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2018年6月24日日曜日

ここ最近の医療関係これ読んどけ

ご参考までに。









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2017年10月27日金曜日

友だちの数で寿命はきまる 人との「つながり」が最高の健康法 石川善樹

筆者の石川善樹さんは、
何年か前から界隈でよくお名前や記事を目にするようになりました。

漠然と公衆衛生界隈の方なんだろうなと思っていたのですが、
実際どういう研究されている方かというのはしっかりは知りませんでした。

先日、日本橋ライフサイエンスビルディングで行われたシンポジウムで、
楽天の最年少執行役員の北川拓也さんが、
公演中に石川さんのTEDを紹介されていました。

北川さん凄そうでした。
https://mirai.doda.jp/series/interview/takuya-kitagawa/

その話が面白かったので、つい手に取ってしまいました。
当日の動画がコレ。
まずこれを見た方が話が早い。




本は、かなり分かり易く書かれていて、
医療関係者ではなくても全然理解できると思います。



いかんせんキャッチーに寄せた(のだと思います)分、
全体的に「ほんまでっかTV」感が漂っているのですが、


・生活習慣が同じ被験者⇒修道女
・定年退職⇒図書館⇒家⇒妻のストレス
・母親定年
・雑談の効用
・WHOの健康の定義は誰がしたか
・愚痴はストレスの再現


この辺は面白いなぁと思いました。
もう少し他のご本も拝読してみたいと思います。





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2017年9月12日火曜日

医と人間 井村 裕夫 他

2015年2月時点での医学の最前線ということで、
先制医療、iPS細胞、ロボット治療、トランスレーション医学、分子標的薬、医療情報システム・・・
などの概論的な話を権威の方々が説明するというもの。


敬称略
山中伸弥、間瀬博行、小泉英明、井村裕夫、会田薫子、
日野原重明、山海嘉之、 川島実、大嶋健三郎

技術に関する流れは本当に速い。
嫌になるくらい速い。


この当時から比べて、
HALも保険適用された。
ソバルディ・ハーボニーが保険適用された
オプジーボ・キイトルーダが保険適用された。
光トポグラフィーも保険適用された。
診療情報提供料に画像診断加算、電子的診療情報評価料もできた。
遠隔診療とかも・・・


iPS細胞については、本書では課題として「培養の手間」が挙げられてますが、
先日パナソニックが培養の自動化装置を出したのは記憶に新しいですね。
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00440502

まだまだ制度的に未発達なのは先制医療か。
技術開発が速いほど制度が追いついてない感。


エッジ効かせる一方で、
制度に組み込めないのには、それなりに理由があるので、
包み込むような技術開発がされればいいなあと思う。


緩和ケアに僧侶を参加させたり、
胃瘻と死生学など、そういう部分にも触れていて、
胃瘻の利点についても説明がされていて良いと思った。


最新知識ではないけど、
最新知識を仕入れる前のステップとしてはいい一冊だと思う。


亡き日野原重明先生もチーム医療で一筆。
「看護師はレベルの高い診療ができるのです。ただ医師がさせないだけ。医師がさせないのは、自分の位置を保持するためですよ、見かけ上のね。」
とバッサリ。


その裏づけとして看護の教育体系の再考についても述べられてます。

 



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2017年8月19日土曜日

文明と病気 下 シゲリスト その2

前回
その1

◆脾臓肥大は慢性マラリアの一症状であり、その恐ろしく肥大した脾臓を肝臓よりももっと容易に触れることができたであろう
◆四体液の学説をガレノス、さらにアラビア人、特に11世紀初期のアヴィケンナがいっそう発展させた
◆ガレノスは薬物を性質の違った四群に分け、各群はそれぞれ強さが四段階に分かれていた。彼の体系は医師にはっきりした指示を与えたから、アラビア医学においても西欧側の医学においても、中世に非常に広く用いられた
◆人によって血液、粘液及び黄胆汁がそれぞれ生理的に優勢を占めるものと仮定され、アラビア人はそれらをそれぞれ多血質、粘液質及び胆汁質型と記述した。これらの見解は長い間存続し、それを知らなければシェイクスピアの劇を理解できない

◆古代には科学、すなわち高度に発達した数学、物理学、天文学が存在し、また生物学において科学的な実験が行われたが、健康と病気の解釈には、科学的な手段が手元になくて、これらの現象を理解したいという望みは哲学的な思索によって叶えられた
◆パラケルススは病気の仕組みを説明することで満足しなかった。彼は人はなぜ、そしていかにして病気になるかを知りたいと思った。彼は1冊の本の中でこれらの問題を論じ、それにからパラミルム篇と言う不可解な題をつけた。それは5つの生活界すなわち健康と病気における人間の生活を決定する5つの領域を取り扱っている
◆ラヴォアジエが科学に量的な方法を導入するまでは、生理学を化学的観点で正確に説明するのは不可能であった。

◆医学は非常に徐々に進歩し、無限に多くの問題が未解決であったし、今なお未解決で残されている。これは大変不満足なことで、したがって医師は常に自分の科学的知識を哲学的な思弁によって補う傾向があった
◆民衆はいつも性急であったし、自分らの知識で説明できなかったものを説明する概念を作り出してきた。アリストテレスは生命を持っている自然物とそれを持っていないものを識別した

◆ドイツ医学は着実に、まっすぐ発展したのではない。いつもそれは一極端から他の極端へと動いた。これはその弱点であると同時に、またその長所でもあった

◆国の政治哲学がその科学に大きな影響を及ぼすことを歴史は我々に教えてくれる。医学は理性的な問題であり、したがって中世、ドイツロマン主義の時期、それに今再びファシズムの下におけるが如く、基礎となる哲学が神秘的であるときに、医学は栄える事はできない。
◆ファシスト国家において医学を崩壊から救ったものは、その帝国主義的プログラムであった。現代の戦争は高度に科学的な実験であって、医学のあらゆる手段を必要とする。
◆総力戦を準備する必要から、ファシスト医学はある程度地に固着し、神秘的な思弁の中に自己を失うことなくてすんだ。


つづく


  

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2017年8月18日金曜日

文明と病気 下 シゲリスト その1

下巻、やっとまとめます。

上巻その1
その1

上巻ラスト
その8

◆病気は人体に起こり、ある機関に局在するが、どの機関も互いに関連があって、1つの有機的な全体を形作っているから、犯されるのは常に全体である。そして体と心が1つであるから、病気は肉体的ばかりではなく、精神的にも経験される

◆多くの部族の薬物の知識は全く広範囲であった。しかしこれらの一見合理的な治療法は術的な儀式の一部として用いられたのである。薬は薬として作用したのではなく、薬を授ける儀式、それに唱える呪文が薬に病気を治し苦痛を和らげる力を与えた。

◆医学の歴史においても紀元前6世紀は、転回点である。健康と病気の本質を解釈しようと努力する医学の合理的な体系が発展した
◆合理的な医学は発達したものの、宗教的な医学、それに技術的な医学さえもが決して滅びなかった。原始的な医学の要素は皆今日まで幾百年、幾千年も生き延びた

◆自然あるいは社会の大変革時のように神秘哲学が支配しているときには、宗教的な医学と呪術的な医学が指導的な立場に立った。恐怖が理性を押し殺し、民衆は原始的な段階に立ち返り、自分を脅かしている災いを呪術の方法でそらそうと努める
◆暗示とか自己暗示がある種の病気の症状を除き得る事は疑いがない。信心、宗教上の熱烈な緊張は治療に最も好ましい心の状態を生み出す。

◆伝染性の病気であるいぼは暗示に非常に要因に反応することはよく知られている。したがっていぼはあらゆる種類の治療礼拝に非常に頻繁に登場する
◆不愉快な経験はしまい込まれるが、愉快な経験は長い間記憶されるように、失敗はすぐ忘れられ、治療が成功すると注意して記録されている。

◆キリストの時代にはどの礼拝においても病人の治癒は重要な役割を演じていたから、新しい宗教は、同じように奇跡の地位を約束しない限り、それと競争できなかった。福音書は多数の治療を物語っている。
◆時々キリストは奇跡の治療の典型的な仕草である手を触れることによって民衆を直した。
◆ペテロやパウロや他の使徒は同じ治療を行った。彼らは神の力の最も強力な実証と考えられ、異教徒の改宗に重要な役割を演じた。

◆ギリシアの医学は異教徒の技で、初期の教会では相手にされなかった。紀元前2世紀にはガレノスのキリスト教徒の学生は破門された。しかし漸次和解が生じた。
◆マリアには治療の能力があり、そのためフランスだけでも約40の教会がマリアに捧げられた。
◆聖人は漸次特定の病気の場合にその助力が求められる専門家となった。

◆宗教的な医学は新教内で各種の方法により組織され、信仰による治療の望みを強調したいいくつかの教会が現れた。その中で最も普及しているのはいわゆるクリスチャン・サイエンスで、それはメリー・ベイカー・ エディによって創始された
エマヌエル作業健康学級:この運動は決して科学的な医学に対立するものではなかった。それどころか、それは一流の医師と協力し、医師は患者を検査した後そこへ入れた。別の言葉で言えば、それは医師に代わって牧師が行い、宗教的な要素を用いた暗示を主とする心理療法であった。多くの神経症の患者がこのような方法で治り、あるいは少なくとも病状が好転した事は疑いがない

◆医学が病気を根絶すると言う目標に到達しない限り、常に奇跡を信じて宗教あるいは呪術にさえ助けを求める患者がいることであろう

つづく
その2
 

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2017年8月3日木曜日

行列のできる審議会~中医協の真実 新井裕充 その3ラスト

ラストです!

前回
その2

カッコ書きは筆者の意見ではなく、
筆者が中医協の議事録から引っ張ってきているものです。
誰が言っているかは省略するので、本を読んで確認して下さい。

第3章
◆診療所は外来医療がメインなので、出来高払いが中心。一方、病院は入院医療がメインで入院分は定額性というところが増えている。
◆「米国は確かに入院期間が短いが、米国にはSNF(Skilled Nursing Facility)という、急性期病院と非常に良く似た急性期病院のレベルの施設がございまして、そこに入っても入所日数は(急性期病院の)入院日数に換算されない。これは政治的な意図でそうされている」
◆「後方施設を充実させるということが、まさに医療を受ける側、国民の立場に立った政策の進め方ではないか」

◆後発品を使った方が差益は出るのに、大学病院はあえて先発品を使っているようだ。
◆医師は後発品を危ないモノと思っているのかもしれない
◆「後発品の納入状況を見てみると非常に価格差があり過ぎる。後発品の中で、20%を切るものもあるし、50%以上の値引きをするものもある。そういったものが医療現場に置いて同一のものとして扱えるのか?

◆「入院時医学管理加算」は、08年度改定を答申した後の医療課長通知で細かい要件が具体的に決められた。その中でも特にネックとなったのは、「退院患者の4割以上が」という基準だった。
◆そこで厚労省は「治癒」の定義を08年10月15日の疑義解釈(通達)で緩和。この後から算定施設が一気に増えた。同時に、DPC調査の治癒率も一気に向上してしまうという冗談のようなことも起きた。「治癒」の解釈をちょっといじくっただけで、凄い影響が出る
◆サラッと読んでしまうと、誰か1人の意見のように思える。しかし、これは1委員の発言ではなく、何と4人の発言を合体したものだった

◆「(保険収載されて)先進医療の点数の10分の1とかに点数が(低く)なってしまうと、結局それが試行されなくなってしまう」

第4章
◆「なんぼ診療報酬で(評価して)みても、(救急医療は)体制の整備ができていなければ何の意味もない」
◆「やはり質の向上には基本的にコストがかかるということを前提にしないと、医療がどんどん荒廃してしまう」
◆「いったん壊してしまうと、戻るには大変時間がかかる」
◆「私どもの考えは『同一の医療サービスを受けた場合は同一の料金にすべきだ』というのが基本でございます。したがって、病院と診療所で再診料が違うというのは、私どもとしては納得がいかないというのが基本」

◆病院がベッド代で稼げるということは、医療費の一部が病院へ行くということ。つまり、製薬企業や医療機器メーカーが潤わない。手術や検査を必要とする急性期病院を手厚くすることは経済界にとっても悪くない
◆「確実にこれが必要な患者さんがいらっしゃるけれども、保険適用でないので払える人が限られているから適用数が少ない。だからその装置が購入できないというようなことになると、装置を購入できる所が限られるから『普及性』がいつまでも満たされない」

第5章
◆現実問題として、医療技術や機器の高度化に伴い、技師も看護師もいないような状況で「医師の腕一本で勝負」ということは考えにくくなっている。医療安全や感染症対策のように、多くの職員が連携して取り組む業務もある。診療報酬だって保険者から病院に自動的に振り込まれるわけではなく、事務職員達が手続きをしている
都会の大病院のように医師や看護師らスタッフが充実していてピカピカの病院ばかりではない。「ちょっと出来の悪い子」も含めて全体的に引き上げることを医療界が言わなかったら誰が言うのだろうか
◆医療界が一枚岩ではないことを厚労省は良く知っている

◆厚労省の医療機能の分化と連携は、似たような病院が乱立している大都会、特に東京だけ診て日本全国を分かったような気になっていると書いたら筆が過ぎるか
◆そもそも医療の質とは何なのか。厚労省も明確に定義していない。「効率化」「標準化」「透明化」などを総合して「医療の質」を考えているようだが、具体的内容はいまだ見えない
◆全国8700近い病院のレベルは様々。大学病院のように高度な医療を目指す病院もあれば、院内の医療安全対策などが不十分な病院もある。出来の悪い病院には、全国一律のマニュアルが必要だと考えているのかもしれない

◆長期入院の患者が多い慢性期のベッド(療養病床)は医療費が増える温床になるので、減らせばいいと厚労省は考えている。慢性期病院からどんどん追い出して自宅で療養させれば、ベッド代や光熱費などは自己負担になる





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行列のできる審議会~中医協の真実 新井裕充 その2

前回
行列のできる審議会~中医協の真実 新井裕充 その1

第2章
◆04年の中医協汚職事件をきっかけに発足した「中医協のあり方に関する有識者会議」がまとめた報告書。現在の診療報酬改定はこの有識者会議の報告書をベースに行われている。
◆議事運営の多くは法律上の根拠がなく、これまでの慣例に従っている。官僚がシナリオを書き、座長がその意を汲んで議事を進める。これは中医協も社保審も変わらない。しかも委員は厚労省が選抜した人たちで固められている

◆審議会の目的は、官僚の考える政策を法律や予算に反映すること。審議会がお墨付きを与えることによって、法律の執行機関に過ぎない巨大な法創造機能を持つことを容認されている。
◆この資料は別用途に集められたデータを流用して作られたため、「捏造」と批判が集中、さすがに担当の課長補佐は左遷されるに至ったやに聞く。
◆「中医協改革」の結果、中医協は権限を縮小され、改定率の決定が「内閣の権限」とされた。医療費の総額がどれだけ増えるかは「改定率」次第。医療費総額に関与する権限がないのだから、もし医療費の総額が足りずに医療法会が起きているのだとすれば、その責任は内閣にあるという論が成り立つ

◆10年度改定は入院4400億円、外来400億円と「配分」枠がはめられ、診療所の再診料は2点引き下げられた
◆現在のようなカツカツの報酬では、高額な医療機器を購入したり病院を改装したりできないという意味だろう。
◆分析結果に従えば、夜間や休日の救急医療に手厚い診療報酬をつけるべきなのは、収入増に直結しない軽症患者を受け入れている小規模病院であるという考え方もできる。
◆10年度改定でも、大病院を優遇する従来の路線が揺らぐことはなかった

◆06年度の診療報酬改定では、入院に必要なベッド代や看護にかかる費用などを評価する「入院基本料」の上限が大幅に引き上げられた(7対1入院基本料の創設)
◆改定の背景にあったのは、大病院と中小病院の格差付け。看護職員を多く配置している大病院に高い診療報酬を与えるべきという日看協の強い要望があった
◆日看協は「退院を促進しても受け皿がないではないか」という日医のような考え方はしない。サッサと退院させて在宅医療に移行させるべきと考えている。その代わり、在宅医療に関わる訪問看護師はもちろん、退院支援に携わる病院の看護師の役割も診療報酬できちんと評価してほしいと言いたいのだ

◆病院と病院との間が数十キロ以上あったり、山を越えなければならなかったりする地域もある。離島もある。地域の特性を無視して、「医療機能の分化と連携」を叫んでも、机上の空論でしかない
◆13対1、15対1を慢性期医療の領域と考えると、急性期病院よりも入院料が低い「療養病小児類似している」という方向に傾く。一方、急性期医療の領域と考えれば「類似していない」ということになる
◆提供している医療行為が大都会の病院と同じでも、スタッフの数が足りなければ、報酬を下げられる。その結果、バタバタと病院が潰れ、残りの病院に患者が集中、医師が疲弊してその病院も崩壊する。「悪徳な中小病院を潰したい」と厚労省は願っているかもしれないが、潰してはいけない病院を壊してしまう悪循環を生んでいる
病院間の距離が数十キロあるという地域では連携したくてもできない。1つの病院内で、様々な病状の変化に柔軟に対応してくれる「施設完結型」の医療が地方では欠かせないとの声も聞く

◆中医協には、患者を代表する委員が1人しかいない。もっと言えば、最大のステークホルダーである、保険料や税金を支払うだけで、「全然、元を取っていない」という健康な人たちの代表者は存在しない。彼らが何を求めているのか、その意見を聴かないまま議論が行われている

◆厚労省は、「センター」や「システム」「体制整備」などの言葉を好んで使う。しかし維持運営に必要なコストを診療報酬できちんと手当てすることは稀で、大抵は不足する分を補助金で渡すような仕組みにしている。
◆拠点化や集約化には「補助金で縛るハコモノ行政」という別の顔もある。医政局がルールを決めて、それに従う病院に補助金を流し込むなど補助金を使って医療政策をコントロールする。

つづき
その3





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2017年8月1日火曜日

行列のできる審議会~中医協の真実 新井裕充 その1

再診料1点、120億円。。。

◆診療所の再診料が1点下がるとどうなるか。1日に40人の再診患者を診る診療所の場合、10円×40人=400円の減収になる。これを1か月25日で計算すると1万円、年間で12万円。全国に約10万の診療所があるので、「12万円×10万施設」で単純計算すると120億円!

◆役人は、ある時は積極的に介入し、ある時は無関心を決め込む。そうやって、記者を飼い慣らしていく
◆記者の間では、入れなかった人のためにインターネット中継をしてほしいという声も出ている。生中継は無理でも、会議を録音した音声データを厚労省のホームページにアップするぐらいなら簡単だろう。しかし、担当課に頼んでも、なかなか動いてくれない。
◆中継や録画を許してしまうと、日常的に行われている議事録の修正ができなくなる

◆公益委員は、有名大学の教授らが務めている。公益委員だけで構成される検証部会というものがあるが、資料は厚労省保険局医療課が準備する。外部の業者を使った調査結果を元に議論はするものの、厚労省の方針に逆らう場面はほとんどない。

◆08年度改定以後、中医協では「外来管理加算」の見直しが毎回のように議論になっていた。「外来管理加算」は診療所などで再診を受けると上乗せされる診療報酬(520円)で、検査や処置をしない場合に算定できる。
◆中医協では、医療費の総額が増えないことを前提に、「あっちを上げるならこっちを下げる」という考え方で議論が進められる。これを厚労省や中医協関係者らは、「財源委譲」とか「財政中立」などと読んでいる

◆医療機関には正当な理由なしに受診を断れないという応召義務があって、赤字になる医療行為も提供しなければならないという仕組みを知っていると、何をバカなという気分になる
◆不思議なことに医療ではニーズのある分野、利用者の多いサービスが削られていく。先導しているのは財務省、実行するのは厚労省、お墨付きを与えるのが中医協。

◆日医の会長選挙は2年に1度のペースで行われる。病院や診療所の収入となる診療報酬の改定案が決まるのは2月なので、その結果がよければ会長も続投しやすくなる。そのため、大局的な意見ではなく、「金を診療所へよこせ」という意見を日医委員が連発する

◆医療記者になって最初にぶつかる壁が病院団体の多さだ。
 最大規模の日本病院会(日病)、民間の中小病院が加盟する全日本病院協会(全日病)、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、これら4つは四病院団体協議会(四病協)という連合体を作っており日医と定期的に意見調整を行っている
◆病院団体は他にも、全国公私病院連盟、全国自治体病院協議会、日本私立医科大学協会など多数ある。

◆中医協汚職事件を契機に、10団体でつくる日本病院団体協議会(日病協)が05年4月に結成され、後に11団体になった。
◆中医協の診療側に日病協の枠が二つある。

◆昔は地域ごとに報酬が違っていて、それを引き継いだ甲乙2種類の点数表があった。50年代後半、旧厚生省は開業医に従来の点数表「乙表」を、病院には入院料などの点数の高い「甲表」を適用する案を示したため、日医と旧厚生省が激しく対立した
◆日病の前身日本病院協会は旧厚生省案を指示。62年、日医に加担する民間中小病院の院長らが独立して全日病を結成した。
◆団体のトップと厚労省担当者との人間的なつながりなど、その他もろもろで医療政策が決まっていく

◆中医協で、日看協は「専門委員」という議決権を持たない立場で参加している。脇役ではあるが、看護に関するテーマでは積極的に発言する。
◆診療報酬で都市部と地方の格差が生じることを懸念した発言だが、地方の看護師不足を加速させたのは「7対1」であり、他でもない日看協ではないか、と多くの傍聴者が心の中で思ったはずだ

◆支払側にとって「勤務医の負担軽減」とは、開業医の取り分を減らして病院に手厚くするというだけのことに過ぎない。その結果、勤務医の労働環境が改善するかどうかにはあまり関心がないようだ。

つづき
その2


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2017年5月18日木曜日

先発品と後発品の差額を患者負担とするって、厚労省が財務省の手下になっちゃってる件

昨日の医療保険部会に、また凄いものが出てきたようですね。

厚労省保険局 先発品の償還価格を後発品の平均薬価に揃える制度を提案
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/57517/Default.aspx

「厚生労働省保険局は5月17日の社会保障審議会医療保険部会に、先発品の償還価格を後発品の平均薬価に揃える制度の導入を提案した。

具体的には、①先発品と後発医薬品の差額を患者負担とする、②患者負担にはせず、先発品の薬価を後発医薬品まで引き下げる-の2案。

この日の社保審では、薬価の高止まりが起きることへの懸念や、保険財政上の影響がないことなどを理由に、いずれの案についても導入に慎重な意見が相次いだ。

ただ、一部委員からは、後発医薬品80%目標のインセンティブの必要性などから、差額を患者負担とすることについて容認する声もあがった。」


元資料:厚労省HP
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000164996.pdf
スライド7参照


いわゆる参照価格制度というやつですが、
2014年頃にも議論の俎上に上がっていました。
https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/260707/


「①先発品と後発医薬品の差額を患者負担とする」
これヤバくないですか。

言い変えると、
「保険者は後発品の値段しか払わないよ。
先発品使いたければ、その分は患者が自費で負担してね。」
ってことですよね。

最近、生活保護の方については後発品を優先使用促進というような仕組みが検討されていたように記憶しておりますが、これは全被保険者について有無を言わさず後発品の薬価までしか償還しないということ。

おいおい、と。
そもそも後発品は治験をやっていないから、
一部の医師からは安全性や有効性には疑問が投げかけられているわけです。
それをこういうシステムで縛るというのは。。。

厚労省は本当に財務省の手下になりさがってしまったんかい。。。
日本の医療福祉はあなた達の手にかかってるんだぜ。。。

あと、注目すべきはこの記事の公開日時 
2017/05/18 03:52
報道関係者各位、おつかれさまです。。。
厚労省、労働関係も頑張って。




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