしてその架空の存在、つまりキャラクターを介して個人が間接的に社会にコミットする、というのが日本の文化の本質にあると思う
◆日本のキャラクター文化って「性的なもの」と結びついている。昔から今に至るまで、セクシャルなイメージの回路を使って、キャラクターと言う感情移入装置を稼働させてきた。猪子さんの場合はテクノロジーで補っている。

◆文化を作る者には固有名詞からトップダウン的に創造されるものと、コミュニティからのボトムアップに生成するものという、二つのクリエイティビティがある。そして、この2つは大きく分断されている。
◆ジャンプが実践しているのは、作家と編集者のユニットで一旦閉じてしまって、日本の業界のどこともつながってなくていい、という割り切り。



第6章 尾原和啓
◆ここ20年の日本のインターネットの進化史をある視点から見れば、この先の民主主義のあり方だとか、共同体を作っていくための手がかりや道具がたくさん埋まっている。
◆尾原さんの「ITビジネスの原理」のなかでは、アメリカのインターネットは確かに「コストカットと効率化」が重視されているけれど、日本的な情報社会では「無駄と過剰性」を生むところにポテンシャルがある、と一貫して主張されている
◆結局、「過剰なもの」は僕たちのパワードスーツ。ある種のコミニケーション消費というか、「自分が強くある」と言う感覚を含めて、着ている気がする

◆選挙って短期戦だから、炎上マーケティングの方が効果が高い。炎上を起こして100万人の敵を作ると1万人ぐらいの味方ができて、その1万人の味方は熱量が高いから投票に行ってしまう
◆戦後の日本で言えば、農協は自民党、連合は社会党と結びついていて、田舎の農業従事者と都市の工業労働者の利益をそれぞれ代弁していた。でも社会が複雑化すると、自民党にも社会党にも自分の利益を代弁してもらえない人たちが出現し、都市部を中心とした浮動票になる。浮動票となった人たちは、マスコミによる世論形成に強く影響されて投票を行うようになる

◆ネットが社会の一部になった今だからこそ、ネットで起こったことが本当に現実社会を変えるようになる。その時一体何が課題になるのか?

◆効率化によって既得権益を壊すだけで、新しいものを生み出す量が少ないというネットのマイナス面だけを見て「ネットは悪いもんなんだ」と思って欲しくない
◆この「過剰性」をちゃんとポジティブに捉えられるようになると、楽天のように「物語を生む」ことでお金を払ってもらえるようになったりする

◆今まではコミュニティーを形成して集まったとしても、そこに集まった人たちの悩みを解決してくれる生活インフラが提供されないから、コミュニティを作る意味がなかった。◆これからは、ネットを使って彼らのライフスタイルに合った良い生活インフラを、コスト破壊して簡単に提供できるようにしてあげれば、集まる意味ができてくる

◆今までのシェアって、airbnbのように空いているキャパシティーを有効活用しようという観点からしかビジネスを作っていなかった。
◆シェアを通じてライフスタイルを群体にすることができるならば、必要とされるファイナンスサービスはこれで、ヘルスケアサービスはこれだというような形で、生活インフラを束ねたベクトルにできる。そしてライフスタイルが群体になると、政治に対しての圧力という話につながってくる
◆同じようなものを使用したいと思っている人や、同じものを必要としている人同士での連帯の可能性の方を目的にすべき

◆インターネットの良いところは「嫌な同調圧力をかけられたら他のところに行けばいい」という状況を生んだこと
◆6人のコミュニティだと空気を読まなければならないけど、500人とか1,000人のコミュニティになれば「既読をつけているのに返事をしない」とか、そういうことを気にしても仕方なくなる
◆いじめって30人や40人の規模で1カ所に集めているからなくならない。大学の大講堂みたいなところで授業やって、コマごとにメンバーが入れ替わる形式であれば、いじめなんて起こらない。起きたとしても逃げやすい。つまり、規模が大きくなると、ローカルな文脈の空気がどうでもよくなる

◆「子育てが楽しい」「子供がかわいい」とか、そういうシンプルなところで子供を作るということを動機づける以外には考えづらい。現状ではその「楽しい」というメリットの対価として、母親のキャリアが一瞬で水泡に帰すと言う大きすぎるリスクを負わなければいけない


つづく
その4 ラスト



///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2017年8月26日土曜日

静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話 宇野 常寛  その2

前回
その1

第3章 駒崎弘樹
◆政治という回路も遅いし、市民運動的なアプローチも力が弱い。であれば、自分で事業を作って目の前の人を助けて成功事例にして、それを制度化するロビイストとして振る舞うことで、官僚たちの意思決定回路に乗せて制度に接続して全体を救うと言う方程式があるのではないかと考えた
◆これまでのNPO業界は、自分たちのやっていることが現場オリエンテッドだから、国に対して「お前の机の上だけで政策作ってんじゃねーよ」と敵対意識を持ってしまいがちだった
◆もしかしたら変革のイメージと言うのは、救世主が劇的に現れてパーンと変わるよりは、いつの間にか良くなっている方がいいのかもしれないと思った
◆怒りが動機だった時は、いろいろな人を巻き込むのに失敗した。怒っている人には誰も近づきたがらないから。特に、怒る対象だった行政等は、うまく巻き込むことができなかった。でも、楽しいと思うようになってからは、巻き込める人が多くなった。

第4章 門脇耕三
◆少なくとも、スポーツ施設のみに特化したエリアを開発することによって問題が生じたという、オリンピックの歴史上の教訓が生かされている。しかし、そうした歴史を知らずに批判をしているから、今の議論はとても的外れなものになっている
◆再開発の結果生まれる新市街を実際に使っていて、文化的にも親和性の高い人たちが、オリンピックを「間」と思っていて、「電通の広告戦略になんて載せられねぇぞ」と反発している
◆逆に、テレビで「オリンピックが来ると日本の景気が良くなりますよ」と言われて「これで昭和の日本が帰ってくる」と喜んでいる人たちの住む旧市街は、はっきり言ってしまえば相対的に捨てられていこうとしている
◆旧市街はもはや文化を担う場所ではない。資本投下の対象になりきってしまった都心では、新しい文化を育てるなんてリスクでしかない。だから現在の都心では、既成の文化の二次消費的な動きばかりが目につく

つづく
その2



///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平

2017年8月25日金曜日

静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話 宇野 常寛  その1

批評誌『PLANETS』編集長である宇野常寛が、

1 根津孝太、2 吉田浩一郎、3 駒崎弘樹、4 門脇耕三
5 猪子寿之、6 尾原和啓、7 落合陽一

という次世代を担う企業家やデザイナーと対談した本。

この本を手に取ったきっかけは、
落合陽一さんの講演をyoutubeで見て感銘を受けたからです。
まずこの本が手に入ったので、これから読み始めました。

やっぱり時代を進歩させるものは技術だったりデザインで、
自分で生み出せなくても、しっかり押さえておかなくてはいけない。

駒崎さんと猪子さんはテレビなどで知っていたのですが、発言を読むのは初めてだった。
特に駒崎さんの政策化するためのリアルスティックな考え方、猪子さんの「ビジョンのために美の基準バージョンアップさせる」というのは至言。

他の方たちは存じ上げなかったのですが(会社の名前は知ってたけど)、
それぞれの分野でのこだわりや見通しがあって面白かった。
っていうかこれだけ広い分野の話を捌く宇野さんも凄い。

さて、自分は何ができるかをしっかり考えなくてはいけないなあ。

第1章
◆若者の車離れが話題に上る時、僕はいつもこう言います若者に擦り寄っても、彼らはこちらに来てくれない。まず、カッコいいオッサンを作ること、あなたがカッコよくなることから始める。
◆最適化の話をすると、まずは自分たちの生活レベルを落とすところから始めよう、という話になってしまう。
◆お客さんに本当に喜んでもらおうと思ったら、お客さんの想像を越えて行くことが絶対に必要で、それがプロダクト・アウトの部分
◆結局のところ、僕らがこういう未来にしたいと考え抜いて提案した部分しか、これからは評価してもらえない

◆トヨタは高めてきた効率が生産効率だったら良かったが、結果的には管理効率を高めていた
◆日本的コミニケーションを逆手にとってクリエイティビティを伸ばすという発想を忘れて、形だけの欧米化としての官僚組織化を行った結果、日本的ムラ社会の悪いところだけが残ってしまった。
◆ステップを踏むことに、少しずつ車に対する欲望が変化していく
◆ミニ四駆工作教室を開催していていつも感じることの1つに、「動くものが持っているカタルシス」があります。苦労して一生懸命組み立てたミニ四駆がコースを走りだした瞬間に、子供は狂喜乱舞する

第2章
◆国からしてみれば、正社員と言う制度は非常にまっとうな選択。年収を正確に把握できるので、確実に税収を確保できる。
◆雇用の流動化を批判する自称リベラルな政治家やジャーナリストは、目先のことを考えて、すぐにみんなが正社員になると時代に戻そうという主張してしまう。
しかし、本来彼らは日本の家族的で、封建的な人間関係を知る日本の企業文化を批判して、もっと自由な働き方を訴えてきた人たちだったはず。

◆クラウドワークスでは受注者が5社と契約して毎月10万円ずつもらうという形式をとっている。そうすると、たとえ1社から契約を切られても、残り4社との契約があるから、個人が強くなれる。
◆アメリカで、クラウドワークスは仲間を変えてプロジェクトを組める世の中を目指しているという話をした。すると向こうの人はその感覚はよくわからない。仕事はプロフェッショナル同士がやるものだから、仲間と言う感覚は無いと言った。
◆仲の良い男女が、ある日突然Facebookでいいねを使わなくなったら、それはこっそり付き合い始めたサイン。このようにインターネットは日本的な文脈や空気を可視化する効果がある。

◆月々2万円のお小遣いをプチ稼ぎして夕食のおかずを一品増やそうというのもアリ。正社員ではない人たちを「お前たちはダメだ」とか「あなたは搾取されていることに気づいていない!」と決めつけてしまう議論は、リベラルなようでいて、実はすごく狭量。本人たちが楽しがっていることを、きちんと尊重できていない

◆土地と文化が生き残るのに必要な人口は1,000人から5,000人で十分
◆高千穂のような街に住むのは、その土地でないと生きられない人々、特に高齢者と、その土地と文化を守る仕事に従事している人だけでいいと思う。そして彼らの安全な生活とクリエイティビティを確保するためだけに税金を使うべき

つづく
その2



///////////////////////////////////////
◆Line@ 
ブログの更新をお知らせしたり、
ブログとは別にリアルタイムで良いことつぶやきます。
直接やりとりしたり、勉強しながら、一緒に精鋭になりましょう!
@zvf9388t で検索!


line://ti/p/@zvf9388t


◆ブログ◆
文系医療の本棚~本を読んでまとめる~

◆twitter◆
文系医療チームの本棚bot 塚崎匡平

◆facebook◆
塚崎匡平